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JRA金子真人オーナー「三本の矢」でも狙い目は最低人気!? 今度はマカヒキではなくワグネリアン、秋華賞激走を予感させる「意味深」な背景

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JRA金子真人オーナー「三本の矢」でも狙い目はミスフィガロ!? 今度はマカヒキではなくワグネリアン、最低人気の秋華賞激走を予感させる「意味深」な背景の画像1
ソダシ 撮影:Ruriko.I

 17日、阪神競馬場では牝馬のラスト一冠・秋華賞(G1)が開催される。本命視されるソダシは、札幌記念(G2)で古馬トップクラスの1頭であるラヴズオンリーユーを破り、充実の夏を過ごした。最大のライバルと見られていたサトノレイナスが故障により、戦線を離脱したこともあり、断然人気での出走が予想される。

 ソダシを所有しているのは、誰もが羨む競馬界一の「豪運男」ともいえる金子真人オーナーだ。ソダシの父クロフネをはじめ、ディープインパクト、キングカメハメハやカネヒキリなど、これまで所有した馬から数多くのG1馬が誕生した。

 一人のオーナーにここまで走る馬が集中したことは、ただ“運がいいだけ”では説明がつかない。その卓越した相馬眼によって、「金子王国」を築き上げたといっていいだろう。

 今年の秋華賞にはソダシ以外にも、アカイトリノムスメ、ミスフィガロ、マリアエレーナの計4頭がスタンバイ。除外対象となっているマリアエレーナについては絶望的といえる状況だが、それでもG1の舞台に「三本の矢」で挑めるというのは、驚異的な層の厚さを物語っている。

 アクシデントなどがなければ、ほぼ出走が確定している3頭。上位人気が予想されるソダシ、アカイトリノムスメに比して、人気の盲点となりそうなのがミスフィガロ(牝3、栗東・友道康夫厩舎)である。配当的な妙味も含めて絶好の狙い目となりそうな同馬に注目してみたい。

 デビューから無傷の5連勝でソダシが桜花賞馬に輝いた4月に、ミスフィガロはまだ未勝利戦すら勝てない状況だった。すでにG1・2勝目を挙げた白毛の女王とは、天地の開きがあったといっても過言ではない。

 しかし、5月の未勝利戦を2着馬に2馬身半の差をつけて初勝利を挙げると、次走の1勝クラスでも勝利。続く秋華賞トライアルの紫苑S(G3)では、12番人気の低評価ながら、下馬評を覆す3着に入り、牝馬ラスト一冠の最終チケットを手に入れるまでに成長した。この好走はミスフィガロの確かな成長を裏付ける結果ではないだろうか。

「この体でもバランス良くきちんと走っていました。これからもっと良くなると思いますし、最低限権利を取れて良かったです」

 秋華賞の権利を取った紫苑S後に友道師が残したコメントに「最低限」という言葉が含まれていたことからも好感触が伝わってくる。指揮官としては、優先出走権が手に入る3着以上に好戦可能という自信があったようにも思える内容だ。

 まず、強調できる点は、マイル戦でデビューした同馬が徐々に距離を延ばし、3月の未勝利戦から前走の紫苑Sまで4戦連続で芝2000mのレースを使われていることだ。それとともに末脚も際立つようになり、近2走ではコンスタントに上がり3ハロン33秒台の切れ味を披露している。

 また、馬体に身が入ってきたことも躍進の原動力となっているはず。406キロでデビューしたように馬格のなかったミスフィガロは、レースを走るたびに馬体重を減らし、一時は400キロちょうどまで落ち込んだこともあった。

 だが、2走前には初めてプラスとなる408キロで出走して勝利。前走でも同じく8キロプラスの416キロとなり、最低体重だった400キロから16キロ増と充実した。

 次に注目したいのは、ローズS(G2)ではなく、紫苑Sを経由して本番に挑めることだ。少し前なら有力馬が集まるローズSを経由するのが王道といえるステップだったものの、それまでオープンクラスだった同レースが、G3となった2016年から傾向は一変する。

 ローズS経由の馬が【0.1.4.26/31】に対し、紫苑S組は【2.3.0.20/25】と立場が逆転。16年ヴィブロス、17年ディアドラのように優勝馬も輩出するようになった。これは紫苑Sを経由するミスフィガロ陣営にとっても心強いデータとなりそうだ。

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 これらに加え、一部では9番人気の京都大賞典(G2)を制し、約5年ぶりに勝利の美酒に酔ったマカヒキの激走もサインになりそうという声もある。

「ミスフィガロの全兄がワグネリアンなんですよね。こちらもダービー馬ながら、約3年もの間、未勝利と低迷している現状です。マカヒキほど長くはないですけど、ディープインパクト産駒で友道厩舎まで同じ。

もしかしたら、近いうちに二匹目のどじょうでワグネリアン復活なんてこともないかと気になっていたところでした。ただそれだと少し安直ですから、一捻りして全妹のミスフィガロが好走するんじゃないかって思ったり(笑)」(競馬記者)

 なるほど、言われてみれば一理ある?とも思える意見かもしれない。人気的にも盲点になりそうな存在でもあり、ここはひとつ乗ってみる手もありそうだ。

(文=高城陽)

<著者プロフィール>
 大手新聞社勤務を経て、競馬雑誌に寄稿するなどフリーで活動。縁あって編集部所属のライターに。週末だけを楽しみに生きている競馬優先主義。好きな馬は1992年の二冠馬ミホノブルボン。馬券は単複派で人気薄の逃げ馬から穴馬券を狙うのが好き。脚を余して負けるよりは直線で「そのまま!」と叫びたい。

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