JRA【デイリー杯2歳S(G2)展望】「無傷連勝」セリフォスVSエアグルーヴ一族「期待の星」ソネットフレーズ!イスラボニータ産駒プルパレイにも勝機あり
13日、阪神競馬場ではデイリー杯2歳S(G2)が行われる。過去10年の平均出走頭数は10.6頭。今年も8頭前後の少頭数に落ち着きそうだ。
中心はやはりデビュー2連勝中のセリフォス(牡2歳、栗東・中内田充正厩舎)だろう。6月中京のデビュー戦を1番人気で完勝すると、続く新潟2歳S(G3)では、アライバル、オタルエバーとの争いを制して2連勝を飾った。
2戦とも川田将雅騎手とのコンビで、初戦は危なげなく先行抜け出し、2戦目は中団を追走し、直線でインを突いて1番人気アライバルをねじ伏せるという強い内容だった。
今回は川田騎手がブリーダーズC(米G1)後の隔離期間中のため、藤岡佑介騎手が代打を務める。3日に栗東CWで行われた1週前追い切りで初コンタクトをとり、抜群の動きを披露した。
併せた相手は僚馬で2勝クラスの4歳馬メイショウハクサン。セリフォスが4馬身ほど後ろから追走し、直線で並びかけると、楽な手応えであっさり交わしてラスト1ハロンは11秒6の切れ味を披露。最後は逆に4馬身ほど突き放した。
実績は頭一つ抜けていて、状態面も不安なしとなれば、課題は気性面だけか。陣営も認めているように、前走はレース前にかなり煩い面を見せていた。徐々に観客も増えており、落ち着いた精神状態でレースに臨めるかどうかがカギとなりそうだ。
そんなセリフォスのデビュー3連勝にストップをかける筆頭候補がソネットフレーズ(牝2歳、美浦・手塚貴久厩舎)だ。
母ボージェスト、祖母アドマイヤグルーヴ、そして3代母がエアグルーヴという超良血馬。もちろんデビュー前から大きな期待を背負っていた。
8月末の新潟マイル戦でデビューし、単勝1.4倍という断然人気に支持された。スタートでやや後手を踏んだものの、すぐに挽回して道中は2番手を追走。直線抜け出してからは、後続との差は広がる一方で、終わってみれば2着馬に3馬身半差の圧勝劇だった。
この時の走破時計1分34秒3は、翌日の新潟2歳Sでセリフォスが出した1分33秒8と0秒5差。ソネットフレーズはこれが初戦だったことを考えれば、将来性はもちろん、現時点の実力も互角かそれ以上の可能性はある。
不安を挙げるとすれば、もちろん初となる関西圏への長距離輸送だろう。繊細な牝馬だけに馬体の維持も課題。また、関東馬はこのレースに勝ったことがなく、1986年以降は「0-4-1-20」という成績。超良血馬はこのジンクスを覆すことができるか。
打倒セリフォスの2番手候補が2連勝中のプルパレイ(牡2歳、栗東・須貝尚介厩舎)だ。
新馬戦こそ2着に敗れたが、その後は未勝利戦とアスター賞(1勝クラス)を勝利。イスラボニータの初年度産駒として初めての重賞挑戦となる。
評価を上げたのは前走の走り。積極的にハナを奪うと、うまくペースを落として、3ハロン37秒6というスローの逃げ。3コーナーで早めにスパートをかけると、上がり最速タイとなる33秒7の末脚でそのまま逃げ切った。ここでも先手を奪ってマイペースに持ち込めれば上位2頭をまとめて負かしても不思議はないだろう。
スタニングローズ(牝2歳、栗東・高野友和厩舎)はすでに4戦というキャリアが強みだ。
前走のサウジアラビアRC(G3)は、コマンドラインとステルナティーアという2強に次ぐ3番手という評価だった。道中は人気2頭を前に見る形で進め、直線でもいい伸び脚を見せたが、勝ったコマンドラインから0秒1差届かず、3着に敗れた。
2戦目の未勝利戦を今回と同じ舞台で勝ち上がっており、これは他の3頭にはない大きな利点となりそうだ。1995年にこのレースを制している3代母ロゼカラーの後押しにも期待したい。
この他にはサウジアラビアRCでスタニングローズから1馬身差の4着に入ったウナギノボリ(牡2歳、栗東・音無秀孝厩舎)、キタサンブラック産駒のドグマ(牡2歳、栗東・武幸四郎厩舎)は武豊騎手とのコンビ。ファンタジーS(G3)ウォーターナビレラに続く兄弟タッグによる2週連続重賞制覇を狙う。
暮れの朝日杯FS(G1)と同じ舞台で勝ち名乗りを上げる若駒は果たしてどの馬になるのか。発走は15時45分を予定している。
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