JRA【京都牝馬S(G3)展望】福永祐一と「再コンビ」ギルデッドミラーついに本格化か、同世代ロータスランド&スカイグルーヴも虎視眈々!
19日、阪神競馬場では京都牝馬S(G3)が行われる。長らく京都の芝1600mで施行されていたが、2016年から1400mに条件を変更。現在は京都競馬場が改修中のため、阪神1400mでの開催となっている。
19年のデアレガーロから3年連続で5歳馬が優勝しているこのレース。今年の主役候補にはやはり5歳馬の3頭を挙げたい。
1頭目は3歳時にNHKマイルC(G1)で3着の実績を持つオルフェーヴル産駒ギルデッドミラー(牝5歳、栗東・松永幹夫厩舎)だ。その後は勝利こそないが、昨年の当レースでイベリスの2着、さらに13番人気まで評価を落としていた前走のターコイズS(G3)では、中団から鋭く伸びて3着に食い込んだ。
鞍上は1年ぶりに再コンビを組む福永祐一騎手が務める。NHKマイルC後に「来年(21年)のヴィクトリアマイル(G1)が楽しみです」とコメントを残していたが、昨年は出走が叶わなかった。今年改めて春のマイル女王を目指すためにも、負けられない一戦となりそうだ。
2頭目は昨年8月の関屋記念(G3)でカラテやソングラインなどの強豪馬を撃破したロータスランド(牝5歳、栗東・辻野泰之厩舎)。飛躍を誓った秋の富士S(G2)では、積極的にハナを切って10着、続くマイルCS(G1)は中団で脚を溜める競馬を試みたが、12着に終わった。
3歳以降は1600~1800mを使われてきたが、今回はデビュー2戦目のもみじS(OP)以来となる7ハロン戦。昨年6月の米子S(L)で勝利に導いた岩田望来騎手を鞍上に迎え、巻き返しを期す。
3頭目は、3代母がエアグルーヴ、祖母がアドマイヤグルーヴという超良血馬スカイグルーヴ(牝5歳、美浦・木村哲也厩舎)だ。デビュー2戦目の京成杯(G3)では、牡馬を押しのけて1番人気に支持されたほど期待を背負っていた素質馬である。
そのレースで惜しい2着に敗れると、その後は低迷していたが、ようやく前走の白秋Sで3勝クラスを突破。1年5か月ぶりとなる重賞レースは初の関西圏への遠征となるが、2連勝で重賞ウイナーに輝くことはできるか。鞍上は引き続きC.ルメール騎手が務めるだけに、期待できそう。
5歳馬3頭に続くのは6歳の良血馬2頭。
ドナウデルタ(牝6歳、栗東・高野友和厩舎)は、母が10年前の当レースを制したドナウブルーで、ジェンティルドンナの姪にあたる。
2年前は3番人気で13着に大敗したが、京都から阪神への舞台替わりがプラスに働く可能性が高そうだ。
ドナウデルタの2場での通算成績は京都が「2-0-1-4」(複勝率42.9%)に対し、阪神では「2-1-1-1」(同80.0%)。勝ち鞍数は同じだが、安定感は雲泥の差。阪神で唯一の馬券圏外もチューリップ賞(G2)4着なら、阪神替わりは間違いなく大歓迎といえるだろう。課題のスタートを決めれば、悲願の重賞制覇が見えてくる。
もう1頭はタンタラス(牝6歳、栗東・池添学厩舎)だ。母はG1通算6勝の女傑ブエナビスタ。デビュー前から注目を浴びてきたが、昨年末にようやくオープン入りを果たした遅咲きである。キャリア21戦目にして今回が初の重賞挑戦。鞍上に2年2か月ぶりの再コンビとなる川田将雅騎手を迎えて一発を狙う。
この他には、今回と同じく阪神芝1400m条件だった3歳春のフィリーズレビュー(G2)を勝利しているプールヴィル(牝6歳、栗東・庄野靖志厩舎)、阪神コース3戦2勝で、武豊騎手との新コンビで臨むクリスティ(牝5歳、栗東・杉山晴紀厩舎)、昨夏のアイビスSD(G3)で並み居る快速馬を撃破したオールアットワンス(牝4歳、美浦・中舘英二厩舎)などがスタンバイしている。
福永騎手と再コンビのギルデッドミラーが復活勝利を飾るのか、それともロータスランドが重賞2勝目を挙げるのか。その他も能力拮抗のメンバーが揃っただけに激戦となりそう。
注目の京都牝馬Sは19日15時35分に発走予定だ。
PICK UP
Ranking
17:30更新- ルメール軍団「誤算続き」で迷走中?使い分けの弊害に一部ファンから疑問の声
- クロワデュノール「世代最強説」に現実味も…ダービー馬候補が未勝利戦より遅い時計の怪
- 武豊×ドウデュース完全包囲網で波乱含み!?豪華メンバーのジャパンCにチェルヴィニア、ブローザホーン、オーギュストロダンら最強メンバー集結。レジェンド元JRA騎手の見解は?
- 「別競技」の高速馬場で欧州最強マイラーの意地見せたチャリン!ジャパンC参戦オーギュストロダン、ゴリアットに朗報?
- C.ルメール「アンラッキー」な過怠金に謝罪…マイルCSでも「牝馬のC.デムーロ」の手綱冴えるか?
- エアスピネル降板に武豊騎手は「何」を思う……8年前、すべてを手にしてきた天才騎手が”最大級”の屈辱を味わった「ウオッカ事件」とは
- 【京都2歳S(G3)展望】藤田晋オーナーの大物エリキングが登場! ジョバンニ、サラコスティがリベンジに燃える
- 【ジャパンC(G1)展望】「ディープ」オーギュストロダンVS「ハーツ」ドウデュース、2005年有馬記念から19年越しの最終決戦!
- 春のG1戦線に水を差す「醜聞」続く…現役騎手の父に詐欺容疑、G1馬オーナーが逮捕
- 「3大始祖」消滅の危機……日本で「2頭」世界で「0.4%」の血を残すべく立ち上がったカタール王族の「行動」に称賛
関連記事
JRA「いいスピードがある」福永祐一も高評価! 武豊が絶賛した大器を近親に持つ好素材が、馬名の「イメージ」を覆す力強い走りで快勝
JRA「十分に圏内でしょ」桜花賞(G1)“縁なし”戸崎圭太に勝機到来!? 元JRA安藤勝己氏が絶賛の逸材がクイーンC(G3)制覇で桜の舞台に殴り込み
JRA戸崎圭太でも御せなかった馬がC.ルメールに替わって「一変」!? 重賞未勝利の“不調説”払拭する「神騎乗」でファンから絶賛の嵐
JRA京都記念(G2)レッドジェネシス「順調」報道を一刀両断!? 「あまり高い評価はできない」3歳新馬と“互角”に留まった実力馬のジャッジに温度差
JRA 武豊「いい走りができました」期待の2億円ホースが待望の初勝利! 川田将雅も感服する「一変」の走りで同馬主ドウデュースに追い風吹くか