JRA「枠入り不良&玉砕暴走」にファンから大ブーイング!? シルクロードS(G3)天敵の引退で追い風吹く「お騒がせ馬」に注目!

30日、中京競馬場で開催されるハンデ重賞のシルクロードS(G3)に、芝スプリント重賞3勝を誇るビアンフェ(セ5歳、栗東・中竹和也厩舎)が出走する。
これまで2歳夏の函館2歳S(G3)、3歳春の葵S(重賞)、そして昨夏に札幌で行われた函館SS(G3)を全て逃げ切り勝ち。その実績から予想通りともいえるトップハンデタイの57.5kgが課せられた。
今回も鞍上はもちろんデビューから手綱を取り続ける藤岡佑介騎手が務める。このコンビが今年の始動戦で採るべき戦法はただ一つ。テンの速さを武器に逃げるだけだろう。
ビアンフェの脚質別成績を見ても、逃げの戦法が理にかなっていることは一目瞭然だ。2番手以下に控えたときの「0-1-0-4」に対し、ハナを奪ったときは「4-1-1-1」と安定感は抜群。
逃げて唯一馬券外の7着に沈んだのがマイル戦の朝日杯FS(G1)だった。1200m戦に限定すれば「4-0-1-0」で、3着に敗れた昨年のオーシャンS(G3)は去勢明け初戦だったことを加味すれば、スプリント戦で行ききればまず崩れることはないだろう。
今後のスプリント路線を見据えると、ビアンフェには追い風も吹いている。あの快速牝馬の引退によってスプリント界の“逃げ争い”はビアンフェの独壇場になるかもしれない。

その相手とは20年高松宮記念(G1)覇者で、昨年12月のカペラS(G3)を最後に繁殖入りしたモズスーパーフレアのことだ。デビュー当初から短距離路線でその韋駄天ぶりを遺憾なく発揮。本格化した3歳秋以降は20戦中、実に19戦でハナを切るロケットスタートだった。
丸3年以上にわたって国内のスプリント戦線で“ハイペース”を演出してきたモズスーパーフレアがターフを去り、その役割を引き継ぐとみられるのがビアンフェというわけである。
そんな2頭が初めて相まみえたのが、20年のスプリンターズS(G1)だった。
2頭によるハナ争いが注目された一戦で、ビアンフェは違う意味で全国のファンの視線を釘付けにしてしまう。
「記憶している人も多いと思いますが、先入れ発走のビアンフェがイヤイヤしてしまい、予定時刻を5分以上も経過。最終的に藤岡佑騎手が一旦下馬して何とかゲートインにこぎ着けました。ところが胸をなで下ろしたのも束の間、今度はスタート後にも悪目立ちしてしまいます。
好スタートを切ったモズスーパーフレアに対し、ビアンフェは絶好のスタートとはいかず。すんなり隊列は決まると思われましたが、ビアンフェがモズスーパーフレアに執拗に絡んでいきました。
ハナは譲れまいと、モズスーパーフレアもこれに抵抗。結局前半3ハロンが32秒8という乱ペースになってしまいました。ネットでは『あそこまで競りかける必要ある?』、『これじゃ、モズへのただの嫌がらせ』など容赦ない意見が飛び交いました」(競馬誌ライター)
そんなビアンフェがリベンジを胸に臨んだのが昨年のスプリンターズSだった。しかし、ここでも再び悪癖を露呈し、ゲート入りに時間を要する事態に……。そして肝心のハナ争いでは前年に物議を醸したことも影響したのか、それともモズスーパーフレア陣営に忖度したのか、競りかけることはせず2番手に控えた。
結果的に前半3ハロンのラップは前年より0秒5遅く、前残りの展開となったが、ビアンフェは控えたことで持ち味を生かせず、7着に敗れた。
2度の対戦でいずれもハナを奪われたモズスーパーフレアが引退し、今回のメンバーを見渡しても絶対逃げたいという馬は不在。重賞4勝目、そして高松宮記念(G1)へ、ビアンフェのやるべきことは逃げるのみだ。
(文=中川大河)
<著者プロフィール>
競馬ブーム真っただ中の1990年代前半に競馬に出会う。ダビスタの影響で血統好きだが、最近は追い切りとパドックを重視。
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