
JRA マイルCS(G1)武豊もかつて能力を絶賛! 母はマイルG1で2着、充実の師弟コンビで挑む「要警戒」の穴馬候補とは
21日、阪神競馬場で開催されるマイルCS(G1)。精鋭たちによる戦いの火蓋が間もなく切られようとしている。
今秋の古馬混合G1で2勝を挙げている好調3歳世代は、大将格のシュネルマイスターを始め同レースに5頭がエントリー。中でも穴候補の1頭として期待されるのが、前哨戦のスワンS(G2)3着から本番へと挑むホウオウアマゾン(牡3歳、栗東・矢作芳人厩舎)だ。
母は2010年の京都牝馬S(G3)を優勝し、同年のヴィクトリアマイル(G1)で2着に入ったヒカルアマランサス。18年のセレクトセールにて1億5120万円(税込)の高値で取引された本馬は、昨年6月に今回と同じ阪神の芝1600mでデビュー。初戦は惜しくも2着に敗れたが、約1ヶ月後に折返しの未勝利戦できっちりと初白星を収めた。
その後、中京の野路菊S(OP)で連勝を飾り、デイリー杯2歳S(G2)では2着。朝日杯FS(G1)に駒を進め3番人気に支持されたが、直線で伸びを欠いて9着に敗退している。年明け初戦のアーリントンC(G3)で重賞初勝利を挙げると、鞍上に武豊騎手を迎えてNHKマイルC(G1)に挑んだが、結果は9着。再度G1の壁に弾き返される格好となった。
ただ、NHKマイルCの敗戦には、ある程度仕方ない部分もあったようだ。
管理する矢作師が『サンスポ』に寄稿しているコラム『矢作芳人調教師 信は力なり』によると、ホウオウアマゾンは朝日杯FS後にひどい跛行を見せ、一時は引退も考えたほどだったという。アーリントンCは勝つには勝ったが、完全に回復するまでには至っていなかったようである。
コラムによれば武豊騎手もホウオウアマゾンの能力を絶賛していたとのこと。しっかりと休養を挟んだ今秋での巻き返しに期待されるところである。
なお今回のマイルCSが行われる阪神芝1600mの舞台は、これまで5戦2勝、2着2回と好相性。枠は1枠1番の絶好枠を引き当てた。鞍上は前走に引き続き坂井瑠星騎手が予定されている。
矢作厩舎と坂井瑠騎手の師弟コンビ、1枠1番と来れば期待されるのが、春のグランプリ・宝塚記念(G1)の再現かもしれない。
鳴尾記念(G3)を勝って同レースに臨んだ矢作厩舎×坂井瑠騎手のユニコーンライオンは、1枠1番から好スタートを切ると果敢にハナへ。直線に入ると人気の一角レイパパレに並ばれたが、強烈な二枚腰を発揮。結果、クロノジェネシスには完敗を喫したもののレイパパレには先着を果たし、見事に7番人気で2着に入る波乱を演出した。
「ホウオウアマゾンは休み明けだった前走のスワンSでハナを切り、僅差の3着と好走しました。今回は他にもロータスランドやサウンドカナロアといった逃げ馬がスタンバイしていますが、枠の並び的にもホウオウアマゾンが主張すれば再度ハナを奪える可能性はあると思われます。
グランアレグリアやシュネルマイスターといった人気馬達が後ろで牽制し合うような展開になれば、まんまの逃げ残りも期待できるかもしれませんね」(競馬誌ライター)
矢作師は今秋、ラヴズオンリーユーとマルシュロレーヌでブリーダーズCを制覇。坂井瑠騎手はその師が管理するキングエルメスで京王杯2歳S(G2)を優勝している。充実著しい師弟コンビの一発に要警戒である。
(文=冨樫某)
<著者プロフィール>
キョウエイマーチが勝った桜花賞から競馬を見始める。まわりが学生生活をエンジョイする中、中央競馬ワイド中継と共に青春を過ごす。尊敬する競馬評論家はもちろん柏木集保氏。以前はネット中毒だったが、一回りして今はガラケーを愛用中。馬券は中穴の単勝がメイン、たまにWIN5にも手を出す。
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