
JRA武豊もベタ惚れ「世界のダート王」の忘れ形見に超プレミアの予感!? コントレイルの近親は一瞬で満口……絶好調「DMM×矢作芳人厩舎」が示した先見の明
27日、阪神競馬場で行われた6R・2歳新馬戦は、2番人気の米国産馬フーリッシュホビー(牝2歳、栗東・杉山佳明厩舎)が勝利。スタートでやや出遅れたものの、しっかりとデビュー戦を白星で飾った。
「アロゲート産駒対決に勝ちましたね」
レース後、杉山佳調教師がそう話した通り、フーリッシュホビーに加え、シェイリーンという2頭のアロゲート産駒が人気を分け合ったレース。鞍上の幸英明騎手も「相手はユーイチ(福永祐一騎手)だけと思っていた」と1番人気馬を意識。人気こそライバルに譲ったが、最後の一騎打ちではクビ差前に出る会心の勝利だった。
今年はドレフォン、シルバーステート、キタサンブラックといった新種牡馬が旋風を巻き起こしているが、かつて「世界のダート王」として名を馳せた米国の新種牡馬アロゲートもまた、日本で大きな存在感を示している1頭だ。
海外種牡馬ということもあり、現在JRAの厩舎に所属しているのは8頭に過ぎないが、今回のフーリッシュホビーを含め、3頭がデビュー戦を勝利。クビ差の接戦を演じたシェイリーンも勝ち上がりは時間の問題だろう。
また、勝ちっぷりのインパクトも絶大だ。
まずは産駒の日本初勝利となったジャスパーグレイトのデビュー戦は、10馬身差の圧勝というド派手なものだった。
その後、本馬はいきなり世界の頂点に位置する米ブリーダーズCジュベナイル(G1)に挑戦。いかにも管理する森秀行調教師らしい積極果敢な海外遠征だったが、結果は10着。世界の壁には跳ね返されたものの、この経験は後に大きな糧になるはずだ。来年には米国の三冠レースに挑んでいるかもしれない。

一方で、騎乗した武豊騎手が「本気でケンタッキーダービー(G1)へ行きたい」と惚れ込んでいるのが、アロゲート産駒2勝目を挙げたジュタロウだ。
ジャスパーグレイトが2着に1.6秒差なら、こちらは2.4秒差をつける大差勝ち。それも出走5着馬さえタイムオーバーを食らったのだから、日本が誇るレジェンドジョッキーがベタ惚れするのも無理はないだろう。
武豊騎手の願いが叶えば、米国三冠レースでジャスパーグレイトとの「アロゲート産駒対決」が実現するかもしれない。
「ここまでのパフォーマンスから、アロゲート産駒の日本のダート適性はかなり高そうです。海外の種牡馬のため、日本で走る産駒の数は限られるでしょうが、来年以降、日本のバイヤーの人気が高騰することはほぼ間違いないでしょうね。
ただ、惜しむらくはアロゲートが昨年すでに他界しているという点。産駒はわずか3世代しか残されておらず、そういった点でも、アロゲート人気は今後日本だけでなく世界的に高まっていく可能性があります」(競馬記者)
記者の話からも、今後アロゲート産駒には“プレミア”がつく可能性が高く、日本のバイヤーも容易に手に入れるのが難しくなることが想定される。
そんな中、早くも先見の明を発揮しているのが、DMMドリームクラブと矢作芳人厩舎だ。
DMMと矢作厩舎といえば、今月ラヴズオンリーユーが日本競馬史上初となる米ブリーダーズCフィリー&メアターフ(G1)を制すなど、今ノリに乗っている組み合わせ。そんな世界の名コンビが、9月に行われた米キーンランド・セプテンバーセールで、すでにアロゲート産駒を購入しているというから驚きだ。
「DMMが落札したのは、フォークロア2020。父アロゲートも然ることながら、母フォークロアはブリーダーズCジュヴェナイルフィリーズ(G1)を制した米2歳牝馬チャンピオンという超良血です。
また、フォークロアの産駒であるロードクロサイトは日本に輸入され、三冠馬のコントレイルを輩出しました。つまり、フォークロア2020はコントレイルの叔父にあたります。
すでにDMMドリームクラブで一口馬主の募集を行ったそうですが、あっという間に満口になったとか……。管理するのが矢作厩舎ということもあって、非常に人気が高かったそうです」(別の記者)
「能力が高いですし、これからが楽しみです」
レース後、そうフーリッシュホビーに期待を寄せた幸騎手。ジャスパーグレイトやジュタロウほど派手な勝ち方ではなかったが、こちらのアロゲート産駒も将来が楽しみな馬のようだ。
(文=大村克之)
<著者プロフィール>
稀代の逃亡者サイレンススズカに感銘を受け、競馬の世界にのめり込む。武豊騎手の逃げ馬がいれば、人気度外視で馬券購入。好きな馬は当然キタサンブラック、エイシンヒカリ、渋いところでトウケイヘイロー。週末36レース参加の皆勤賞を続けてきたが、最近は「ウマ娘」に入れ込んで失速気味の編集部所属ライター。
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