武幸四郎、騎手人生21年の記憶。騎手人生を締めくくる最後の13頭、そして前途多難な調教師人生がスタート

最後は重賞を含む13頭に騎乗
2月26日の騎乗で引退となる武幸四郎騎手。本人も21年の騎手人生が終わるとあって感慨深い部分もあるだろう。
かつて誰もなし得なかったデビュー週の重賞勝利、元フジテレビアナウンサー高島彩との熱愛報道、騎乗取りやめ休養中に起きた東京デート事件、2011年の暴行事件による謹慎と騎乗の激減、そして2013年メイショウマンボとの奇跡の復活などジェットコースターのような騎手人生を送ってきた幸四郎。2013年の復活で2014年は2008年以来最高の414レースに騎乗、28勝という記録を打ち立てたが、その後は騎乗が減り2015年はわずか13勝にまで減少。2016年の調教師試験合格をもって引退を決意したのである。
1997年3月1日にデビュー、翌2日に重賞のマイラーズカップ(G2)を11番人気オースミタイクーンで勝利。そして2000年第5回秋華賞をティコティコタックに騎乗してG1レース初勝利を達成。地方交流重賞を含め通算重賞33勝(G1は6勝)。JRA、地方競馬、海外で9285鞍に騎乗し合計715勝。重賞33勝のうち1番人気で勝利したのはわずか7勝と穴騎手の印象が強い騎手だった。
最後の2日間は土日で合計13頭の騎乗となっているが、その内訳はどん底時代も幸四郎を支えたメイショウの松本オーナーがもっとも多く3頭、さらに父の武邦彦時代から付き合いのある個人馬主が見られるが、新馬戦を除く12頭のうち乗り替わりが5頭いるのが感慨深い。そして注目は土日の重賞にそれぞれ騎乗すること。土曜の3歳重賞アーリントンカップ(G3)には、ここまで3戦2勝のコンビを組むミラアイトーンに騎乗。そして日曜の阪急杯(G3)には近走不振もかつて重賞2着の実績があるカオスモスに騎乗して最後の重賞勝利を目指す。残念ながらどの馬も「確勝級」というような実力馬ではないが、幸四郎がデビュー週に11番人気の馬で重賞を勝ったようにまさかのドラマが起きてもおかしくはない。
社台グループのバックアップは厳しい状況
ただ残念なのはやはりというか社台グループの強いバックアップがなかったこと。騎乗する馬はすべて個人馬主であり、サンデーレーシングや社台レースホース、そしてキャロットファームなど大手クラブの騎乗はなかった。さらにサトノダイヤモンドの里見治氏やマカヒキの金子真人氏、そして関西の大物であるアドマイヤの近藤利一氏やノースヒルズグループなどリーディング上位馬主の騎乗もなかったことは残酷な現実だ。
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