JRA秋G1予想「やってはいけない」愚行3選! 「ルメール切り」に続く、ジャパンC(G1)でも逆らってはいけないジョッキーたち

先週行われた秋のマイル王決定戦・マイルCS(G1)は、C.ルメール騎手のグランアレグリアが有終の美を飾った。2着には若き関東のエース・横山武史騎手のシュネルマイスター。マイル界の絶対女王に3/4馬身差に迫る惜しい内容だった。
「ルメ・タケ」といえば、一昔前なら間違いなくルメール騎手と武豊騎手のことを表していただろう。しかし、今「ルメ・タケ」は、紛れもなくルメール騎手と横山武騎手のことだ。JRAでは10月の菊花賞(G1)からすでに4つのG1レースが行われたが、2人が馬券に絡んだのはこれが3度目。ワンツー・ゴールも2度目である。
特に、ルメール騎手の今年のG1成績は脅威の一言に尽きる。
勝ち星こそ、先週のマイルCSがこの秋のG1初勝利となる5勝目。昨年、自身2度目となるJRAタイ記録の8勝を挙げたルメール騎手からすれば地味な成績かもしれないが、春の安田記念(G1)以降、G1で馬券圏外に敗れたのはエリザベス女王杯(G1)だけという安定感は、現役騎手の中では群を抜いている。
ちなみに2021年のG1における3着以内率は、驚異の70.6%。これは4連勝を含む8勝を挙げた昨年の63.6%を上回っており、今年のG1で掲示板(5着以内)を外したのはエリザベス女王杯のレイパパレ(6着)だけである。もはやG1でルメール騎手を切ることは、絶対にやってはいけないことの1つと言えるだろう。

また、今年大ブレイクしている横山武騎手もG1の3着以内率は50%。買い目に入れておけば2回に1回は貢献してくれる好調ぶりだ。
特にエフフォーリアで2着に敗れた日本ダービー(G1)以降、G1に騎乗して馬券に絡めなかったのはエリザベス女王杯のウインマリリン(16着)だけ。レース前から体調不良の不安が囁かれていた敗戦だけに、まともに戦えるなら“鉄板級”の存在になりつつある。こちらも今、逆らってはいけないジョッキーの1人だ。
この2人に割って入るのが、福永祐一騎手だ。
今年のG1における3着以内率は、横山武騎手を上回る52.9%。これはコントレイルで無敗の三冠を達成した昨年を上回る成績だ。特に秋G1で馬券圏内を外したのは、先週のマイルCSだけ。それも3着とはハナ差の4着と、ほぼ完璧な結果を残している。福永騎手に逆らうなんてとんでもない!?
一方、この3人に押される形で、秋G1で苦戦を強いられているのが川田将雅騎手だ。
3着以内率35.3%は十分に優秀な成績であり、春には高松宮記念(G1)、大阪杯(G1)、安田記念(G1)勝利と存在感も十分だった。
しかし、この秋にはスプリンターズS(G1)のダノンスマッシュに加え、菊花賞(G1)のレッドジェネシスと2度の1番人気で共に馬券圏外など大苦戦……。この秋は米ブリーダーズCを勝利し、世界のKAWADAとなったが、日本のG1では思うような結果を出せずにいる。
先週のマイルCSで福永騎手との3着争いをハナ差で制したのは復調の兆しか。ここからの巻き返しに注目したい騎手の1人だ。

また、今年大ブレイクした騎手と言えば、吉田隼人騎手もその1人だろう。
白毛のアイドル・ソダシの活躍などもあり、G1における3着以内率45.4%はトップジョッキーの証。それ以上に着目すべきは、G1の騎乗数で2019年1回、2020年でも2回だった騎手が、今年はすでに11回も騎乗しているのだから立派だ。
しかし、そんな吉田隼騎手も秋華賞(G1)のソダシと、菊花賞のステラヴェローチェで馬券圏外に敗れたことで大ブレーキ……。大活躍だった春の勢いを取り戻したいところだ。
以上、今回は今年のG1で好結果を残す5人のジョッキーをピックアップしたが、逆に言えば今年のG1はほぼこの5人の中で争われている印象だ。
特にこの秋はルメール騎手、横山武騎手、福永騎手が大活躍。この3人を買っておけば「だいたい当たる」と言っても過言ではない。今週のジャパンCもルメール騎手のオーソリティ、横山武騎手のアリストテレス、福永騎手のコントレイルであっさり決まるのではないだろうか。
今や競馬は馬ではなく「騎手」で買う時代。その状態や前走の成績など、物言わぬ競走馬についてアレコレ思いを馳せるよりも、単純に好調なジョッキーから馬券を買った方が回収率も上がるファンも多いはずだ。
(文=大村克之)
<著者プロフィール>
稀代の逃亡者サイレンススズカに感銘を受け、競馬の世界にのめり込む。武豊騎手の逃げ馬がいれば、人気度外視で馬券購入。好きな馬は当然キタサンブラック、エイシンヒカリ、渋いところでトウケイヘイロー。週末36レース参加の皆勤賞を続けてきたが、最近は「ウマ娘」に入れ込んで失速気味の編集部所属ライター。
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