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JRA武豊「世紀の逃避行」で騎乗停止の大波乱!? 全兄は無敗でダービーに進んだクラシック大本命、「川田将雅×中内田厩舎」の秘蔵っ子が赤丸急上昇

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JRA武豊「世紀の逃避行」で騎乗停止の大波乱!? 全兄は無敗でダービーに進んだクラシック大本命、「川田将雅×中内田厩舎」の秘蔵っ子が赤丸急上昇の画像1
川田将雅騎手

 6日、中京競馬場で行われた5Rの3歳・未勝利は、川田将雅騎手の1番人気ダノンジャッカル(牡3、栗東・中内田充正厩舎)が、2着馬に2馬身半の差をつけて圧勝。2戦目で初勝利を挙げた。

 阪神でデビューした昨年12月に2番人気で3着と惜敗するも、ポテンシャルの高さを示し、単勝1.6倍の断然人気に支持された。陣営としても、確勝を期して挑んだ2戦目の取りこぼしは許されなかったに違いない。

 なんといっても母はインディアナギャル。オルフェーヴル、ロードカナロア産駒の兄姉3頭が活躍できなかったことに対し、弟のダノンジャッカルはディープインパクト産駒。これはデビューから無敗の3連勝で2017年の朝日杯FS(G1)を制した全兄ダノンプレミアムと同じ血統構成だ。

 そこへきて、兄の手綱を取っていた川田騎手×中内田厩舎まで同じなのだから、未勝利戦を楽勝した程度では、陣営の求めている姿とまだまだかけ離れているだろう。

 実際、レースの内容もさらなる上積みが期待できそうな走り。10頭立ての少頭数で行われた芝2200mをインの好位からピタリと追走するセンスの良さも見せた。最後の直線を迎えても、十分な手応えを残して楽に抜け出したのだから、距離延長も問題にしなかった。

 その一方で、当面の目標である兄超えには、高いハードルも用意されていることも確か。

 偉大な兄が、世代を牽引したのが18年クラシック戦線だった。3月の弥生賞(G2)を制し、4連勝で向かうはずだった皐月賞(G1)を前に、右前挫石を発症して回避。ぶっつけで日本ダービー(G1)に挑戦したものの、直線で受けた不利もあって6着に敗れた。

 ただ、デビュー初黒星を喫しはしたが、秋を全休して復帰した金鯱賞(G2)で、まだ本格化前だったとはいえ、後のG1・4勝馬リスグラシューを一蹴。次走のマイラーズC(G2)でも、この年の春秋マイル王となったインディチャンプをあっさり退けた。

 しかし、完全復調をアピールしたダノンプレミアムにとって、大きく歯車を狂わされるアクシデントが発生したのは、重賞連勝の勢いに乗って挑んだ19年の安田記念(G1)だ。

 女傑アーモンドアイとの現役最強を懸けた大一番で、ロジクライがスタート直後に内へと急激に逃避する。これによって致命的な不利を受けたアーモンドアイは3着、ダノンプレミアムに至ってはまさかの最下位に大敗。レース後、武豊騎手も「1歩目は真っすぐ出たが、外に物見をして内に寄ってしまって3、4頭に迷惑をかけてしまった」と謝罪したほど、後味の悪い結果に終わってしまった。

 その後のダノンプレミアムは、天皇賞・秋、マイルCSでともに2着とG1で力は示したが連敗続き。結局、8連敗目となった昨年の安田記念(6番人気7着)を最後に現役引退し、種牡馬として第2の生活をスタートした。連戦連勝で無敗街道を歩み、クラシック大本命といわれた大器としては、あまりにも淋しい晩年の成績だった。

 それだけに、弟ダノンジャッカルに懸かる期待は大きい。兄の無念を晴らしたい陣営としても、1勝ではまだまだ満足できないはず。3戦目となる次走でどのような姿を見せてくれるだろうか。再度の圧勝劇に期待したい。

(文=高城陽)

<著者プロフィール>
 大手新聞社勤務を経て、競馬雑誌に寄稿するなどフリーで活動。縁あって編集部所属のライターに。週末だけを楽しみに生きている競馬優先主義。好きな馬は1992年の二冠馬ミホノブルボン。馬券は単複派で人気薄の逃げ馬から穴馬券を狙うのが好き。脚を余して負けるよりは直線で「そのまま!」と叫びたい。

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