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JRA週末は「傘マーク」で秋華賞(G1)は道悪が濃厚!? 元世界ランキング1位の「逃亡者」を父に持つアノ馬に「追い風」がビュンビュン!

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 17日(日)、今年の秋華賞(G1)は例年の京都ではなく、阪神競馬場の内回り2000mで行われる。

 特注穴馬として注目したいのが、前哨戦のローズS(G2)を12番人気で2着に逃げ粘ったエイシンヒテン(牝3歳、栗東・渡辺薫彦厩舎)だ。

 13日現在、『netkeiba.com』の予想オッズで、同馬は10番人気とあくまでも伏兵的存在だが、決して少なくない追い風がエイシンヒテンを後押ししてくれそうだ。

 1つ目は出走予定メンバー中最多を誇るキャリアとコース実績。11戦という出走数もさることながら、阪神コースを6度、内回りを3度経験しているのは強調できる。同コースの忘れな草賞(L)では2着に好走しており、豊富なコース経験と好走歴は大きな武器といえるだろう。

 2つ目は展開の利が見込めそうな点だ。エイシンヒテン陣営は「(後ろを)離してレースができれば」とコメントしており、他に明確な逃げ馬も不在。スタート直後に急坂があるこのコースはペースも落ち着きやすく、ノーマークで単騎逃げを打てれば、前走の再現があってもおかしくない。

 3つ目は週末の空模様。阪神競馬場がある兵庫県宝塚市では、土曜日から日曜日にかけて秋雨前線が通過。降水確率は60〜80%で、傘マークが出ている。

 馬場が荒れた時の阪神芝2000mは逃げ・先行が断然有利な傾向となっている。2011年以降、このコースで逃げた馬の勝率を見ると、良馬場の19.3%、稍重の17.9%に比べ、重馬場では30.4%と一気に跳ね上がる。

 重馬場で行われた今春の大阪杯(G1)のレイパパレのような進路取りができれば、スイスイ逃げ切ってしまうシーンがあっても……。ただし、エイシンヒテン自身は11戦すべて良馬場しか走っておらず、道悪は未知数。適性の有無は血統に頼るしかないだろう。

 そこでエイシンヒテンの血統表を見ると、見事に「エイシン」の血で固められていることが分かる。父は海外G1を2勝、国内でも重賞を2勝したエイシンヒカリ、母は中央で2勝したエイシンサンバレー、そしてその父は1990年代に快速スプリンターとして鳴らしたエイシンワシントンだ。

 注目はエイシンヒカリがフランスのイスパーン賞(G1)を勝った時のパフォーマンス。連日の雨で馬場は「重」発表だった。他馬にハナを奪われ、エイシンヒカリには厳しい展開となったが、直線で力強く脚を伸ばすと、2着に10馬身差という圧勝劇を演じた。このパフォーマンスは高く評価され、ワールド・ベスト・レースホース・ランキングで129ポンドを獲得。約3か月間にわたって世界1位に君臨した。エイシンヒテンも父のように道悪で一気にパフォーマンスを上げても何ら不思議はない。

 父エイシンヒカリ、母の父エイシンワシントンから受け継いだ“逃走者”としての資質も高く、エイシンヒテンがこれまで4角を先頭で通過したときの成績は「2-2-0-1」。唯一の着外はクイーンS(G3)での4着と大崩れしていない。

 コース実績、雨、展開、そして「エイシン」一族の後押しを背に、エイシンヒテンは父と祖父が成しえなかった国内のG1タイトル奪取を狙うには、好条件が揃った。

(文=中川大河)

<著者プロフィール>
 競馬ブーム真っただ中の1990年代前半に競馬に出会う。ダビスタの影響で血統好きだが、最近は追い切りとパドックを重視。

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