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JRAマイルCS(G1) “持っていた”グランアレグリアと足りなかったシュネルマイスター、横山武史の敗戦はレース前から「確定」していた!?

JRAマイルCS(G1)横山武史の敗戦はレース前から「確定」していた!? 持っていたグランアレグリアと足りなかったシュネルマイスターの画像1
シュネルマイスター

 21日、昨年に続き今年も阪神競馬場で開催されたマイルCS(G1)は、C.ルメール騎手の1番人気グランアレグリアが勝利して連覇を達成。単勝1.7倍の圧倒的支持に恥じないマイル女王の貫録を見せつけた。

 近年、安田記念(G1)との春秋マイル王に輝いた馬はいたものの、マイルCS連覇は2006年、07年のダイワメジャー以来。グランアレグリアによる連覇は、14年ぶりの快挙となった。

 一方で、自身の引退レースで有終の美を飾った女王を前に、2着と惜敗したのが横山武史騎手とシュネルマイスター(牡3、美浦・手塚貴久厩舎)のコンビだ。

 同馬はスプリンターズS(G1)をピクシーナイト、天皇賞・秋(G1)をエフフォーリアが制して3戦2勝と秋の古馬G1で絶好調だった3歳馬の筆頭格。2番人気に推され、グランアレグリア相手に真っ向勝負を挑んだが、あえなく返り討ちに遭ってしまった。

「相手が強かったです」

 レース後、そう振り返った横山武騎手だが悔しさは隠せない。馬場の荒れた内目をロスなく走り、最後の直線で外に進路を取りたかったが、スムーズにはいかなかった。勝負所で前にはサリオス、インディチャンプが横並びの壁となり、外からダーリントンホールに内へと押し込まれたのは痛恨だった。

 残り200m過ぎでようやく進路が開いた頃には、外からグランアレグリアが猛然と追い上げてきたタイミング。終始、馬場のいいグリーンベルトを走っていた女王が、溜めに溜めた末脚を炸裂させたのに対し、荒れたインから何とか抜け出したシュネルマイスターが後れを取ったのは、やむを得なかったのかもしれない。

「内容的に決して力負けではなかったと思います。持ち味である思い切りのある騎乗をしたかとなると、物足りなさも感じますが横山武騎手も上手に乗っていましたね。

痛かったのは枠の内外の差でしょう。グランアレグリアのルメール騎手は、馬の力を信じて乗ることに集中できた外枠でしたが、内枠のシュネルマイスターは、前が詰まらないように気にしながらの騎乗を強いられました。

パトロール映像では芝の傷んだ茶色い部分を通るシュネルマイスターと、綺麗な緑の部分を走るグランアレグリアとの違いがハッキリと分かります」(競馬記者)

 これにはシュネルマイスター陣営も悔いが残る結果となった。

 横山武騎手は「外差しの馬場だったので、できれば外枠が欲しかった」、手塚師も「とにかく枠が厳しかったことに尽きます」と両者とも敗因の見解が一致。結果的に陣営の理想としたレース運びをグランアレグリアとルメール騎手のコンビにされたということか。

 運も実力の内と言ってしまえばそれまでだが、前半600mが35秒6という超スローで馬群が密集したことも、外に出したかったシュネルマイスターにとっては痛恨だった。2頭の明暗は枠順が決まった段階ですでに分かれていたともいえよう。

 残念ながらこれがラストランの女王に勝ち逃げを許す格好とはなったが、実質勝ちに等しい内容だったことは間違いない。惜しくも敗れたとはいえ、シュネルマイスターもまた現役最強クラスのマイラーであることを証明してみせた。

 この敗戦は決して悲観するものではない。来年のシュネルマイスター一強時代の到来を予感させるのに十分なパフォーマンスだったはずだ。

(文=黒井零)

<著者プロフィール>
 1993年有馬記念トウカイテイオー奇跡の復活に感動し、競馬にハマってはや30年近く。主な活動はSNSでのデータ分析と競馬に関する情報の発信。専門はWIN5で2011年の初回から皆勤で攻略に挑んでいる。得意としているのは独自の予想理論で穴馬を狙い撃つスタイル。危険な人気馬探しに余念がない著者が目指すのはWIN5長者。

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