GJ > 競馬ニュース > 四位洋文調教師 初G1挑戦を横山和生に託した思いとは...
NEW

JRA「本物のジョッキーがやめるのはつらい」と惜しまれた四位洋文調教師、初G1挑戦を「“感性”が合う」戦友・横山典弘の息子・和生に託した思い

【この記事のキーワード】, , ,

JRA「本物のジョッキーがやめるのはつらい」と惜しまれた四位洋文調教師、初G1挑戦を「感性が合う」戦友・横山典弘の息子・和生に託した思いの画像1

 24日、今年は阪神競馬場の芝3000mを舞台に菊花賞(G1)が行われる。トライアルの神戸新聞杯(G2)で3着に入り、優先出走権を得たモンテディオ(牡3歳、栗東・四位洋文厩舎)が出走予定で、開業間もない四位師にとって記念すべき「G1初挑戦」となることが話題になっている。

「四位厩舎としてもモンテディオにとっても初のG1」と自ら語る四位師は、トレーナーとしてはG1初挑戦となるが、騎手時代にはアサクサキングスで2007年の菊花賞を制覇している。

 権利取りに成功したときの鞍上は、池添謙一騎手。しかし今回は乗り替わりの関係上、横山和生騎手に白羽の矢が立った。父はご存じ、通算2858勝を誇る関東の大ベテラン横山典弘騎手。四位師と横山典騎手の“特別”な間柄は有名で、過去の『東京スポーツ』の記事では、4歳ほど年齢が離れているにも関わらず、四位師は「ノリちゃんとは“感性”が合う」と話している。

 実際に、昨年2月29日に行われた現役引退式で四位師は「(涙をこらえていたが)ノリさんから花束を受け取ったときはやばかった」と本音を漏らし、横山典騎手も「本物のジョッキーがやめるのはつらい」と心情を吐露していた。

JRA「本物のジョッキーがやめるのはつらい」と惜しまれた四位洋文調教師、初G1挑戦を「感性が合う」戦友・横山典弘の息子・和生に託した思いの画像2

 一方で、モンテディオに“乗り替わり”で大一番に挑む横山和騎手は、意外にも菊花賞は初騎乗。父は1998年の同G1をセイウンスカイで制している。

 当時を振り返れば、皐月賞トライアルの弥生賞(G2)で、セイウンスカイはスペシャルウィークの2着に敗れた。当時のスポーツ雑誌『Number』(集英社)によれば、騎乗した徳吉孝士騎手に騎乗ミスはなかったものの、オーナーブリーダー西山牧場の意向で横山典騎手に白羽の矢が立ったという。

 ある意味、非情な“乗り替わり”。事実、チェンジする前まで横山典騎手は「徳吉(騎手)には頑張ってほしい。若い騎手は、チャンスを生かせるかどうかで人生が変わるんだから」と発言していた。

 しかし結果として、この“乗り替わり”からチャンスを掴んだ横山典騎手は、レース前には「(スペシャルウィークの)武豊ばかり勝つんじゃ面白くないでしょう」と不敵なコメントを残して皐月賞(G1)を制覇。その後、ダービー(G1)は4着に終わったものの、見事に菊花賞制覇を成し遂げた。

 関東の大ベテランジョッキーでも、現在まで菊花賞を制したのはこの時だけ。今回が菊花賞初騎乗となる横山和騎手に対して、自らの経験を踏まえながら、父親として「この“乗り替わり”のチャンスを掴め」と応援しているかもしれない。

 皐月賞馬もダービー馬も不在となった、今年のクラシック最終関門。「G1初陣」を迎える四位師と、初騎乗となる菊花賞で初G1制覇を狙う横山和騎手はもちろん、2人を見守る父・横山典騎手のそれぞれの心境を想像しながら、菊花賞を楽しみたい。

(文=鈴木TKO)

<著者プロフィール> 野球と競馬を主戦場とする“二刀流”ライター。野球選手は言葉を話すが、馬は話せない点に興味を持ち、競馬界に殴り込み。野球にも競馬にも当てはまる「勝ちに不思議の勝ちあり、負けに不思議の負けなし」を座右の銘に、人間は「競馬」で何をどこまで表現できるか追求する。

JRA「本物のジョッキーがやめるのはつらい」と惜しまれた四位洋文調教師、初G1挑戦を「“感性”が合う」戦友・横山典弘の息子・和生に託した思いのページです。GJは、競馬、, , , の最新ニュースをファンにいち早くお届けします。ギャンブルの本質に切り込むならGJへ!

Ranking

23:30更新
  • 競馬
  • 総合
  1. 横山典弘騎手が若手騎手に「あの乗り方はやめろ」岩田康誠騎手らが実践する「お尻トントン」は、競走馬の負担になるだけ?
  2. 「シャフリヤールの激走はわかっていた」本物だけが知る有馬記念裏事情。そして“金杯”で再現される波乱の結末とは?
  3. 浜中俊「哀愁」の1年。かつての相棒ソウルラッシュ、ナムラクレアが乗り替わりで結果…2025年「希望の光」は世代屈指の快速馬か
  4. JRAにピンポイントで「潰された」殿堂馬……「障害最強馬」オジュウチョウサンが超えるべき「最後の壁」は、強過ぎるが故の”歴史的遺恨”
  5. 皐月賞(G1)クロワデュノール「1強」に待った!? 「強さが証明された」川田将雅も絶賛した3戦3勝馬
  6. ドゥラメンテ「最後の大物」出現なるか。わずか4世代から三冠牝馬リバティアイランドやG1・3勝タイトルホルダー「伝説」の最終世代をピックアップ
  7. 「世代最強候補」クロワデュノールは本物なのか?ホープフルSで下馬評を覆す最強刺客
  8. “第2の金子オーナー”は武豊の元パートナー!? 「エピファネイア×ステイゴールド」の期待馬が今週末デビューへ
  9. 有馬記念に続き東京大賞典も「記憶力」が決め手…最強フォーエバーヤングから絞りに絞った2点で勝負!
  10. C.スミヨン騎手「サンデーが拒否」原因はC.ルメール騎手? ドバイターフ(G1)リアルスティール「鞍上ドタバタ劇」の裏事情