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JRAホープフルS(G1)コマンドライン一強に待った!? オーナー︎悲願のダービー制覇を狙うサトノヘリオスを侮ってはいけない訳とは

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コマンドライン 競馬つらつらより

 今月28日、今年の中央競馬における最後のG1、ホープフルS(芝2000m)が中山競馬場で行われる。

 同レースは芝1600mで行われる朝日杯FS(G1)と比べて、翌年のクラシックに結びつきやすい傾向にあり、最近ではコントレイル、サートゥルナーリア、レイデオロなどクラシックホースを数多く輩出している。

 また、ホープフルSは1番人気に支持された馬が昨年まで5連勝中と無類の強さを発揮しているレースとしても有名だ。23日現在の『netkeiba.com』の単勝予想オッズでは、C.ルメール騎手のコマンドラインが1.7倍で断トツの1番人気となっており、本番でも1番人気に支持される事が濃厚だ。

 しかし、今回人気になりそうなコマンドラインは、これまでの1番人気の馬と比べて少し雲行きが怪しく、終わってみれば過剰人気だったという可能性もありそう。何故なら、ここまで2戦2勝と無敗で来ているものの、2戦とも勝ちタイムが平凡で時計的な裏付けが乏しく、やや相手関係にも恵まれた感が否めないからだ。

 重賞初勝利となった前走のサウジアラビアRC(G3)の勝ちタイム1分36秒4(良)は、同日に同じ芝1600mで行われた2歳未勝利戦より3秒近く遅いタイムだった。それにも関わらず、同馬の上がり3ハロン33.5秒は出走馬7頭中4番目。スローペースを前目で運んだ同馬に展開が向いた感は否めない。

「同馬は520kgを超える雄大な馬体で、ここまでキャリア2戦ともに1600mを使って結果を出してきました。ここでの400m延長はプラス材料とは考えづらい面がありますが、逆に言えば距離不安があるが故に、来年のクラシックを見据えて2000mへの適性を試す意味合いもありそうです」(競馬ライター)

 距離への不安も拭いきれないのが現状であれば、圧倒的に1番人気の馬が強いホープフルSと言っても、全幅の信頼を置くには心もとないと言わざるを得ない。
 
 一方で、コマンドラインとは対照的に2000mを2戦連続でレコード勝ちしてここへ臨むのが、サトノヘリオス(牡2、栗東・友道康夫厩舎)だ。

 2013年にまだオープンだったホープフルSを制したエアアンセムを兄に持つ本馬は、8月の新馬戦は4着に敗れたものの、次走の未勝利戦はレコードタイムで勝利。この時の勝ち時計は同日に行われた野路菊S(OP)の勝ちタイムに僅か0.2秒及ばなかったものの、夕月特別(2勝クラス)の勝ちタイムを0.7秒上回る優秀なタイムであった。

 そして続くエリカ賞(1勝クラス)も勝利し2連勝。この時の勝ちタイムも、前週に同じ阪神競馬場で行われていたチャレンジC(G3)の勝ちタイムを1.3秒も上回る2歳コースレコードで勝利。

 そして、2戦いずれもメンバー中最速の上りを繰り出しての勝利であった。

 もちろん、競馬は時計が全てではない。だが、昨年のダノンザキッド、一昨年のコントレイルなど歴代の優勝馬は前走で好タイムを叩き出しており、ある程度の時計を持っている馬が好走している。2戦連続でレコードを叩き出したサトノヘリオスにも十分チャンスがあると言えそうだ。

 サトノヘリオスを所有するのは、サトノダイヤモンドやサトノクラウンなど「サトノ」の冠名で知られるサトミホースカンパニー(里見治名義を含む)だ。

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サトノレイナス 撮影:Ruriko.I

 同馬主はこれまで多くの実力馬を所有し、いくつものG1を勝ってきた。だが、日本ダービー(G1)には2着が2回とあと少しの所で手が届いていない。今年は牝馬のサトノレイナスで臨むなど執念を見せたが勝利には至らなかった。

 そして同馬主の悲願を託されたのが、ダービー2勝の経験を持つ管理する友道厩舎だ。

 意外にもここまでタッグを組む事のなかった両者だが、友道調教師も幼少の頃からサトノヘリオスを高く評価しており、当初からクラシックを見据えて調教してきたと話している。クラシックへの登竜門であるここを勝利して、3度目のダービー制覇へ地固めと行きたい所だろう。

 過去の傾向からみると同レースは、平均からややスローでレースが進む事が多く、またコーナーを4つ回る為、素早い加速性能と持続力が求められるケースが多い。新馬戦後に鞍上のC.ルメール騎手が「跳びが大きく、反応が遅かった」と話したように、加速にやや手間取る面があったコマンドラインよりも、機動力のあるサトノヘリオスにとって展開が向きそうな点もプラスと言えそうだ。

 他にも武豊騎手のG1全制覇がかかるアスクワイルドモアや、珍名馬オニャンコポン、今年大ブレイクの横山武史騎手が騎乗するキラーアビリティなど、どの馬が勝っても盛り上がりそうな今レースが実に待ち遠しい。

(文=椎名佳祐)

<著者プロフィール>
 ディープインパクトの菊花賞を現地観戦し競馬にのめり込む。馬券はアドマイヤジャパン単勝勝負で直線は卒倒した。平日は地方、週末は中央競馬と競馬漬けの日々を送る。

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