JRA【京都大賞典(G2)予想】アリストテレスは余裕の消し! 絶好調の3週連続的中へ爆穴“導火線”指名馬とは
今回は10日に開催される京都大賞典(G2)を予想していきたいと思う。
先週のスプリンターズS(G1)は△→◎→△で的中。ピクシーナイトは3歳馬というところで印を落としたが、予想以上の好走で戴冠。ダノンスマッシュが飛んだのを予想できたのは会心の一撃だった。やはり海外遠征帰り、しかも大敗しての休養明けで勝てるほど甘いG1ではなかった。
さて、京都大賞典の予想に戻ろう。今年は京都競馬場の改修で27年ぶりに阪神開催となるが、コース形態は違えど施行条件自体は変わらないので、データもそのまま読んでいきたい。
まず過去10年で馬券に絡んだ馬30頭の前走だが、
宝塚記念 13頭
天皇賞・春 4頭
新潟記念 2頭
安田記念、大阪杯、オールカマー、札幌記念、鳴尾記念、阪神大賞典、目黒記念 各1頭
オープン特別 2頭
条件特別 2頭
となっている。宝塚記念(G1)と天皇賞・春(G1)からの休養明け初戦に選ぶ馬が多い。だが同日、東京で開催される毎日王冠(G2)は過去10年は特別戦からの転戦馬が1頭もいないことを考えると、やはりこちらはレースレベルが多少低いのだろう。
次に人気別の成績だが、
1番人気 3-1-2-4
2番人気 1-1-4-4
3番人気 2-0-2-6
4~6番人気 2-6-2-20
7~9番人気 0-2-0-27
10番人気以下 2-0-0-35
となっている。1番人気は善戦しているが、2番人気以下が案外。4~6番人気の中穴クラスの好走と10番人気以下の馬が2勝していることに注目したい。
過去5年に絞ると、1番人気が1勝2着1回3着1回、2番人気が1勝3着2回、3番人気が1勝3着1回と上位人気馬がそつなく好走している。注目は6番人気の2着3回と4番人気の1勝2着1回。
これらを踏まえての「◎」は11番キセキとする。
昨年末の有馬記念(G1)は今ひとつだったが、年明け初戦の金鯱賞(G2)から海外遠征を挟んでの前走宝塚記念まで掲示板を確保する堅実な走り。鉄砲駆けも期待できるのと、阪神コースと相性がいいようで、2018年の宝塚記念8着、昨年の阪神大賞典(G2)7着を除くとすべて掲示板以内を確保しているのも強調ポイント。
今回は初騎乗の和田竜二騎手に手替わりするが、直近1年の阪神での成績が突出していいのと、穴馬を好走させる手腕は大いに期待できる。
「○」だが、14番ヒートオンビートを推したい。
目黒記念(G2)からの転戦例が昨年3着のキングオブコージしかない。ただ、実績自体は重賞勝ちもないものの、前走の目黒記念が重賞初挑戦という馬ではあるが、全14戦中掲示板を外したのはわずか1回。また、阪神コースに関して言うなら1度の4着があるものの、あとはすべて連対しているのも見逃せない。
関係者からは春よりパンとしてきていることと、この秋の大舞台に向けて賞金加算が必須ということで、勝負気配が非常に強い。買える1頭だろう。
「▲」は1番アイアンバローズを指名する。
勝ち味に遅い馬で、初勝利までに4戦を要している。陣営はクラシックに間に合わせたかったのだろうが、青葉賞(G2)では10着、神戸新聞杯(G2)では8着といずれも大敗している。だが、昨年末に自己条件に戻ってからの進境はめざましく、2着1回3着2回からの連勝でここに臨んできた。
ローテーション的には2018年に条件特別を勝ち上がった馬の2着、2019年には3着という例があり、本馬も連勝での参戦ということでデータ的には期待できる。
「△」だが、3番ステイフーリッシュ、4番モズベッロ、12番オセアグレイトの3頭。
ステイフーリッシュは前走オールカマー(G2)から中1週での参戦となるが、2012年にまったく同じローテーションで菊花賞馬オウケンブルースリを抑えての勝利という記録がある。
正直なところ、強く推すほどのポイントはないのだが、前走が案外だったために敢えてここを使ってきたとも考えられるので、押さえならありだろう。
モズベッロはとらえどころがなさすぎて、素直に推せないところがある。大阪杯(G1)2着、宝塚記念3着のほか、重賞1勝2着1回は相応に実力あってのものと見てもいい。ただ、好走するときの条件が曖昧なのだ。コースや馬場状態に左右されるわけでもなく、斤量の軽重も関係ない。距離は2200mから2500mあたりまで大丈夫そうだが、勝ち負けにムラがある。
オセアグレイトについては、近3走が大敗続きなので人気を大きく落としているが、マラソンレースのステイヤーズS(G2)という勝ち鞍がある。ただ長距離よりも2400mくらいに良績が残っているので、ローテーション的にも悪くないと見て押さえとしたい。
人気どころでは9番アリストテレスを切りとする。
アリストテレスに関しては、無敗の3冠馬コントレイルを菊花賞(G1)で追いつめたこと、続くAJCC(G2)で不良馬場をものともしない走りが評価されているようだが、冷静に戦績を遡ればAJCC以外に重賞の勝ち鞍はない。むしろ、これが例外で馬の実力自体は近3走が実際のところなのではないかと踏んでいる。これで最有力候補は買いかぶりすぎだろう。
ということで、今回の買い目は1番、3番、4番、11番、12番、14番の三連複BOXの20点とする。
確勝級の軸馬がいれば三連複流しもありだが、飛び抜けた実績の持ち主がいないので、慎重策でBOX買いとしたい。オッズが割れているだけにトリガミはないはずだ。
(文=トーラス神田)
<著者プロフィール>
オグリ引退の有馬記念をリアルタイムで見ている30年来の競馬好き。ウマ娘キャラがドンピシャの世代。競馬にロマンを求め、良血馬にとことん目がない。おかげで過去散々な目に遭っている。そのくせ馬券は完全データ派。座右の銘は「トリガミでも勝ちは勝ち」。
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