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JRA 「唯一抜きんでて並ぶ者なし」という名の3.6億円馬“ホロ苦”障害デビュー……未勝利勝てず、障害で再スタートも「次につながるレースだった」

JRA 「唯一抜きんでて並ぶ者なし」という名の3.6億円馬ホロ苦障害デビュー……未勝利勝てず、障害で再スタートも「次につながるレースだった」の画像1

 29日、小倉競馬場で行われた4R・障害未勝利戦は、北沢伸也騎手の1番人気ノストラダムスが優勝。単勝1.5倍の圧倒的な支持に応える大差勝ちで、障害戦初勝利を挙げた。

 断然人気のノストラダムスに注目が集まる一方、同レースにはもう一頭存在感を放った馬がいる。今回初めての障害レースだった1枠1番のザレストノーウェア(牡4歳、栗東・友道康夫厩舎)だ。

 2015年の2冠牝馬ミッキークイーンの全弟として、『セレクトセール2019』の1歳部門にて最高落札額となる3億6000万円で、近藤利一氏によって落札されたザレストノーウェア。その後、近藤氏が他界したことで大塚亮一氏の手に渡った。

「育成時から評判が高かった馬でしたが、デビュー前に骨折してしまったように、脚元に問題があったようです。そのため、思うような調整やレースを使えず、未勝利戦開催期間中に勝ち星を挙げることができませんでした。

未勝利戦終了後も中央在籍を選びましたが、格上挑戦した前走は、首位から2秒近く離された15着。平地では厳しいという判断から、今回障害レースに挑んだのかもしれませんね」(競馬誌ライター)

 友道師は戦前に「スピードはひと息でもスタミナはある馬。飛越は上手ですし、前につけて粘り込みを図るようなレースができれば」と、挑戦意図を説明。スタミナを生かすならダートの選択肢もあるが、ダートの実績が乏しいディープインパクト産駒である点を考慮して、障害を選んだのかもしれない。

 レースは1枠1番からのスタート。五分の発馬を切るも、道中は慣れない障害飛越が続きスピードに乗り切れず、後方からの競馬となった。

 しかし、終盤で徐々に位置を上げていくと、最終障害を終えて4番手まで浮上。ゴール前は鋭く脚を伸ばし、ギリギリ3着まで滑り込んだ。

 首位からは大きく離されたが、初障害で3着と上々の結果に鞍上の森一馬騎手は「初めての障害戦で、ペースが速いなかでも頑張ってくれました。次につながるレースだったと思います」と、手応えを得たようだ。

「レースの序盤は飛越が精一杯で、ペースになかなかついていけませんでした。ただ、後半になって前の馬たちが失速し始めると、上がっていけましたね。友道師がおっしゃる通り、スタミナがあります。

初戦としては良い内容だったのではないでしょうか。特に平地部分での走りが良く、3億円馬の意地が見られたような気がします。比較的障害の数が少ない新潟2890mが合っていそうですよ」(同)

 平地競走よりレース数や賞金額が少ない障害競走だが、現在、すべての現役馬のなかで1番稼いでいるのは障害王オジュウチョウサンだ。活躍次第では落札額となった3億6000万円以上の賞金を積み上げることも夢ではない。新天地の障害競走で、馬名意味の「唯一抜きんでて並ぶ者なし」を体現できるよう期待したい。

(文=坂井豊吉)

<著者プロフィール>
全ての公営ギャンブルを嗜むも競馬が1番好きな編集部所属ライター。競馬好きが転じて学生時代は郊外の乗馬クラブでアルバイト経験も。しかし、乗馬技術は一向に上がらず、お客さんの方が乗れてることもしばしば……

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