
JRA 「騎乗停止」の新人が制裁王まっしぐら!?危険騎乗だけじゃない? “油断騎乗”疑惑で結ばれた馬との「浅からぬ縁」
これが、いわゆる切っても切れない縁というものだろうか……。
21日、福島競馬場の7R(3歳上1勝クラス)で、出走馬の1頭が競走中に転倒するアクシデントが発生した。
16頭立て、芝2000mで争われる若手騎手限定競走。3番人気のゾンニッヒ(牡3歳、栗東・池江泰寿厩舎)に騎乗していたルーキーの松本大輝騎手は、まずまずのスタートを決めると、二の脚の速さで3番手へ。
大逃げをうったホウオウビクトリーが4コーナーで一杯になったところで、ゾンニッヒは持ったまま2番手へ進出。最後の直線を迎えたが、ここでアクシデントが起こった。
若干外へ寄れていたゾンニッヒを見て、後ろにいたテーオーソロス(牡3歳、栗東・宮徹厩舎)の泉谷楓真騎手はゾンニッヒの内に進路をとった。しかし、ここで松本騎手が左ムチを連打したことにより、一度は外に向かったはずのゾンニッヒが内へよれてしまった。
その結果、テーオーソロスは内の馬とゾンニッヒに挟まれる格好で転倒。泉谷騎手も馬上からターフへ叩きつけられた。
当の松本騎手は転倒の瞬間を振り返って確認するも、レースを続行。懸命にゴール前まで追ったが、後方から強襲してきた馬たちに飲み込まれて、5着に敗れた。
「この件で松本騎手は、来月4日から来月12日まで開催4日間の騎乗停止処分が科されましたが、左ムチを入れる前に後方確認を怠った松本騎手の判断ミスが濃厚でしょう。後ろをしっかり確認してから追っていれば、防げたかもしれません。」(競馬誌ライター)
併せて、松本騎手には18点の制裁点が加算され合計66点に。2位に20点も差をつける「制裁点リーディング」を独走中だ。今年3月デビューの新人騎手が、これほど制裁点を加算してきたのには訳がある。
「松本騎手は5月29日の中京5Rで『決勝線手前での御法(騎乗ぶり)』で2日間の騎乗停止の処分を受けています。分かりやすく言うと『油断騎乗』疑惑で騎乗停止になりました。
『油断騎乗』は公正競馬を掲げているJRAが、特に厳しく制限しているルールの1つです。騎手の緩慢な所作が原因で着順が替わったと認められた場合は、その騎手へ厳しい制裁が下されます。
さらに、松本騎手は8月22日の小倉7Rでも同様の理由で、過怠金10万円の厳しい制裁を受けています。2つの油断騎乗疑惑が無ければ、少なくとも制裁点リーディング1位になることはなかったでしょう」(同)
そして、偶然なことに松本騎手の油断騎乗に関わった馬が、今回の福島7Rの落馬事故にも関与していた。
「競走中止したテーオーソロスですが、先述の1回目の油断騎乗疑惑の際、松本騎手が乗っていた馬なんです。形は違えど、2度も同じ馬へ迷惑をかけてしまうことになりました」(同)
松本騎手のデビュー前の抱負は「一鞍一鞍大切に騎乗して良いパフォーマンスができる騎手になりたい」である。今週末から気持ちを切り替えて、デビュー前の抱負を心がけるフェアプレー騎乗に期待したい。
(文=坂井豊吉)
<著者プロフィール>
全ての公営ギャンブルを嗜むも競馬が1番好きな編集部所属ライター。競馬好きが転じて学生時代は郊外の乗馬クラブでアルバイト経験も。しかし、乗馬技術は一向に上がらず、お客さんの方が乗れてることもしばしば……
PICK UP
Ranking
11:30更新武豊「異常」な最大弱点とは……パスポート、スーツケース、さらには「車」!?
大井の帝王・的場文男「騎手間のトラブル」で騎乗変更命令…「見習いたくないところ」過去には後輩ジョッキーからもクレーム?
JRAジャパンC(G1)「第12レース開催」で想起される“オートゼウス事件”!? ディープインパクト無敗2冠達成の裏で発生した “大量誤購入”の結末は……
- 「3大始祖」消滅の危機……日本で「2頭」世界で「0.4%」の血を残すべく立ち上がったカタール王族の「行動」に称賛
- 元JRA藤田伸二氏「置いてきぼり」大塚騎手に同情……木村哲也調教師のパワハラ問題に「本人はあまりピンと来てない」
- ドゥラメンテ「最後の大物」出現なるか。わずか4世代から三冠牝馬リバティアイランドやG1・3勝タイトルホルダー「伝説」の最終世代をピックアップ
- 浜中俊「哀愁」の1年。かつての相棒ソウルラッシュ、ナムラクレアが乗り替わりで結果…2025年「希望の光」は世代屈指の快速馬か
- 皐月賞(G1)クロワデュノール「1強」に待った!? 「強さが証明された」川田将雅も絶賛した3戦3勝馬
- 「シャフリヤールの激走はわかっていた」本物だけが知る有馬記念裏事情。そして“金杯”で再現される波乱の結末とは?
- アドマイヤ軍団が「G1・45連敗」武豊と絶縁し「40億円」と引換えに日本競馬界フィクサーの”逆鱗”に触れた凋落の真相?
関連記事
JRAマイルCS(G1) “持っていた”グランアレグリアと足りなかったシュネルマイスター、横山武史の敗戦はレース前から「確定」していた!?
JRAマイルCS(G1)「疑惑」の高速馬場にファン大混乱!? 安藤勝己氏「持ってる馬」だけでは済まされないグランアレグリアの勝因?とは
JRAマイルCS(G1)池添謙一「すいません」代打失敗グレナディアガーズはなぜ惨敗したのか。マイル界の次代を担う「3歳勢」の明暗を分けたものとは
JRA遅れて来た超大物を川田将雅が大絶賛! グランアレグリア級32秒8に「もっと高いステージで活躍できる」
競馬界の「ビッグボス」武豊がNHKドラマ出演! 「このドラマを見て競馬界に興味を持ってくれたら」競馬で活躍する「女性」に注目