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JRA【福島記念(G3)展望】デビュー15連敗の“劣等生”が重賞連勝へ! 札幌記念「競走中止」2頭の巻き返しにも期待

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 14日、福島競馬場では第57回福島記念(G3)が行われる。ハンデ戦ではあるが、過去10年の1~3番人気馬は「8-6-5-11」と好成績で、比較的荒れにくいレースといえるだろう。

 今年は抜けた存在がおらず、やや混戦模様。しかし、勢いという点ではモズナガレボシ(牡4歳、栗東・荒川義之厩舎)が一歩リードしている。

 デビューは2019年の11月なので、ちょうど2年前。その後はコンスタントにレースに使われ、すでに23戦という豊富なキャリアを誇る。初勝利を挙げたのは、3歳の10月。デビューから数えて16戦目だった。

 つまり、未勝利戦がある期間中には勝ち上がれず、デビューから15連敗を喫していた。引退、もしくは地方で出直すという選択肢もあるなか、中央にとどまり1勝クラスでの格上挑戦で再起を図ったのだ。

 転機となったのは芝への路線変更。デビュー以来、ひたすらダートを使われていたが、芝の中距離で適性を示すと、1勝クラスで待望の初勝利を挙げた。

 一度火がつくと止まらないタイプなのか、怒涛の3連勝で、初勝利から4か月足らずで3勝クラスに昇級。同クラスでも堅実に走っていた。

 そして8月の小倉記念(G3)で重賞初挑戦。53kgの軽ハンデを生かして、4コーナー最後方から直線一気の差し切り勝ちで大金星を挙げた。引退危機ともいえる状態から見事這い上がり、重賞勝ち馬へと飛躍した。

 前走後は一息入れ、3か月ぶりの実戦は再びハンデ戦。今回は斤量もある程度見込まれるが、ローカル重賞2連勝を誓う。

 モズナガレボシが重賞2連勝なら、バイオスパーク(牡6歳、栗東・浜田多実雄厩舎)はこのレース2連覇を見据える。

 2番人気に支持された昨年はヴァンケドミンゴとの競り合いをクビ差制し鞍上・池添謙一騎手にJRA全10場制覇をもたらした。その後は凡走が続いていたが、夏の函館記念(G3)を12番人気で3着に好走。復調の気配を見せたが、前走・札幌記念(G2)でまさかのアクシデントに見舞われてしまう。

 池添騎手を背にゲートを出たバイオスパークは、馬群から大きく離され、外に逸走しながら競走を中止。この時、手綱の一部が口の中に絡まってしまい、鞍上は制御不能の状態に陥っていたという。その後は放牧で立て直しを図り、10月上旬に栗東に帰厩。2週前には坂路で52秒0の好時計をマークするなど、順調に乗り込まれている。

 今回は鞍上にテン乗りの泉谷楓真騎手が騎乗予定。1年ぶりとなる福島の地で12-13年のダイワファルコン以来となる連覇を狙う。

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 バイオスパークと同じく札幌記念で競走中止の憂き目にあったのがステイフーリッシュ(牡6歳、栗東・矢作芳人厩舎)だ。

 同レースでは、好スタートを切り、道中3番手の好位を追走していたが、3コーナー手前で急失速。最後の直線では完全に止まってしまった。

 診断の結果は心房細動だった。その後はすぐに立て直され、すでに2戦を消化。オールカマー(G2)5着、京都大賞典(G2)7着と馬券圏外に敗れているが、タフネスぶりは以前と変わらない。

 2020年1月のAJCC(G2)から前走まで11戦しているが、昨年4月の大阪杯(G1)以外は全てG2レース。勝利こそないが、掲示板8回という安定感を誇る。約2年ぶりとなるG3なら激走の資格は十分あるだろう。

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 3走前のオーシャンS(G3)を11番人気で制したコントラチェック(牝5歳、美浦・藤沢和雄厩舎)にも注目が必要だ。

 夏の函館SS(G3)で8着に敗れた後は、京成杯AH(G3)で久々のマイルに挑戦。12番人気という低評価を跳ね除け、ここでも2着に好走。中山巧者ぶりを見せつけた。

 今回は初の福島、しかも19年秋華賞(G1)以来となる2000mという距離。スピードの違いで、おそらく逃げることが濃厚だが、自慢の粘り腰を発揮できるか。

 この他には、3戦ぶりの芝レースとなったクイーンS(G3)で見せ場十分の4着に入ったフェアリーポルカ(牝5歳、栗東・西村真幸厩舎)、G3では昨年の新潟記念(G3)勝利を含めて3度の連対実績があるブラヴァス(牡5歳、栗東・友道康夫厩舎)、今年の新潟記念覇者マイネルファンロン(牡6歳、美浦・手塚貴久厩舎)などが出走を予定している。

 “荒れないハンデ重賞”は今年も平穏に収まるのか。それとも人気薄の激走はあるのか。福島記念の発走は14日15時20分の予定だ。

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