JRA【東京新聞杯(G3)展望】ファインルージュ「実力上位」もC.ルメールが最大の不安!? 3連勝中プリンスリターン、充実一途ホウオウアマゾンにもチャンス
2月6日、東京競馬場では第72回東京新聞杯(G3)が行われる。4年前にリスグラシュー、3年前にはインディチャンプがこのレースを制し、後にG1馬に輝くなど、今後のマイル路線を占う重要な一戦である。
主役候補の1頭は、昨年ソダシらとともに牝馬クラシック路線を盛り上げたファインルージュ(牝4歳、美浦・木村哲也厩舎)だ。
これまでフェアリーS(G3)と紫苑S(G3)を勝っているが適性距離はどちらかというとマイル寄り。皆勤した昨年の牝馬三冠では、2400mのオークス(G1)こそ11着に敗れたが、桜花賞(G1)は3着、秋華賞(G1)では2着に好走するなど、同世代の牝馬相手に一線級のスピードを誇った。
前走の秋華賞後は放牧に出ていたが、年明けに美浦に帰厩。坂路とウッドコースを併用して順調に調整されてきた。
鞍上を務めるのは重賞で大苦戦中のC.ルメール騎手。特に今年に入ってからは人気馬に騎乗し、ことごとく馬券圏外に追いやられている。
苦手とされる寒い時期に開催の東京新聞杯もこれまで5回騎乗し、「0-1-1-3」と相性は良くない。過去3年はいずれも1~2番人気の有力馬に騎乗したが、5、9、7着と馬券に絡むことができていない。
ファインルージュとは3度コンビを組んで、「2-1-0-0」という好相性を誇るだけに、初めてとなる年長馬との対戦で自慢の鋭い切れ味を引き出すことができるだろうか。
目下3連勝中のプリンスリターン(牡5歳、栗東・加用正厩舎)も上位人気必至の実力馬だ。
3歳時にはシンザン記念(G3)2着、アーリントンC(G3)3着など重賞路線で上位を争っていた。ところが、NHKマイルC(G1)で15着に大敗してから一時低迷。3歳夏以降は重賞レースにも出走せず、リステッド競走中心のローテーションを貫いた。
復活勝利を挙げたのは昨夏の小倉日経オープン(OP)。松若風馬騎手を背に約2年ぶりの美酒を味わうと、その後は10月のポートアイランドS(L)、11月のキャピタルS(L)を勝って、現在3連勝中である。
5歳を迎え、重賞出走は約1年半ぶり。この年齢で本格化を果たしたのがプリンスリターンの父ストロングリターンだった。5歳春の京王杯SC(G2)を勝利すると、続く安田記念(G1)で2着に好走。翌年の安田記念制覇の足がかりを築いた。
そんな晩成タイプだった父が得意としたのが東京コース。勢いに乗るプリンスリターンも4連勝を飾って春のマイル重賞路線の主役へ名乗りを上げたい。
明け4歳のホウオウアマゾン(牡4歳、栗東・矢作芳人厩舎)も急激に力をつけている1頭。昨年4月のアーリントンCを制し、続くNHKマイルCでも上位人気の一角に推されたが、力を出し切れず9着に敗れた。
夏を休養に充て、秋はスワンS(G2)で始動。初の7ハロン戦だったが、ダノンファンタジーと0秒2差の3着に逃げ粘った。
続くマイルCS(G1)でも再びハナを奪い5着に大健闘。再び距離を短縮した前走の阪神C(G2)では、ゴール前で一瞬先頭に立つシーンもあったが、グレナディアガーズの強襲に遭い2着に敗れた。再び距離を延ばし、NHKマイルC以来となる東京コースで重賞2勝目を狙う。
昨年の東京新聞杯1~2着馬も参戦予定だ。
カラテ(牡6歳、美浦・高橋祥泰厩舎)は、昨年2勝クラスから一気の3連勝で重賞初制覇。好位から直線馬群を割って抜け出る好内容だった。その後は状態が今ひとつだった安田記念こそ凡走したが、関屋記念(G3)2着、前走のニューイヤーS(L)で11か月ぶりの勝利を飾るなど、史上初の連覇を狙える状態にある。
1年前、カラテにアタマ差で敗れたのがカテドラル(牡6歳、栗東・池添学厩舎)。2走前の京成杯AH(G3)で念願の重賞初制覇を飾ったが、前走マイルCSでは9着に敗退。課題のゲートを克服し、1年前のリベンジを果たせるか。
この他には、リステッド競走2勝の実力馬シュリ(牡6歳、栗東・池江泰寿厩舎)が4度目の重賞挑戦。3歳時にチューリップ賞(G2)と紫苑Sを制したマルターズディオサ(牝5歳、美浦・手塚貴久厩舎)にもチャンスがある。
ファインルージュがG1制覇へ向けて好発進を決めるのか。それとも3連勝中のプリンスリターンがそれを阻止するのか。東京新聞杯は15時45分に発走予定だ。
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