JRA武豊「赤っ恥」の制御不能でお手上げ!? 東京スポーツ杯2歳S(G2)大器アルナシーム「暴走」のまま惨敗……

「ノーコントロールでした……」
20日、東京競馬場で行われた東京スポーツ杯2歳S(G2)は、イクイノックス(牡2歳、美浦・木村哲也厩舎)が2馬身半差をつけて勝利。1番人気に応え、来年のクラシックへ大きく名乗りを上げた。
その一方で、ファンの期待を大きく裏切ったのが、3番人気に推されながらも6着に沈んだアルナシーム(牡2歳、栗東・橋口慎介厩舎)と武豊騎手だ。
「瞬発力があるので、この舞台は合う」
そんな陣営の思惑はレースがスタートして、すぐに崩れ去った。12頭立て、芝1800mのレース。スタートで出遅れたアルナシームは最後方からの競馬となったが、そんなアクシデント以上に厳しい状況となったのが、本馬の精神状態だったのではないだろうか。
デビュー時戦の「思いの他馬がのんびりしていて、その分道中はリラックスしていた」という武豊騎手の好感触はどこへやら……。この日のアルナシームはスタート直後から頭を高く上げて、明らかに我を失っている様子。武豊騎手が懸命になだめようとするも、まっすぐ走ることさえ困難といった様子だった。
同世代のライバルたちが「競馬」をする中、1頭だけフラフラと追走するアルナシーム。馬群に入れることさえ叶わないまま、直前の馬がいなくなった途端、一気に先頭へ向かって走り出した。必死に抑えようとしていた武豊騎手にとっては、レースを半ば諦めざるを得ない状況だったに違いない。結局、本馬は先頭に並びかけるまで止まらなかった。
それでも最後の直線半ばまで先頭を走っていたのは、アルナシームの素質に他ならない。しかし、ここは毎年のように世代トップクラスが集う東京スポーツ杯2歳Sだ。残り200m手前で、あっさりとイクノックスらに飲み込まれた本馬に抵抗する力は残っていなかった。
「うーん、アルナシーム陣営にとっては残念なレースになりました。普段の調教から気難しい面を見せており、元から気性面に不安のあった馬。むしろデビュー戦で上手に走れたのが意外で、武豊騎手も『良い意味での誤算』と驚いていました。
もしかしたら初の左回りに戸惑ったのかもしれませんが、今日は武豊騎手が『返し馬ぐらいまでは「なんとか我慢してくれているかな」と思ったけど、気性の問題かな……』と話していた通り、まったく競馬にならなかったと言わざるを得ません。
武豊騎手にしてもあえて外を回して集団から離してみるなど、様々な手を打とうとしたようですが、どうにもなりませんでしたね。まるで武豊騎手が今年のクラシックでも苦労したメイケイエールのレースぶりを見ているようでした」(競馬記者)
「いいものを持っているけど、もったいない」
レース後、収穫なしの惨敗にそう悔しがった武豊騎手。今年は世代屈指の暴れ馬メイケイエールとのコンビで試行錯誤しながらも結果を残すことができなかったが、来年もまたアルナシームに手を焼くことになるのだろうか……。叔父に今年のダービー馬シャフリヤール、皐月賞、大阪杯とG1・2勝のアルアインがいる良血馬だけに、その素質は本物のはずだ。
(文=銀シャリ松岡)
<著者プロフィール>
天下一品と唐揚げ好きのこってりアラフォー世代。ジェニュインの皐月賞を見てから競馬にのめり込むという、ごく少数からの共感しか得られない地味な経歴を持つ。福山雅治と誕生日が同じというネタで、合コンで滑ったこと多数。良い物は良い、ダメなものはダメと切り込むGJに共感。好きな騎手は当然、松岡正海。
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