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JRA 「何も手が打てませんでした」福永祐一“無策”騎乗で「幻の秋華賞馬」がまさかの惨敗!? まだまだ遠い偉大なる母への道のり

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「何も手が打てませんでした」

 4日、阪神競馬場で行われたチャレンジC(G3)は、1番人気のソーヴァリアント(牡3歳、美浦・大竹正博厩舎)が3馬身半差をつけて勝利。単勝オッズ1.7倍の圧倒的な支持に応えて、来年のG1戦線へ大きく名乗りを上げた。

 その一方で、ファンの期待を大きく裏切ったのが、2番人気に推されながら4着に終わった福永祐一騎手のジェラルディーナ(牝3歳、栗東・斉藤崇史厩舎)だ。

「幻の秋華賞馬」

 秋華賞(G1)を除外されて臨んだ前走の西宮S(3勝クラス)では、上がり最速の末脚を繰り出して1分46秒1の好タイムで快勝。対する秋華賞の1800m通過タイムは、1分48秒3と西宮Sより2秒以上遅い。距離が異なるため単純比較はできないが、今年の大阪杯(G1)優勝馬で昨年「幻の秋華賞馬」と呼ばれたレイパパレも同様に、秋華賞直前に行われたレースを秋華賞通過タイムより2秒2速いタイムで勝利。そのことから、ジェラルディーナも一部ファンの間でそう囁かれていた。

 奇しくも「幻の秋華賞馬」の先輩であるレイパパレと同じチャレンジCへ挑んだジェラルディーナは、「スタートは練習の成果で上手に出てくれました」と、福永騎手が振り返るように、まずまずのスタートを切る。しかし二の脚が遅く、外の馬に寄られて、道中はインの中団でのレースを強いられた。

 1000m通過1分2秒9のスローペースを見かねて、後方から進出する馬もいるなか、福永騎手は動かず。いや、動けなかったが正しいかもしれない。2・3着に入る6枠のヒートオンビート、ペルシアンナイトらに外を被せられ、インコースを選択する他なかったからだ。

 直線では馬と馬の間を縫って、懸命に脚を伸ばすも4着へ食い込むのが精一杯だった。

「もっと前へ行っていたら……」

 ジェラルディーナを応援していたファンから福永騎手へ、位置を取りにいかない消極的な騎乗ぶりについて厳しい批判が上がっている。そして当の本人も「想定していたより厳しい位置になってしまいました。このメンバーでもいい勝負ができると思いますが、力を出し切れませんでした」と、想定外の位置からの追走を後悔している。

 そんな中、ジェラルディーナの敗因については別の声も上がっている。元JRA騎手で競馬評論家の安藤勝己氏は自身のTwitterアカウントにて「ジェラルディーナは前走ピークで、あのテンションやと距離も堪える」と、独自の見解をツイートしている。

 ジェラルディーナにとって今回が初の2000m。同馬には以前から口向きの悪さを見せるなどの幼さがあって、デビューから一貫して1800m以下を使われていた。また、母のジェンティルドンナは2400m以上のG1を5勝しているように、長距離で活躍していた馬だが、初の2400m戦となったオークス(G1)では距離不安が囁かれて、桜花賞馬ながら人気を落としていたことがある。様々な要因が合わさった結果、4着と歯がゆい結果に終わったのだろう。

 G1・7勝で三冠牝馬の娘として大きな期待がかけられているジェラルディーナだが、偉大な母への道のりはまだ遠いかもしれない。まずは次走以降しっかりと立て直して、ファンに「幻の秋華賞馬」と思わせるようなパフォーマンスを見せてくれることに期待したい。

(文=坂井豊吉)

<著者プロフィール>
全ての公営ギャンブルを嗜むも競馬が1番好きな編集部所属ライター。競馬好きが転じて学生時代は郊外の乗馬クラブでアルバイト経験も。しかし、乗馬技術は一向に上がらず、お客さんの方が乗れてることもしばしば……

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