JRA武豊「重賞90連敗」から現役最多勝に大幅強化! 日経新春杯(G2)打倒ステラヴェローチェに騒ぐ、名牝エアグルーヴに挑んだ祖母の血
16日、中京競馬場で行われる日経新春杯(G2)は、早くもステラヴェローチェ一強ムードの様相を呈しつつある。
大本命確実視される実力馬は、昨年のクラシックを皆勤。勝利こそ掴めなかったものの、暮れの有馬記念(G1)にも出走して4着と健闘した。ダービー馬シャフリヤールを倒した神戸新聞杯(G2)と同じ、中京芝2200mの舞台なら負けられないところだろう。
先週のフェアリーS(G3)をライラックで制したばかりのM.デムーロ騎手が、引き続きコンビを組むことも魅力とはいえ、戦前の下馬評ほど信用できる存在なのかとなるとどうも引っ掛かる。
デビュー戦こそ好位から抜け出す競馬で勝利したものの、以降は後方からマクり気味にポジションを上げていくスタイルが定着。出遅れ癖のある“鞍上” だけに、今回も後方待機策となる可能性が高そうだ。
そこで打倒ステラヴェローチェの最右翼候補として期待したいのが、フライライクバード(牡5、栗東・友道康夫厩舎)である。
長らく自己条件を卒業できない状況が続いていた同馬だが、昨年9月のムーンライトハンデ(3勝クラス)を2着馬に2馬身差をつけて圧勝。相手が52.0キロに対し、自身はトップハンデ56.0キロだったのだから、着差以上の強さだったといえる。
続くアルゼンチン共和国杯(G2)でも3番人気に評価を受けて3着と好走。素質馬がようやく軌道に乗りつつある。昇級して即重賞を勝ち負けする内容に、次走でも大きな期待が懸かるところだが、近3戦で手綱を任されていた岩田望来騎手にとっては、武豊騎手へと鞍上強化される乗り替わりとなってしまった。
「岩田望騎手も頑張ってはいるのですが、重賞レースとなるとあと一歩のところで勝てない状況が続いています。1番人気エアロロノアに騎乗した今年の京都金杯(G3)でも6着に敗れ、人気を裏切りました。
また、これでデビューからの重賞挑戦はついに90連敗。このまま勝てないままだと年内には、100連敗に到達しそうな雰囲気すらあります。馬質で見劣る他の同期が、次々に重賞勝ちをしているため、名門の藤原英昭厩舎に所属している岩田望騎手の不振が目立っていますね」(競馬記者)
対する武豊騎手は、全盛期ほどの勢いはなくとも、昨年の朝日杯FS(G1)をドウデュースで初制覇。日経新春杯にしても現役最多となる3勝を挙げており、得意にしているレースでもある。
陣営の期待が大きな馬だけに、この鞍上強化は仕方がないともいえそうだ。
ちなみにフライライクバードの祖母シングライクトークは、1997年のマーメイドS(G3)で単勝1.9倍の断然人気を集めたエアグルーヴ相手に、真っ向勝負して3/4馬身差の2着と健闘した馬。その孫にライバルの主戦だった武豊騎手が騎乗するのも何かの縁かもしれない。
そして、武豊騎手が騎乗する以外にも、フライライクバードを後押しするのが、中京コースとの相性の良さだ。これまで中京で4戦を使われたが、その成績は2勝2着1回3着1回で着外なし。
しかも、日経新春杯と同じ中京の芝2200m戦で2勝を挙げているように、非常に好相性なのだ。今回、騎乗の叶わなかった岩田望騎手にとっては、絶好のチャンスを失う格好となってしまったが、武豊騎手とのコンビでパートナーがあっさり重賞初勝利する可能性は、決して低くはないだろう。
(文=黒井零)
<著者プロフィール>
1993年有馬記念トウカイテイオー奇跡の復活に感動し、競馬にハマってはや30年近く。主な活動はSNSでのデータ分析と競馬に関する情報の発信。専門はWIN5で2011年の初回から皆勤で攻略に挑んでいる。得意としているのは独自の予想理論で穴馬を狙い撃つスタイル。危険な人気馬探しに余念がない著者が目指すのはWIN5長者。
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