
戸崎圭太「今回に関しては…」フェブラリーS(G1)オメガギネス乗り替わりに付言。超新星ジャスティンミラノ完璧騎乗も「他人事発言」連発の裏にある厳しい立場

2週連続重賞勝利も十分にあったはずの戸崎騎手
16日、先週の共同通信杯(G3)で2歳王者ジャンタルマンタルらを一蹴し、一躍クラシックの中心に躍り出たジャスティンミラノ(牡3歳、栗東・友道康夫厩舎)について、鞍上の戸崎圭太騎手が改めて称賛の声を送っている。
先週11日のレース直後には「乗りやすくて強い勝ち方だったと思います」「直線でも手応えがあったし、追ってからも味があった」「今日の感じなら距離が延びても大丈夫」と、突如現れた超新星を手放しで称賛していた戸崎騎手。
さらに、この16日は『競馬ラボ』の連載企画『週刊 戸崎圭太』を通じて「まだ緩さもある中で、しなやかさが優れている」「ゆったりしながら速い」と賛辞が止まらない様子。詳細はぜひ本連載をご覧いただきたいが、肝心な今後については「活躍してくれるんじゃないでしょうか」と、どこか他人事のようにも取れるコメントに留まった。
「他人事発言」連発の裏にある厳しい立場
すでに皐月賞(G1)への直行が発表されているジャスティンミラノだが、鞍上の発表はまだない。戸崎騎手の騎乗が光った共同通信杯だったが、これがテン乗りだったこともあって、陣営も鞍上決定に慎重になっているようだ。
実際にレース当日の勝利騎手インタビューでも、最後に今後に向けて「ファンに一言」と問われると「えー」「あのー」など、これまでスムーズだった受け答えが一転……。戸崎騎手としても言葉を選ばざるを得なかったのかもしれない。
「クラシック前のこの時期は、特に鞍上問題がデリケートになりますね。今週もホープフルS(G1)2着のシンエンペラーが、川田将雅騎手との新コンビで報知杯弥生賞ディープインパクト記念(G2)に進むことが大きな話題になりましたが、管理する矢作芳人調教師は『弥生賞は川田騎手で。その後は未定』と本番の皐月賞で乗り替わりになる可能性も示唆しています。
逆に川田騎手らトップジョッキーにしても、クラシックでコンビを組む馬はギリギリまで見定めたいところ。ジャスティンミラノは結果を出した戸崎騎手が有力だと思いますが、正式な発表はまだ先になるかもしれません」(競馬記者)
また、記者曰く戸崎騎手が慎重なコメントに終始することには理由があるという。
今週末18日に東京競馬場で行われるフェブラリーS(G1)だが、今年の1番人気が濃厚なオメガギネス(牡4歳、美浦・大和田成厩舎)は、これまで戸崎騎手とのコンビで5戦3勝2着2回、ここまで連対率100%という次代のダート王候補だ。当初は賞金不足で除外対象だったが回避馬が出たことで出走が叶い、一躍主役候補に挙げられている。

しかし、今回の鞍上はC.ルメール騎手だ。デビューからずっとコンビを組んできた戸崎騎手にとっては、ようやくG1の舞台に立つというところで、まさかの乗り替わりとなってしまった経緯がある。
この急遽の主戦降板劇については、戸崎騎手は先述した『週刊 戸崎圭太』内で「あんまり言いたくない騎手もいると思います」と前置きしながらも「今の時代、乗り替わりは沢山あって、どの馬でもずっと乗れると思っていないとは常々意識にはあります」と昨今の乗り替わり事情についてコメント。
しかし、「ただ、今回に関しては思ってもいなかったので……」と、オメガギネスについてはまさに青天の霹靂だったことを明かしている。
ちなみに戸崎騎手はフェブラリーS当日、決戦の舞台となる東京で騎乗。7鞍の騎乗依頼を受けているが、残念ながらメインレースは「騎乗馬なし」となっている。
今回、オメガギネスと新コンビを組むルメール騎手は、言わずと知れた昨年のリーディングジョッキーだ。食って食われる弱肉強食の世界に生きるだけに、乗り替わりは日常茶飯事だが、今回のオメガギネスについては戸崎騎手としても思うところがあるようだ。
PICK UP
Ranking
17:30更新「シャフリヤールの激走はわかっていた」本物だけが知る有馬記念裏事情。そして“金杯”で再現される波乱の結末とは?
浜中俊「哀愁」の1年。かつての相棒ソウルラッシュ、ナムラクレアが乗り替わりで結果…2025年「希望の光」は世代屈指の快速馬か
JRA「馬が走ってくれません」スタート直後の“レース拒否”に大反響!? 三浦皇成も打つ手なし……未勝利馬がまさかの「自己主張」で1か月の出走停止処分
- 皐月賞(G1)クロワデュノール「1強」に待った!? 「強さが証明された」川田将雅も絶賛した3戦3勝馬
- 「3大始祖」消滅の危機……日本で「2頭」世界で「0.4%」の血を残すべく立ち上がったカタール王族の「行動」に称賛
- 「空前の競馬ブーム」巻き起こしたオグリキャップ…ぬいぐるみはバカ売れ、見学ツアーも大人気、「ビジネスチャンス」生かしたオーナーの慧眼【競馬クロニクル 第64回】
- 有馬記念に続き東京大賞典も「記憶力」が決め手…最強フォーエバーヤングから絞りに絞った2点で勝負!
- 「世代最強候補」クロワデュノールは本物なのか?ホープフルSで下馬評を覆す最強刺客
- ヤマニンウルス、オーサムリザルトに新たなライバル登場か…元クラシック候補が路線変更ズバリ、M.デムーロ「強かった。乗っていただけ」
- 【ヴィクトリアマイル(G1)予想】ナミュールから6点で万馬券狙い! マスクトディーヴァは持ちタイムに不安ありで消し! 高速決着に対応できる穴馬で勝負
関連記事
川田将雅、藤岡佑介ら20期生から「最後の大物」出現? 武豊も「上手い3人」に挙げる関西若手No.1に関東圏「48戦0勝」の壁 日本競馬が揺れた現役騎手による「禁止薬物」事件から8年【週末GJ人気記事ぶった斬り!】
【フェブラリーS】ドゥラメンテ産駒のダート替わりに期待大!? 二刀流G1制覇に挑むシャンパンカラー、その先には海外挑戦も視野?
「期待していました」引退間近のベテランから武豊に託されたバトン! 思い出されるウオッカ、ダイワスカーレットと「3強」を形成した牝馬の記憶
今年未勝利の藤田菜七子は「逆張り」に活路!出稼ぎの中堅や若手を襲った過酷な現実…「弱肉強食」の裏開催はフェブラリーSより狭き門?
【フェブラリーS】「馬に申し訳ないです」騎手が謝罪の大敗もノーカン?人気急落だからこそ侮れない… 勝率「1.9%」でもアノ馬の激走に要警戒