【南部杯(G1)展望】「連覇」アルクトスと「V2」サンライズノヴァの一騎打ち!? インティ武豊の代打は“因縁”のアノ若手騎手
11日(月)には盛岡競馬場でマイルチャンピオンシップ南部杯(G1)が行われる。
このレースが統一G1に格付けされた1997年以降、06~08年に3連覇を果たしたブルーコンコルドを含む5頭が連覇を達成。リピーターの活躍が顕著なレースとなっている。
今年はJRA所属7頭、地元の岩手所属8頭、そして大井所属1頭の合計16頭が出走を予定しているが、有力候補はリピートを狙う過去2年の覇者だろう。
まずは昨年6番人気でG1初制覇を遂げたアルクトス(牡6歳、美浦・栗田徹厩舎)だ。1年前は稍重の速い時計が出る馬場を味方に1分32秒7という好タイムで1600mを駆け抜けた。
これはクロフネが2001年の武蔵野S(G3)で記録した1分33秒3を塗り替えるダート1600mの“日本レコード”だった。
2年前にも2着に入るなど、盛岡ダートとは相性抜群。レース当日は雨予報も出ており、昨年と同じく脚抜きのいい高速馬場になれば連覇は濃厚か。
この秋は11月3日に金沢競馬場で行われるJBCスプリント(ダート1400m、G1)に行くプランもあったようだが、陣営は確勝を期してより得意とするワンターンの南部杯を選択してきた。年内はこれが最後のレースということなので、ここに全力投球で臨むだろう。
2年前のこのレースでアルクトス、ゴールドドリームらを抑えて勝利したサンライズノヴァ(牡7歳、栗東・音無秀孝厩舎)。昨年は1番人気に推されるも4着に敗れた。
連覇を狙ったサンライズノヴァは道中、中団7番手という位置取り。直線で末脚を伸ばしたが、前が止まらない馬場に泣いた。その後は武蔵野Sで重賞5勝目を飾ったが、近3走はG1で12着、11着、7着と苦しいレースが続いている。
今回は松若風馬騎手から松山弘平騎手に乗り替わって変わり身に期待がかかる。唯一コンビを組んだ昨年のフェブラリーS(G1)では3着に好走。また、松山騎手は今週6日(水)の東京盃(G2)を7番人気サクセスエナジーで、7日(木)のレディスプレリュード(G2)をレーヌブランシュで2日連続Vと目下交流重賞で絶好調だ。乗れている鞍上が7歳馬を2年ぶりG1勝利に導くことはできるだろうか。
展開のカギを握るのは昨年9着のインティ(牡7歳、栗東・野中賢二厩舎)だろう。
7連勝でフェブラリーSを制したのは2年8か月前。その後は勝利こそないが、G1で4度馬券圏内に入るなど嵌ったときはまだまだ怖い存在だ。
今回は主戦の武豊騎手が凱旋門賞(G1)騎乗から帰国後の隔離期間中のため、岩田望来騎手が代打に指名された。
インティと岩田望騎手といえば、今年1月の東海S(G2)を思い出すファンもいるだろう。岩田望騎手は人気薄のダイシンインディーに騎乗。断然1番人気に支持された武騎手騎乗のインティがハナを奪いにいったところ、岩田望騎手に執拗に絡まれ、ともに2桁着順という共倒れに終わった。
ここ2戦は控える競馬で結果を残しているインティ。今回は最内枠を引き当てたが、砂を被るのは避けたいタイプだ。ここは岩田望騎手が東海Sでインティ相手に見せたような積極的な競馬を見せる可能性もあるだろう。昨日の敵は今日の友となるか。重賞勝利になかなか手が届かない21歳の岩田望騎手。交流G1初挑戦で思い切った騎乗に期待したい。
2歳時から息の長い活躍を見せているエアスピネル(牡8歳、栗東・笹田和秀厩舎)。
昨夏にダートに転向し、ここまでダートでは6戦して「0-3-1-2」という成績を残している。フェブラリーSで2着に激走するなど、距離がマイル以下のときは「0-3-1-0」と複勝率は100%。17年富士S(当時G3)以来となる勝利をここで飾れるか。
この他には、今年のかしわ記念(G1)2着馬のソリストサンダー(牡6歳、栗東・高柳大輔厩舎)、昨年のかしわ記念覇者ワイドファラオ(牡5歳、栗東・辻野泰之厩舎)なども不気味な存在だ。
交流重賞だが、今年も地方馬の出番はなさそうだ。アルクトスの連覇か、サンライズノヴァの2年ぶりリピートはあるか、それともインティが岩田望騎手に待望の重賞制覇をもたらすか。発走は11日の17時30分を予定している。
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