JRA【チャレンジC(G3)展望】未完の大器ソーヴァリアントVS 13冠ベビー・ジェラルディーナ! ハイレベル3歳世代の「最終兵器」が激突!
12月4日、阪神競馬場では第72回チャレンジC(G3)が行われる。昨年はレイパパレが5連勝で重賞初Vを飾り、その後の大阪杯(G1)制覇につなげた。今年もここをステップに飛躍する馬は現れるか。
近年目立つのは3歳馬の強さ。過去7年で実に5勝しており、今年もその3歳馬が中心となりそうだ。
有力視される3歳馬の1頭が未完の大器ソーヴァリアント(牡3歳、美浦・大竹正博厩舎)だ。
昨年11月にはデビュー2戦目で勝ち名乗りを受けたが、後日ソーヴァリアントの検体から禁止薬物のカフェインが検出され、「失格」処分を受けた。仕切り直してようやく勝ち上がったのは年が明けたデビュー4戦目だった。
その直後には弥生賞(G2)に挑戦したが、のちの菊花賞馬タイトルホルダーの4着に敗れ、皐月賞(G1)の権利獲りに失敗した。その後は一息入れ、夏の札幌で始動。自己条件を2連勝して、セントライト記念(G2)に臨むと、アサマノイタズラの2着に入って菊花賞(G1)の権利を手に入れた。
菊花賞でも有力馬の1頭に挙げられていたが、脚の筋肉疲労が抜けきれず本番を見送り。結局クラシックには出走することはできなかった。
満を持しての復帰戦はC.ルメール騎手を配して万全を期す。初となる関西圏への輸送競馬に一抹の不安は残るが、これさえクリアすれば圧勝するシーンがあってもおかしくないだろう。“ハイレベル”3歳世代の最終兵器は古馬相手に重賞初制覇を視界に入れている。
ソーヴァリアントが3歳牡馬の最終兵器なら、3歳牝馬のそれはジェラルディーナ(牝3歳、栗東・斉藤崇史厩舎)だろう。
こちらもクラシックとは無縁だったが、その血統背景もあって誕生直後から注目を浴びてきた。父はG1・6勝のモーリス、母は同7勝のジェンティルドンナ。「13冠ベビー」は久々の重賞で素質を開花できるか。
初勝利はデビュー3戦目の昨年11月だった。その後は阪神JF(G1)にも出走したが7着、続くエルフィンS(L)でも2番人気を大きく裏切る10着に敗れた。
4か月半の休養を経て夏の阪神で復帰すると、初戦こそ敗れたが、7月から10月にかけて3連勝を飾った。圧巻だったのは前走の西宮S(3勝クラス)で、スタートでやや立ち遅れたが、中団後方から直線外に持ち出し、1頭だけ違う脚色で差し切った。
騎乗した福永祐一騎手は「ワンターンの1800mは忙しいと思っていました。もっと距離を延ばしても良いと思います。強い競馬でした」と答えていたが、今回は1ハロンの距離延長、かつ外回りから内回りコースでさらにパフォーマンスを上げる可能性は高い。
三冠牝馬の母からついに大物誕生はなるか。ジェラルディーナにとっては試金石の一戦となる。
桜花賞馬のマルセリーナを母に持つ良血ヒートオンビート(牡4歳、栗東・友道康夫厩舎)も注目の存在だ。
今年1月に待望のオープン入りを果たすと、OP2着に続き重賞初挑戦の目黒記念(G2)でも2着に好走した。休み明けの前走・京都大賞典は2番人気に推されたが、大外枠が響き直線大外を回しての8着に敗れた。
今回はコンビ通算「2-2-1-0」の川田将雅騎手に乗り替わって、古馬の意地を見せたい。
この他には、前走・天皇賞・秋(G1)でコントレイルに次ぐメンバー2位の上がり時計をマークしたペルシアンナイト(牡7歳、栗東・池江泰寿厩舎)、アルゼンチン共和国杯(G2)2着のマイネルウィルトス(牡5歳、栗東・宮徹厩舎)、さらに今夏の小倉記念(G3)を格上挑戦で制したモズナガレボシ(牡4歳、栗東・荒川義之厩舎)なども軽視できない存在だ。
来年の芝中距離路線を占う重要な一戦、チャレンジCは12月4日15時45分に発走を予定している。
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