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JRA日経新春杯(G2)川田将雅が残した、大本命ステラヴェローチェに勝ったことよりも嬉しい「至極の一言」とは

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ヨーホーレイク

 16日、中京競馬場で行われた日経新春杯(G2)は、3番人気のヨーホーレイク(牡4歳、栗東・友道康夫厩舎)が勝利。昨年の日本ダービー(G1)から半年以上の休み明けとなったが、見事同世代の大本命ステラヴェローチェを打ち負かした。

「無事に、この馬らしい走りができて良かったです」

 レース後、川田将雅騎手がそう語った通り、昨秋は目の外傷によって全休。「(昨年の)ダービー以来でどれだけ動けるかと思っていた」が、「返し馬の雰囲気がとても良かったですし、いい状態で臨めました」と仕上がりに不安はなかったようだ。

 最後の直線では昨春のクラシック2冠で先着を許し、本馬が休養中に菊花賞(G1)や有馬記念(G1)で4着するなど、スターダムへのし上がった同世代ステラヴェローチェとの一騎打ち。「しっかり勝ちきってくれ――」鞍上の檄に応える形で、最後は単勝1.8倍の大本命を競り落とした。

 一族が「壁」を、ついに打ち破った。

 ヨーホーレイクの母クロウキャニオンといえば、2007年のキラウエアを皮切りに、昨春まで15年連続で出産に成功。それもデビューした産駒13頭すべてがJRAで勝利を挙げている、知る人ぞ知る名繁殖牝馬である。

 またクロウキャニオンの仔は仕上がりが早いことでも有名で、新馬戦の通算成績は「8-3-1-1」という無類の強さを誇る。

 それだけでなく、カミノタサハラの弥生賞(G2)やボレアスのレパードS(G3)を筆頭に、マウントシャスタの毎日杯(G3)2着、ベルキャニオンの共同通信杯(G3)2着、ストーンリッジのきさらぎ賞(G3)2着、ラベンダーヴァレイのチューリップ賞(当時G3)の3着など、重賞でもしっかりと結果を出す優良な産駒が目立っていることも大きな特徴だ。

 そんな名牝クロウキャニオンが、例えばサートゥルナーリアやエピファネイアの母シーザリオのような「超一流の繁殖牝馬」らと肩を並べられずにいるのは、産駒にG1ホースがいないことに加えて、もう1つ大きな課題があったからだ。

 それが「成長力」だ。

 上記した産駒たちの重賞実績は、すべて3歳時に挙げたもの。特に3歳春に良績が集中しており、仕上がりの早さに加えて、成長力が問われてくるクラシックのシーズンになると、その厚い壁に跳ね返され続けてきた。

 実際にホープフルS(G1)3着、きさらぎ賞で2着の実績があるヨーホーレイクもまた、昨年はクラシックで壁に泣いた典型的なクロウキャニオンの仔だった。

 逆に言えば、これまで兄や姉たちが古馬重賞の壁にことごとく跳ね返されてきたからこそ、今回の復帰戦でクロウキャニオン産駒の成長力を改めて不安視する声は決して小さくなかったのだ。

「“クロウキャニオンファミリー”悲願のG1勝利というわけではないですが、今回の日経新春杯の勝利も、一族にとって極めて大きな勝利だと思いますね。

仔出しの良い名繁殖として知られるクロウキャニオンですが、2番仔のボレアスから12番仔のヨーホーレイクまで、すべてディープインパクトが付けられたことでも有名です。結果的に産駒が極めて似たような傾向を持つようになりましたが、だからこそヨーホーレイクが古馬重賞の“壁”を破った意味は一際大きいと思います」(競馬記者)

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川田将雅騎手

「馬体が成長してダービーの頃と比べて、遥かにいいバランスで走れるようになっています」

 川田騎手のこの言葉はクロウキャニオン一族の関係者にとって、この上ない誉に違いないだろう。

「多くの有名馬が引退した中で、新しい世代で頑張っていきたいと思います」

 群雄割拠の幕開けと言われる2022年の競馬界で、2キロのハンデがあったとはいえ、強豪ステラヴェローチェを負かした意味は極めて大きい。一族悲願のG1制覇へ、王手をかけたといえる勝利だった。

(文=銀シャリ松岡)

<著者プロフィール>
 天下一品と唐揚げ好きのこってりアラフォー世代。ジェニュインの皐月賞を見てから競馬にのめり込むという、ごく少数からの共感しか得られない地味な経歴を持つ。福山雅治と誕生日が同じというネタで、合コンで滑ったこと多数。良い物は良い、ダメなものはダメと切り込むGJに共感。好きな騎手は当然、松岡正海。

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