JRA【京都大賞典(G2)展望】アリストテレスはM.デムーロとコンビ再結成!27年ぶり阪神開催に”道悪巧者”集結も秋晴れ続きで波乱は必至!?
10日には伝統の京都大賞典(G2)が行われる。京都競馬場が改修工事中のため、今年は27年ぶりに阪神競馬場での開催。前回はマーベラスクラウンがここを勝利し、ジャパンC(G1)制覇につなげた。
27年前は阪神芝2500mで行われたが、今回は2400mで外回りコースを使用。開幕週ということで、瞬発力が問われる一戦となりそうだ。
主役候補の1頭は昨年の菊花賞(G1)でコントレイルを苦しめたアリストテレス(牡4歳、栗東・音無秀孝厩舎)だろう。
菊花賞2着後は1月のAJCC(G2)に出走。不良馬場をものともせず、重賞初勝利を飾った。この一戦で天皇賞・春(G1)の最有力候補に名乗りを上げたはずだったが……。
陣営は天皇賞・春の前に阪神大賞典(G2)を挟むことを選択。単勝1.3倍の圧倒的支持を受け、そのスタミナを発揮するかと思われたが、まさかの7着に敗退。評価を下げて臨んだ天皇賞・春は2番人気で4着と期待を裏切った。
続く宝塚記念(G1)は武豊騎手と初コンビを結成。4番人気に支持されたが9着。飛躍を誓ったこの春は悔しいレースが続いた。
今回はM.デムーロ騎手と約1年ぶりのコンビ復活。3歳夏から秋に自己条件を2連勝したときに手綱を取っていた名手にアリストテレスの「再生」が託された。
昨年9月の小牧特別(2勝クラス)を勝ち上がったときは、デムーロ騎手が「やっぱりスタミナがすごい」とコメント。菊花賞での激走サインを出していたが、本番で手綱を取ったのはC.ルメール騎手だった。久々となるコンビで結果を残し、秋の中長距離路線に進みたい。
昨年の日経新春杯(G2)覇者モズベッロ(牡5歳、栗東・森田直行厩舎)も主役を張るだけの実力の持ち主だ。
重賞はまだ1勝だけだが、G1では2度人気薄で馬券圏内に激走している。1度目は、昨年の宝塚記念で12番人気3着。この時は稍重発表だったが、実際は重に近い時計がかかる馬場。2度目が2走前の大阪杯(G1)でレイパパレの2着にしぶとく残った。この時は重馬場での激走で、どちらもレース前にまとまった量の雨が降ったという共通点がある。
時計勝負になるとやや分が悪いだけに、中間に一雨ほしいところ。しかし、週末にかけての天気予報を見ると、晴れマークが並び、秋晴れが続くようだ。
唯一のG1勝利を不良馬場で挙げているキセキ(牡7歳、栗東・辻野泰之厩舎)も出走を予定している。
大雨のなか、極悪の不良馬場で行われた17年の菊花賞を制してまもなく丸4年。その後は勝利こそないが、G1での2着は4回を数える。
京都が舞台だった昨年のこのレースでは後方から早めにスパートをかけて2着に好走。その後は秋の古馬王道路線を歩んだ。
今年は金鯱賞(G2)5着、香港のQE2世C(G1)で4着、そして宝塚記念は5着と掲示板を確保している。3か月半ぶりの実戦で鞍上には初コンビとなる和田竜二騎手が指名された。逃げるのか捲るのか、その出方にも注目したい。
ここまで名前を挙げた3頭は、いずれも道悪実績があるがゆえに、高速化が予想される開幕週の馬場がどう出るか。良馬場なら、波乱になる可能性も高いだろう。
母が11年の桜花賞馬というヒートオンビート(牡4歳、栗東・友道康夫厩舎)は着実に力をつけ、充実の4歳秋を迎えようとしている。
勝ち上がりに5戦を要し、オープン入りしたのは今年1月。重賞初挑戦となった前走・目黒記念(G2)では、ウインキートスの2着と結果を残した。夏を休養に充て、成長を促した効果が初戦で出るか。
札幌記念(G2)で心房細動を発症し、競走を中止したステイフーリッシュ(牡6歳、栗東・矢作芳人厩舎)。オールカマー(G2)では、その影響を感じさせない走りで、0秒4差の5着で掲示板を確保した。出走すれば中1週となるが、上位争いは必至だろう。
この他には、5年前のダービー馬マカヒキ(牡8歳、栗東・友道康夫厩舎)、G2を2勝している実績馬ダンビュライト(セ7歳、栗東・音無秀孝厩舎)、昨年のステイヤーズS(G2)を制したオセアグレイト(牡5歳、美浦・菊川正達厩舎)なども上位をうかがう。
抜けた存在がおらず、混戦模様が予想される今年の京都大賞典。発走は10日15時35分を予定している。
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