JRA【根岸S(G3)予想】武豊×ヘリオスはバッサリ!? 例年レースを荒らす穴馬発見で高配当も視野に
今回は先週に引き続きフェブラリーS(G1)に向けての前哨戦となるダート重賞、根岸S(G3)を予想していく。
先週のAJCC(G2)と東海S(G2)は散々だった。AJCCは1着こそ来てくれたが、データで買えたはずのマイネルファンロンと、切ったボッケリーニが2着3着でどうにも手が出ない。そして、懸念していたC.ルメール騎手は先週もしっかり1番人気の馬を飛ばしてくれた……。
東海Sは3着こそ来てくれたが、1着はデータで買えたスワーヴアラミスが怒濤の追い込みを見せ、切ったオーヴェルニュが前で粘って2着に健闘。オーヴェルニュはこのコースだけに適性があるとしか思えない。侮りすぎた。
さて、振り返りはここまでで予想に戻ろう。
いつものように過去10年馬券に絡んだ30頭の前走データを見てみる。
チャンピオンズC 6頭
武蔵野S、カペラS 各5頭
ギャラクシーS(OP) 4頭
師走S(OP)、ファイナルS(OP) 各2頭
マイルCS、JBCスプリント、東京大賞典、兵庫GT 各1頭
リステッド 1頭
オープン特別 1頭
となっている。G3だが上位馬に自己条件勝ち上がりからの重賞初挑戦馬がいないのは、それなりにレースレベルが高いのだろう。30頭中20頭が前走重賞を使っての参戦となっている。
続いて人気順の成績がこれだ。
1番人気 4−3−0−3
2番人気 1−1−2−6
3番人気 1−2−0−7
4〜6番人気 4−1−4−21
7〜9番人気 0−2−1−27
10番人気以下 0−1−3−63
となっている。1番人気の成績が突出しており、2番人気、3番人気がアテにならない数字。むしろ率では落ちるが4~6番人気の方が信頼できそうだ。ただ、近5年で1~3番人気の馬が必ず2頭入っていることを考えると、人気馬がアテにできないとは言ってもバッサリやるのは早計かも知れない。
これを踏まえて「◎」は人気の一角になりそうだが9番ソリストサンダーとする。
前走は武蔵野S(G3)。終始緩みのないペースで流れた結果、先行勢総崩れとなり、中団から差し切っての勝利。
近走成績も悪くない。2走前のマイルCS南部杯(G1)でも不良馬場の中を3着に突っ込んでいるほか、4走前のかしわ記念(G1)では地方の雄カジノフォンテンとタイム差なしの2着とダートの一線級と渡り合うだけの実力はある。
本馬の不安点は、マイルより短いレースの成績が今ひとつなことか。数はそれなりに走っているのだが、本格化前ということもあったのか掲示板(5着以内)にすら載っていないレースが多い。本格化以降は積極的にマイルと1700m戦を使われ、良績を残しているので適距離がこのあたりなのだろう。
それだけに久しぶりの1400m戦ということに不安が残る。それでも1ハロン短縮というだけのことなので、今の勢いであれば難なくこなしてしまう可能性を感じる。
「○」は穴っぽいところから11番テイエムサウスダンを指名する。
前走は兵庫ゴールドトロフィー(G3)。58kgの斤量ながらも先行して押し切る横綱相撲で勝利を挙げている。
昨年もこのレースに出走して13着と惨敗しているが、そこから交流重賞で3勝2着1回と好調。そのあたりのことは本サイトのこの記事に詳しいが、良化著しいと見ている。
距離適性もマイルより1400m戦の方が向いているようで、全8勝中7勝がこの距離。中央での重賞成績が2度とも着外なのは引っかかるが、満を持しての再挑戦と捉えたい。
「▲」も多少穴っぽいところで4番スリーグランドを挙げる。
前走はすばるS(L)。1番人気に推されての出走だったが、この日は逃げ馬天国の1日だったこともあり、勝ち馬にいいペースで逃げられると直線で差し届かず3着に終わった。
昨年の今頃にオープン入りを果たしているが、ここまでオープン特別やリステッド競走ばかり使われてきたこともあり、重賞経験は昨年7戦してわずか2戦のみ。ただ、その2戦となる黒船賞(G3)では「○」に挙げたテイエムサウスダンの2着に入り、2走前の武蔵野Sでも5着と掲示板は確保。実力は確かと言えよう。
基本的に中団から後ろに位置して差しの競馬をする馬だが、陣営もコメントしているように近走では自在性が出てきた。展開に左右されず上手く立ち回れば一発は十分にあると考えている。
「△」は5番オメガレインボー、8番タガノビューティー、13番サクセスエナジーの3頭とする。
オメガレインボーは前走カペラS(G3)。ハイペースのスプリント戦で後方からよく伸びてきたが届かず3着。
ローテーション的に申し分ないだけでなく、近5走がいずれも3着以内と大崩れしていないのが強み。1頭ハイペースで逃げる馬が出走してくるが、悪い方に転んでも馬券圏内は確保するのではないか。陣営も自信のコメントを出しているので期待したい。
タガノビューティーは前走ギャラクシーS(OP)。1番人気に推されるも直線の差し比べに負けて3着。
ローテーション的にはこちらも問題なく推せる1頭だが、早くにオープンへ昇格した割にこの馬も重賞経験が少なく、しかも2歳時の朝日杯FS(G1)以外ではすべて掲示板すら外す負けを喫している。そこが不安点ではあるが、一方で3歳春以降は徹底してダートの1400mとマイルを使われ、良績を残している。
重賞でメンバーが強化された今回はどうか、という懸念はあるが実績を考えると押さえておきたい。
サクセスエナジーは前走JBCスプリント(G1)。終始前目で競馬していたが、4コーナーで後退を始めるとそのまま直線で見せ場なく7着に敗退。
2走前の東京盃(G2)を含み、交流重賞を6勝している猛者ではあるが、中央の重賞はさっぱりで18年のプロキオンS(G3)で4着に入ったのが最高。中央の砂が合わない可能性は否定できないが、JBCスプリントからの臨戦で馬券に絡んだ記録があることと、中央実績の乏しさが嫌われてか人気薄確実なので、むしろ押さえたい1頭。
今回は人気しそうな馬も積極的に押さえたが、それでも7番ヘリオスは切りたい。
同コースのオープン特別とリステッドを連勝している実績が買われて人気しそうだが、ローテーション的には消しの1頭。逃げるか番手あたりからの競馬で実績を残しているようだが、今回は同型馬が多い。乱ペースになりやすく、この馬にとっては不利であろう。
ということで、今回は4番、5番、8番、9番、11番、13番の6頭で3連複BOX20点勝負とする。
上位人気馬を拾っているので、配当に期待しにくいところはあるが、例年上位人気馬と穴馬の組み合わせで意外に万馬券も飛び出しているレース。サクセスエナジーの激走があれば高配当もあるだろう。
(文=トーラス神田)
<著者プロフィール>
オグリ引退の有馬記念をリアルタイムで見ている30年来の競馬好き。ウマ娘キャラがドンピシャの世代。競馬にロマンを求め、良血馬にとことん目がない。おかげで過去散々な目に遭っている。そのくせ馬券は完全データ派。座右の銘は「トリガミでも勝ちは勝ち」。
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