JRA 武豊、凱旋門賞(G1)パートナーと「3年1ヶ月ぶり」再タッグ! 大復活のきっかけをいち早く見抜いたレジェンドの慧眼
31日に開催される天皇賞・秋(G1)の枠順が確定。皐月賞馬エフフォーリアは3枠5番、三階級制覇を目指すグランアレグリアは5枠9番、そして復権を懸けるコントレイルは1枠1番の絶好枠を引き当てた。
その一方で、同レース6勝を挙げている武豊騎手は、今年の騎乗馬なしが確定。1989年のスーパークリークから続いていた連続騎乗機会も、32年でストップすることとなった。同騎手は自身の公式ホームページに、「ちょっと残念な気もします」と、その心境を綴っている。
“皆勤賞”が途絶えてしまったレジェンドだが、同日の阪神開催では6億円ホースのアドマイヤビルゴや、近親にダービー馬ディープブリランテを持つ良血馬ホープインザダークのデビュー戦など、楽しみなレースが複数スタンバイ。
さらに来月7日のみやこS(G3)では、2018年の凱旋門賞(G1)パートナー、クリンチャー(牡7歳、栗東・宮本博厩舎)と再びタッグを組むことも明らかとなった。
武豊騎手とクリンチャーは、18年の阪神大賞典(G2)で初めてコンビを結成。同レース3着、武騎手が騎乗停止のため三浦皇成騎手が代打騎乗した天皇賞・春(G1)でも3着に入り、同年秋にフランスに遠征。だが、前哨戦のフォワ賞(G2)で最下位の6着に敗れると、本番の凱旋門賞でも17着に沈む大惨敗を喫した。
その凱旋門賞の敗戦を最後に、同コンビは解消。同馬は帰国後、芝のレースで惨敗続きだったが、昨年2月の仁川S(L)で初のダート戦に使われると僅差の2着に入り、同年11月のみやこSでは2年9ヶ月ぶりとなる重賞制覇を達成した。今年に入ってからも交流重賞2勝を挙げるなど、砂の舞台で再ブレイクを果たしている。
「今でこそダートの安定勢力となったクリンチャーですが、どうやら同馬のダート適性をいち早く見抜いていたのが武豊騎手だったようです」(競馬誌ライター)
クリンチャーを管理する宮本調教師の妻、宮本友紀子さんは自身のTwitterに、「ダート適性ありますよって一番最初に言い出したのが武さんだったよね!」と投稿。これに対しては、「そうなんです、武豊TVでいってました」「そうそう!」といった賛同するコメントが多数ついている。
3歳時にはクラシック三冠に皆勤し、翌年は凱旋門賞に挑戦。一見すると同馬は芝馬のようにしか見えないが、いち早く砂適性を見抜いていたという武豊騎手の慧眼はさすがとしか言いようがない。実際にダート転向後は11戦3勝、2着4回3着2回と抜群の安定感を誇っている。
3年1ヶ月ぶりの邂逅となる武豊騎手とクリンチャー。秋の天皇賞33年ぶりの騎乗馬なしとなってしまったレジェンドが、かつて共に世界と戦った相棒と砂の舞台で鬱憤を晴らせるか注目したい。
(文=冨樫某)
<著者プロフィール>
キョウエイマーチが勝った桜花賞から競馬を見始める。まわりが学生生活をエンジョイする中、中央競馬ワイド中継と共に青春を過ごす。尊敬する競馬評論家はもちろん柏木集保氏。以前はネット中毒だったが、一回りして今はガラケーを愛用中。馬券は中穴の単勝がメイン、たまにWIN5にも手を出す。
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