JRA泥沼「9連敗」川田将雅の苦しい秋!? 本格化するG1戦線前に連敗トンネル突入の気配
上半期の絶好調はどこへやら……。
9月から始まった秋のG1シリーズは、スプリンターズS続いて秋華賞も終了。今週末には牡馬クラシック最終章となる菊花賞の開催が予定され、翌週には秋の天皇賞も控えている。
まさに秋のG1戦線本格化を感じられる時期だが、もうひとつ調子が上がってこないのは日本が誇るトップジョッキーの一人、川田将雅騎手だ。
17日の開催を終えて全国騎手リーディングは、155勝を挙げてトップを独走するC.ルメール騎手に次ぐ2位につけている。35勝の大差をつけられながらも、最高勝率騎手のタイトルだけは譲れないと、ルメール騎手の.247を上回る.281をキープ中。秋の重賞戦線でも頼りになる存在のはずだった。
しかし、8月末の新潟2歳S(G3)をセリフォスで優勝してからは、重賞の成績が急降下。気がつけば翌週の新潟記念(G3)から先週の秋華賞(G1)まで9連敗。1番人気で敗れたレースの中には、京成杯AH(G3)グレナディアガーズ3着、オールカマー(G2)レイパパレ4着、スプリンターズS(G1)ダノンスマッシュ6着もあったように、人気を裏切るケースも目立ち始めた。
これに対し、春の川田騎手が驚異的な活躍をしていたことも思い出したい。1月から6月の期間で挙げた重賞勝ちはなんと11勝。ルメール騎手の8勝、福永祐一騎手の5勝と比べてみても、勝利数と勝率で大きく差をつける独走劇を演じた。
特に8番人気ダノンキングリーでマイルの絶対女王グランアレグリアを破った安田記念(G1)などは、川田騎手の「神騎乗」がもたらした大金星ともいえるだろう。
ところが、夏競馬では2勝したものの、秋の不振で勝ち数は足踏み。今となってはルメール騎手に13勝で並ばれ、福永騎手にも4勝差まで詰められてしまった。
「距離や条件に恵まれないなど、敗因は様々ありそうですが、結果だけを見るとスランプのような成績が続いています。本人もこれからの巻き返しに燃えていると思いますが、状況的に苦しいかもしれません。
なんといってもラヴズオンリーユーでのアメリカ遠征も控えています。帰国後の隔離期間なども考慮すると、復活はそう簡単ではなさそうです」(競馬記者)
本人も待ち望んでいたアメリカ遠征を前に、まずは菊花賞(G1)を何とかしたいところ。牝馬のラスト一冠・秋華賞では、断然ムードだったソダシがまさかの惨敗を喫した。ステラヴェローチェの1番人気が予想される菊花賞だが、皐月賞馬エフフォーリア、ダービー馬シャフリヤールが不在ならチャンスはありそう。
レッドジェネシスとのコンビで、川田騎手は2010年ビッグウィーク以来となる11年ぶりの勝利を挙げられるだろうか。
(文=高城陽)
<著者プロフィール>
大手新聞社勤務を経て、競馬雑誌に寄稿するなどフリーで活動。縁あって編集部所属のライターに。週末だけを楽しみに生きている競馬優先主義。好きな馬は1992年の二冠馬ミホノブルボン。馬券は単複派で人気薄の逃げ馬から穴馬券を狙うのが好き。脚を余して負けるよりは直線で「そのまま!」と叫びたい。
PICK UP
Ranking
17:30更新- ルメール軍団「誤算続き」で迷走中?使い分けの弊害に一部ファンから疑問の声
- クロワデュノール「世代最強説」に現実味も…ダービー馬候補が未勝利戦より遅い時計の怪
- 武豊×ドウデュース完全包囲網で波乱含み!?豪華メンバーのジャパンCにチェルヴィニア、ブローザホーン、オーギュストロダンら最強メンバー集結。レジェンド元JRA騎手の見解は?
- 「別競技」の高速馬場で欧州最強マイラーの意地見せたチャリン!ジャパンC参戦オーギュストロダン、ゴリアットに朗報?
- C.ルメール「アンラッキー」な過怠金に謝罪…マイルCSでも「牝馬のC.デムーロ」の手綱冴えるか?
- エアスピネル降板に武豊騎手は「何」を思う……8年前、すべてを手にしてきた天才騎手が”最大級”の屈辱を味わった「ウオッカ事件」とは
- 【京都2歳S(G3)展望】藤田晋オーナーの大物エリキングが登場! ジョバンニ、サラコスティがリベンジに燃える
- 【ジャパンC(G1)展望】「ディープ」オーギュストロダンVS「ハーツ」ドウデュース、2005年有馬記念から19年越しの最終決戦!
- 春のG1戦線に水を差す「醜聞」続く…現役騎手の父に詐欺容疑、G1馬オーナーが逮捕
- 「3大始祖」消滅の危機……日本で「2頭」世界で「0.4%」の血を残すべく立ち上がったカタール王族の「行動」に称賛
関連記事
JRA毎日王冠(G2)勝負を決めたのは展開よりもポテンシャルの違い!? ダノンキングリーVSシュネルマイスター、「動いた」川田将雅と「動かなかった」C.ルメール
JRA【府中牝馬S(G2)展望】戸崎圭太マジックキャッスルVS川田将雅デゼルが一騎打ち! ドナアトラエンテはC.ルメールとコンビ復活で重賞初Vのチャンス
JRA 川田将雅「これからどう成長してくるか楽しみ」 厩舎ゆかりの血統で5億円ホースを一蹴!名門牧場「走ってもらわないと困る」と評価する2歳馬とは
JRA戸崎圭太「悔しい情けない」発言から4カ月、ダノンキングリー川田将雅「これが本来の姿」に調教師も絶賛…… 毎日王冠(G2)でシュネルマイスターと再び激突
JRA「5戦無敗」ポタジェが川田将雅に”捨てられて”はや7ヶ月……。毎日王冠(G2)で「復縁」猛アピールなるか