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JRA G1馬2頭を撃破した「千直女王の弟」が遂に千直デビュー! 大本命ライオンボスを逆転できる「買い材料」

 31日の天皇賞・秋(G1)の20分前に発走となるのが、新潟競馬場の直線芝1000mで行われるルミエールオータムダッシュ(L)だ。日本唯一の直線コースで行われる数少ないオープン戦の1つである。

 日本でただ一つの特殊な条件だけあって、リピーターや当該コースが大得意な馬が時折見られる。今年の出走馬で該当するのが、『netkeiba.com』の予想オッズで1番人気のライオンボスだろう。これまで同コースでは「4-3-0-1」と抜群の成績を残している。

 ただ今回はハンデ戦で、ライオンボスにはトップハンデの58キロが課される。同コースで唯一大敗した2走前の韋駄天S(OP)と同じ斤量を背負うことで、再び敗れる波乱も起こり得るだろう。

 ライオンボスが敗れると想定したとき、様々なケースが考えられる。その中の1つが、ライオンボス以上の「千直適性」がある馬がいた場合である。今年は登録20頭のうち4頭が初の千直出走となるが、ライオンボスを脅かす存在が紛れているかもしれない。

 そして特に高い「千直適性」を期待できるのが、『netkeiba.com』の予想オッズで7番人気のダイメイフジ(牡7歳、栗東・森田直行厩舎)だ。

 その根拠として挙げられるのが「血統」だ。アグネスデジタル産駒の同馬には、1歳上にキングヘイロー産駒のダイメイプリンセスがいる。

 ダイメイプリンセスは2018年5月の駿風S(3勝クラス)で初めて千直に臨むと、1頭だけ次元の異なる抜群の手応えを見せて2馬身半差の快勝。続く韋駄天S(OP)・アイビスサマーダッシュ(G3)と千直競馬3連勝を達成した。アイビスSDに至っては、快速馬カルストンライトオがマークした53秒7のレコードにコンマ1秒差に迫る好タイムで勝利しており、弟ダイメイフジにも適性の高さがうかがえる。

「3連勝とも全て鞍上が軽く促した程度で、楽に抜け出て勝っています。千直適性の高い馬は数多くいますが、連勝時の内容が圧巻だったため『千直女王』と呼ぶファンもいます。弟のダイメイフジも姉同様に高い千直適性が備わっているかもしれません」(競馬記者)

 そこで気になるのが斤量だ。ダイメイフジは今回ライオンボスに次いで2番目に重い57キロを背負う。しかし裏を返せば、他より重い斤量を課さないとならないほど、実力があると認められた証拠だ。

「ダイメイフジはOP特別3勝で重賞でも好走歴がある馬です。OPで挙げた勝利のうち2勝は、後にG1馬となるモズスーパーフレアとモズアスコットを下しての勝利です。

過去に重賞1番人気になったほどの器ですから、今回は格上挑戦の相手が多い影響で斤量が重くなったのでしょう」(同)

 加えてダイメイフジはレース間隔が詰まれば詰まるほど成績が良いタイプの馬だ。モズスーパーフレアを倒した18年ラピスラズリS(OP)や、3着だった19年オーシャンS(G3)はいずれも連闘で挑んでの好走だった。

 今回は約半年ぶりの休み明けから中2週の叩き2戦目。大いに上積みが見込めるのではないだろうか。

 今年1月のカーバンクルS(OP)2着以来、馬券から遠ざかっているダイメイフジだが姉が輝いた舞台で自身も再び輝けるか。注目したい。

(文=坂井豊吉)

<著者プロフィール>
全ての公営ギャンブルを嗜むも競馬が1番好きな編集部所属ライター。競馬好きが転じて学生時代は郊外の乗馬クラブでアルバイト経験も。しかし、乗馬技術は一向に上がらず、お客さんの方が乗れてることもしばしば……

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