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JRAコントレイル「言いがかり」ついた大団円!? 福永祐一も涙したラストランに“アンチ”が生まれた違和感の正体

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コントレイル

 先週末、東京競馬場で開催されたジャパンC(G1)は、福永祐一騎手の1番人気コントレイル(牡4、栗東・矢作芳人厩舎)が優勝。昨年、父ディープインパクト以来となる無敗の三冠を達成した名馬が、現役最後のレースで有終の美を飾った。

 21日のマイルCS(G1)では、同じくラストランだったグランアレグリアが勝利。2週連続で歴史的名馬が、勝利という最高の結果を残したことは競馬ファンの大きな感動を呼んだことだろう。

「今までの2年2カ月は夢のような時間でした。今までのジョッキー人生のすべてをあの馬に注ぎ込みました」

 レース後、そう振り返った福永騎手のコメントからも、最愛のパートナーとの出会いに感謝する気持ちが伝わる。大多数のファンは感極まって号泣した福永騎手の姿に共感し、ネットの掲示板やSNSではもらい泣きしたという声も出ていた。

 そして、単勝オッズ1.6倍という断然人気に応えたコントレイルの走りもまた、三冠馬として恥じることのない見事なものだった。少なくとも今年のジャパンCは、いくらかの語弊はあれども「コントレイルの、コントレイルによる、コントレイルのため」のレースだったともいえるかもしれない。

 しかし、そんな感動のラストランでも一部のファンは快く思わなかったようだ。

 受け取り方は人それぞれということは否定できないが、どんなに素晴らしい結果を残した人や馬でもファンのすべてが味方という訳でもないのは、特別今になってのことでもない。こちらについては与党がいれば野党がいるのと似たような構造といえるだろう。

 ちなみに“言いがかり”をつけられた矛先は、ジャパンCにおけるコントレイルにとっての追い風となった幾つかの結果論が対象だったらしい。

 まずは1枠1番に入った天皇賞・秋(G1)に続いてジャパンCでも1枠2番だったことだ。前走はゲートでもたついたことで、スタート直後のポジション争いで後手を踏んでしまい、陣営も敗因の一つとして分析していた。

 再び絶好枠を引き当てた上に、今回は後入れの偶数番ということなし。矢作師は「神様に気に入られた馬なんだな」とコントレイルが持って生まれた運に感心し、「1と2とでは違う。やっぱり偶数というのがね」と喜んだ。

 レースでは、積極的に行く馬がいないメンバー構成を逆手に取った横山武史騎手がアリストテレスで逃げの手に出る奇策を敢行。前半3ハロンは37秒0、1000m通過も62秒2のスローペースにまんまと落とし、マイペースに持ち込んだと思った矢先、後方から一気にマクったキセキがペースを上げた。ここでペースが上がったことは、中団に待機していたコントレイルにとっても助かった。

 また、文句なしの勝利とはいえ勝ちタイムは2分24秒7と平凡。同日に行われた芝2000m戦でレコードが出ていた高速馬場としては物足りなさもあったということだろう。

「ハッキリ言ってこういうのはもう、言い出したらキリがないですよ。与えられた条件の中で完勝したコントレイルの勝利は立派という以外にないです。このほかにも怖い3歳馬のシャフリヤールが不利を受けたからや、完勝といっても2着馬はG2のアルゼンチン共和国杯を勝った馬に過ぎないなど言いたい放題でしたね。

昔と違って今はSNSで誰でも思ったままの言葉を言える時代ですから、尚更そういった雑音も目に入る機会が増えました。かといってこういった“難癖”をつけているのはごく一部のファンに過ぎません。少なくとも私が見た限りでは、感動的なラストランを見守った好意的なファンが殆どだったように思いますよ」(競馬記者)

 三冠馬というだけではなく、「無敗」という看板を背負ったことで、どうしても過去の三冠馬や父であるディープインパクトと比較される立場だったコントレイル。天皇賞・秋で完敗した相手のエフフォーリアの出走がなかったり、年間を通して競馬が最も大きな盛り上がりを見せる暮れのグランプリ・有馬記念(G1)を避けたことも“見えない敵”が生まれた一因となったかもしれないが、絶望的な三連敗から不死鳥のように復活勝利を飾ったラストランが評価されない理由にはならない。

 せめて最後くらいはターフを去る姿を、気持ちよく笑顔と拍手で見送ってもいいのではないかと感じた、そんな今年のジャパンCだった。

(文=黒井零)

<著者プロフィール>
 1993年有馬記念トウカイテイオー奇跡の復活に感動し、競馬にハマってはや30年近く。主な活動はSNSでのデータ分析と競馬に関する情報の発信。専門はWIN5で2011年の初回から皆勤で攻略に挑んでいる。得意としているのは独自の予想理論で穴馬を狙い撃つスタイル。危険な人気馬探しに余念がない著者が目指すのはWIN5長者。

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