JRA有馬記念(G1)「逆張り」展開予想はエフフォーリアの油断にヒント、“卒業”クロノジェネシス「最後のタイトハグ」にも不安あり

SNSのトレンドに「仕事納め」の話題が上がり始めた12月下旬。中央競馬では、25日に中山大障害(J・G1)、26日には有馬記念(G1)が開催される。
暮れの風物詩といえば冬のグランプリのイメージが強いものの、競馬ファンにとっての仕事納めは、28日のホープフルS(G1)、29日に大井競馬場で行われる東京大賞典(G1)といったところだろうか。
我々のような競馬メディアに携わる人間には、レース後の記事も控えており、師走という名の通り、年内一杯もまだまだ仕事に追われそうである。
残りのG1開催があるとはいえ、世間一般の最注目はやはり有馬記念であることに異論はない。年末ジャンボで夢を見るのもありだが、運任せの宝くじよりも、馬券を買う方がまだ的中の期待は大きい。
というわけで、唐突だが一足早く有馬記念の展開予想をしてみたい。
自慢じゃないが、秋G1でこれまで筆者の本命にした馬の勝利は、恥ずかしながら菊花賞のタイトルホルダーのみ。スプリンターズSから始まり、朝日杯FSまでの10レースで勝率10%ということは、先に弁解しておきたい。ここまで来ると我ながら「逆神」ではないかと思えてくるほどだ。

登録馬17頭中6頭がG1馬という顔触れながら、実績的に抜けた存在となるのは、クロノジェネシス(牝5、栗東・斉藤崇史厩舎)とエフフォーリア(牡3、美浦・鹿戸雄一厩舎)の2頭。前者は凱旋門賞(仏G1)にも出走した名牝、後者は3歳世代を代表する1頭だ。
2年連続で宝塚記念(G1)を連覇、昨年の有馬記念も制しており、今年も優勝すればグランプリ4連覇という偉業すら見えてくる主戦を務めていた北村友一騎手の負傷による離脱は残念だが、初騎乗の宝塚記念で快勝したC.ルメール騎手なら問題ないだろう。
対するエフフォーリアは、無敗の二冠を狙った日本ダービー(G1)こそ、横山武史騎手の若さもあって、シャフリヤールの強襲に屈したが、天皇賞・秋(G1)で前年の無敗三冠馬コントレイルを一蹴して失地を回復。菊花賞とジャパンC(G1)には目もくれずに有馬記念1本を狙ってきた。
両者の位置取りとしては、好位からの抜け出しを武器とするエフフォーリアを、クロノジェネシスがマークする形が濃厚と思われる。
展開のカギを握るのはやはり逃げ先行勢か。逃げたレースで3戦全勝の菊花賞馬タイトルホルダーは、ハナを奪ってこそ、持ち味を生かせるタイプ。スタミナのある馬だけに、多少ハイペースになっても後続馬の方が、追走に苦しむ可能性も考えられる。
厄介なのは同型パンサラッサの存在か。こちらは、切れないバテないしぶとさが最大の武器。いずれもスローペースで展開の利を狙うより、自分で勝ちに行くレースをできるのが魅力だろう。よほど激しいハナ争いでもしない限り、案外ペースが流れているように見えても、2頭にとってはマイペースということもありそうだ。
そこで思い出したいのは、1番人気のトウカイテイオーが11着に大敗した1992年の有馬記念だ。翌年、1年ぶりのぶっつけで奇跡の勝利を決めた名馬も前年には人気を裏切っていた。
この年のトウカイテイオーは、いつもと違う後方待機策。メジロパーマーとダイタクヘリオスが後続を大きく離す展開ながら、1番人気をマークしていたライバルの仕掛けは、これに釣られて遅くなった。
2頭が競り合ったことでハイペースに見えた前半も、実は道中で13秒台のラップがあったようにスロー。後半から一気にペースアップしたメジロパーマーが、ノーマークを利して逃げ切ったのだった。当時はまだ3連複や3連単のない時代ながら、馬連でも31550円という大波乱の結末に終わった。
そもそも競馬における波乱とは、ファンの予想と異なる結果だからこそ発生するともいえる。
タイトルホルダーにしても、横山武騎手が菊花賞を勝利に導いたが、弥生賞(G2)勝利後の継続騎乗リクエストに苦笑いしていたように、同騎手の中ではエフフォーリアが上という絶大な信頼感がある。これが「油断」となれば、マークする相手は必然的にクロノジェネシスとなるはず。
世間では今年の有馬記念がハイペースになり、差し追い込み馬が穴になるのではないかといった展開予想もチラホラ出ているが、他人と同じ予想で穴馬券は拾えないだろう。
年内で卒業する乃木坂46の生田絵梨花を推していた当方としては、引退レースとなるクロノジェネシスに「最後のタイトハグ」を捧げたい気持ちもあるが、ここは思い切って逆張りで攻めてみたい。
(文=黒井零)
<著者プロフィール>
1993年有馬記念トウカイテイオー奇跡の復活に感動し、競馬にハマってはや30年近く。主な活動はSNSでのデータ分析と競馬に関する情報の発信。専門はWIN5で2011年の初回から皆勤で攻略に挑んでいる。得意としているのは独自の予想理論で穴馬を狙い撃つスタイル。危険な人気馬探しに余念がない著者が目指すのはWIN5長者。
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