
元JRA藤田伸二氏「今思えばウケる」、1997年有馬記念(G1)で“解説者”田原成貴氏が後輩の会心の騎乗にまさかの大絶叫!?
26日には中山競馬場で有馬記念(G1)が行われる。今や年末の風物詩となったこのレースで、今年も名勝負は生まれるだろうか。
注目の大一番を前に、24年前の有馬記念に思いを馳せた人物がいる。元JRA騎手の藤田伸二氏だ。この日、Twitter上でファンから知らされた1997年グランプリの記事などを目にした藤田氏は「懐かしいな」としんみり。
その年の有馬記念を制したのは藤田氏騎乗のシルクジャスティスだった。このコンビはその年、重賞を2勝していたものの、日本ダービー(G1)は2着、1番人気に支持された菊花賞(G1)では5着に敗れていた。
菊花賞後はジャパンC(G1)で強豪外国馬にも挑んだが、ここでも5着に敗退。それでも有馬記念では4番人気という高い支持を集めていた。
この年の有馬記念で単勝オッズ10倍を切っていたのは4頭。人気順にマーベラスサンデー、エアグルーヴ、そして同じ3歳馬のメジロドーベルがこれに続いた。いずれもG1を制覇している馬たちだったが、強烈な末脚を誇るシルクジャスティスは十分チャンスありという評価を受けていた。
レースではやや速いペースで逃げたカネツクロスが向正面で早くも失速。タイキブリザードが途中からハナを奪うと、エアグルーヴも早めに仕掛けて先頭集団にとりつく。直線入り口では5~6頭が横一線に広がる大接戦となったが、直線の急坂を迎えたところで抜け出したのは、やはりエアグルーヴとマーベラスサンデーの2頭だった。
ところが、残り150m辺りで、2頭を上回る勢いで外から追い込んできたのが藤田氏のシルクジャスティスだ。一完歩ずつ前を行く2頭との差を詰めると、ゴール前で図ったように差し切り勝ち。なかなか届かなかった悲願のG1タイトルを手にした瞬間だった。
Twitter上のファンが藤田氏に共有したのは某動画共有サイトに掲載されている当時のレース映像だ。当時の実況とともにレース映像が収められたその動画には、翌年から調教師になる予定だった田原成貴氏(当時騎手)の声も入っている。
田原氏はその番組内でゲスト解説を務めていたようだが、最後の追い比べのシーンでは、激戦に熱くなりすぎたのか、「伸二!伸二、差せー!何とかせー!」と、絶叫しているシーンが収められていた。さらにシルクジャスティスの勝ちを見届けると、「よしっ!」という喜びの声まで中継に乗っていた……。
この動画をTwitter上で共有したファンのツイートに対し、藤田氏は「さすがグランプリ! 成貴さん… 今思えばウケる」と、大爆笑する顔文字とともにコメント。27年前の会心の騎乗を懐かしんでいた。
有馬記念といえば、1990年の故・大川慶次郎氏による「ライアン、ライアン」が有名だが、田原氏の「伸二、伸二」の大絶叫はそれ以上のインパクトを残す“隠れ名解説”なのかもしれない。
(文=中川大河)
<著者プロフィール>
競馬ブーム真っただ中の1990年代前半に競馬に出会う。ダビスタの影響で血統好きだが、最近は追い切りとパドックを重視。
PICK UP
Ranking
17:30更新「シャフリヤールの激走はわかっていた」本物だけが知る有馬記念裏事情。そして“金杯”で再現される波乱の結末とは?
浜中俊「哀愁」の1年。かつての相棒ソウルラッシュ、ナムラクレアが乗り替わりで結果…2025年「希望の光」は世代屈指の快速馬か
JRA「馬が走ってくれません」スタート直後の“レース拒否”に大反響!? 三浦皇成も打つ手なし……未勝利馬がまさかの「自己主張」で1か月の出走停止処分
- 皐月賞(G1)クロワデュノール「1強」に待った!? 「強さが証明された」川田将雅も絶賛した3戦3勝馬
- 「3大始祖」消滅の危機……日本で「2頭」世界で「0.4%」の血を残すべく立ち上がったカタール王族の「行動」に称賛
- 「空前の競馬ブーム」巻き起こしたオグリキャップ…ぬいぐるみはバカ売れ、見学ツアーも大人気、「ビジネスチャンス」生かしたオーナーの慧眼【競馬クロニクル 第64回】
- 有馬記念に続き東京大賞典も「記憶力」が決め手…最強フォーエバーヤングから絞りに絞った2点で勝負!
- 「世代最強候補」クロワデュノールは本物なのか?ホープフルSで下馬評を覆す最強刺客
- ヤマニンウルス、オーサムリザルトに新たなライバル登場か…元クラシック候補が路線変更ズバリ、M.デムーロ「強かった。乗っていただけ」
- 【ヴィクトリアマイル(G1)予想】ナミュールから6点で万馬券狙い! マスクトディーヴァは持ちタイムに不安ありで消し! 高速決着に対応できる穴馬で勝負
関連記事
JRA有馬記念(G1)アカイイトのエリザベス女王杯はフロック?それとも真の実力?真っ二つに分かれた「ベテランVS若手」記者の見解
JRA 有馬記念(G1)「持ってる」武豊と天地の差にファンは同情!? 持ってない同期騎手を襲った「3年連続」の悲劇
JRA有馬記念(G1)「逆張り」展開予想はエフフォーリアの油断にヒント、“卒業”クロノジェネシス「最後のタイトハグ」にも不安あり
JRA有馬記念(G1)の「サイン」は錦鯉のM-1グランプリ!? タイトルホルダー好走を「確定」させる決定打を発見?
JRA有馬記念(G1)クロノジェネシス、エフフォーリア「二強ムード」もお宝馬券ゲットのチャンスあり! 消したら後悔する「とっておき」の穴馬はこれだ