
JRAサンデーRの不可解「使い分け」に疑問の声!? サウジアラビアRC(G3)コマンドラインの「敵」は身内にあり
今週末から、JRAは東京、阪神、新潟での3場開催。いよいよ本格的な秋競馬の時期を迎える。9日(土)に口火を切るのは、5年前にG3へと生まれ変わったサウジアラビアRC(G3)だ。
レース名称がいちょうSだった時代にはエアグルーヴやメジロドーベル、イスラボニータがここをステップに、G1馬に上り詰めた。G3に格上げされた後は出世レースとしての地位をさらに確立。17年ダノンプレミアム、18年グランアレグリア、19年サリオス、20年ステラヴェローチェなど勝ち馬の出世率は非常に高い。
今年は特別登録8頭だけという少頭数になったが、非常に楽しみなメンバーが揃った。
最大の注目は、デビュー前から「超大物」と評判だったディープインパクト産駒のコマンドライン(牡2歳、美浦・国枝栄厩舎)だろう。
6月のデビュー戦では、スローな流れを先行。直線ではもたつく場面もあったが、スイッチが入ると一気に加速し、2着コンクパールに3馬身差をつける快勝だった。
そのコマンドラインに続くのが牝馬の2頭。全兄にステルヴィオがいるステルナティーア(牝2歳、美浦・岩戸孝樹厩舎)と新潟2歳S(G3)で5着だったスタニングローズ(牝2歳、栗東・高野友和厩舎)だ。
いずれもノーザンファームで生産されたこの3頭。血統背景やそのレースぶりから、いずれも暮れの2歳G1、そして来春のクラシックも狙える存在である。
そしてこの3頭の共通点はノーザンファーム生産馬というだけではない。実は一口馬主クラブのサンデーレーシングの所有馬でもある。
しかし、この同馬主の3頭出しにはSNSなどで、一部の出資者から「星の潰しあいだ」、「キャロットやシルク(所有馬)とぶつかるならまだしも……」という疑問の声も上がっている。
「G1ならまだしも、G3ですからね。もう少しうまいレース選択ができなかったのかなというのが正直な感想です。出資者ならなおさらそう感じるのではないでしょうか。
初戦でズブさを見せたコマンドラインは1800mの東京スポーツ杯2歳S(G2)という選択肢もありましたし、ステルナティーアは自己条件のサフラン賞(3日に開催済み)との両睨みで、あえて牡馬混合戦のこちらを選択。スタニングローズも牝馬限定のアルテミスS(G3)など他にもレースはあったと思います」(競馬誌ライター)
サンデーRがG1以外の2歳重賞もしくはOP以上のレースに3頭以上を出走させるのは、非常に珍しく、過去10年(11年以降)では15年ホープフルS(当時G2)の1度だけだった。
もちろん、重賞なので、2着馬までに収得賞金が加算され、後のレース選択の幅は広がる。裏を返せば、2着が同着にならない限り、3頭中1頭は収得賞金を加算できないということになる。
3頭ともまだ1勝馬の身。今後に向けて賞金加算が至上命題なだけに、3頭の出資者なら首をかしげたくなるサンデーRの今回の判断。この使い分けは果たしてどのように転ぶだろうか。
(文=中川大河)
<著者プロフィール>
競馬ブーム真っただ中の1990年代前半に競馬に出会う。ダビスタの影響で血統好きだが、最近は追い切りとパドックを重視。
PICK UP
Ranking
5:30更新「シャフリヤールの激走はわかっていた」本物だけが知る有馬記念裏事情。そして“金杯”で再現される波乱の結末とは?
宝塚記念(G1)団野大成「謎降板」に関西若手のエースが関係!? 武豊の不可解な登場と突然のフリー発表…関係者を激怒させた「素行不良」の舞台裏
浜中俊「哀愁」の1年。かつての相棒ソウルラッシュ、ナムラクレアが乗り替わりで結果…2025年「希望の光」は世代屈指の快速馬か
- 皐月賞(G1)クロワデュノール「1強」に待った!? 「強さが証明された」川田将雅も絶賛した3戦3勝馬
- 武豊やC.ルメールでさえ「NGリスト」の個性派オーナーが存在感…お気に入りはG1前に「無念の降板」告げた若手騎手、過去に複数の関係者と行き違いも?
- 未勝利ルーキーが「深刻理由」で乗鞍激減!?度重なる失態に師匠からはお灸、エージェントも契約解除の大ピンチ
- JRA「出禁」になったO.ペリエ「税金未払い」騒動!? L.デットーリ「コカイン使用」K.デザーモ「アルコール依存症」過去の”外国人騎手トラブル”に呆然……
- 【阪神C(G2)展望】武豊“マジック”でナムラクレア、ママコチャを破った重賞馬が待望の復帰戦! 短距離界の有馬記念に豪華メンバーが集結
- 「世代最強候補」クロワデュノールは本物なのか?ホープフルSで下馬評を覆す最強刺客
- 天才の息子・福永祐一は何故「天才」と呼ばれないのか? 「漁夫の利」に集約されたシュヴァルグランでの「決意」に落胆