
元JRA藤田伸二氏「残念なグランプリ」横山武史に最大級の賛辞も、「気に食わん」後輩の乗り替わりに不満隠せず
26日に中山競馬場で行われた第66回有馬記念(G1)は、横山武史騎手の騎乗したエフフォーリアが優勝。ハイレベルと評される3歳世代の代表として、新時代の到来を予感させる快勝だった。
「皆さんご存じの通り、僕のふがいない騎乗によって、出場停止になってしまって。有馬記念勝てて嬉しいんですけど、心の底から喜べないのが残念です」
この舞台がラストランとなったクロノジェネシスとの二強対決を制し、会心の騎乗だったとはいえ、レース後の勝利騎手インタビューで、横山武騎手の口から最初に出たのは反省の弁。
これは前日27日の2歳新馬で、エフフォーリアの半弟ヴァンガーズハートに騎乗した際、ゴール前で追う動作を緩めた騎乗ぶりが、騎手としての注意義務を怠ったとして、2日間の騎乗停止処分を受けていたためである。
「まだまだ本当に未熟で、ジョッキーがまだまだ本当に情けないんですけど、これからもっと気を引き締めるので、もっと頑張りたいと思います。よろしくお願いします。すみませんでした」
最後にも迷惑をかけた関係者に対し、謝罪した横山武騎手の真摯な姿勢に、ファンからも好意的な意見が寄せられた。
そして、大レースを勝利しながらガッツポーズもなかった若武者の姿を自身の公式Twitterにて「素晴らし過ぎる、素敵過ぎる」と最大級の賛辞で褒めちぎったのが、元JRA騎手の藤田伸二氏。1997年の有馬記念をシルクジャスティスとのコンビで制し、現役時代にJRA通算1918勝、G1・17勝を挙げた名手は、騎手引退後もファンから兄貴分として慕われる存在だ。
ときには厳しいコメントを残すこともある競馬界のご意見番は「彼はスーパージョッキーだよ、本当に良いレースを観た、おめでとう」とエール。ニューヒーローが誕生した暮れの大一番にご満悦だったようである。

その一方で、藤田氏が最後まで不満を隠せなかったのは、可愛がっている後輩・吉田隼人騎手のステラヴェローチェ降板についてだろう。
M.デムーロ騎手への乗り替わり発表後に「隼人ちゃうやん、菊花賞の乗り方が悪かったとは思えん」とこの話題に触れ、枠順確定後にも「ステラの隼人じゃないのは気にくわん」「良い面悪い面があるかもしれないがファンとしては悲しいかな残念なグランプリでもあるな……」と残念がっていた。
そういう意味でも大きな注目を集めたステラヴェローチェだったが、結果はまたしても善戦止まりの4着。“鞍上強化”も期待されてか3番人気の支持を集めたものの、効果があったのかどうかといわれると微妙な着順だったかもしれない。
ネットの掲示板やSNSでも「出遅れたのはデムーロのせい」「これなら隼人でも変わらなかった」「次もデムーロがいい」とファンの意見は分かれた。
ただ、菊花賞(G1)で約5馬身離されたタイトルホルダーにリベンジ。牝馬最強クラスのクロノジェネシスと1/2馬身差なら現状の力は出せたといえる。陣営が「この馬が完成するのは来年」と晩成をアピールする好素材だけに、次走でも目を離せない馬といえそうだ。
(文=高城陽)
<著者プロフィール>
大手新聞社勤務を経て、競馬雑誌に寄稿するなどフリーで活動。縁あって編集部所属のライターに。週末だけを楽しみに生きている競馬優先主義。好きな馬は1992年の二冠馬ミホノブルボン。馬券は単複派で人気薄の逃げ馬から穴馬券を狙うのが好き。脚を余して負けるよりは直線で「そのまま!」と叫びたい。
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