JRA5億円VS無敗三冠の「超豪華」対決も興醒め!? 明暗分かれた決戦のあまりにも「淋し過ぎる」舞台裏

13日、阪神競馬場で行われた6Rの3歳・未勝利(芝2000m)は、池添謙一騎手の1番人気ショウナンアデイブ(牡3、栗東・高野友和厩舎)が優勝。鳴り物入りのデビューからここまで4戦連続2着と、もどかしい結果が続いた期待馬が、5戦目にして待望の白星を挙げた。
前走で初コンビを組んだ池添騎手も、2度目の騎乗でしっかりと結果を残した。『サンケイスポーツ』の取材に「4コーナーで仕掛けてからの反応もよかったですし、馬もしっかりしてきました」とコメント。「まだまだ頑張ってくれないといけない馬ですからね。これからの馬ですよ」と振り返った。
「まだまだ頑張ってくれないといけない」と主戦が評した背景には、ショウナンアデイブに対する関係者の大きな期待があるからだろう。何しろ、同馬は2020年のセレクトセールで国内の1歳セリ史上最高額の5億6100万円(税込)で取引された超大物候補でもあるからだ。
レースは10頭立ての少頭数。逃げたヘクトパスカルがマイペースに持ち込んだ1000m通過のラップは62秒4の超スローと先行馬に有利な流れ。道中は6番手で脚を溜めると、3~4コーナーにかけて4番手まで進出し、上がり3ハロン最速の34秒1の末脚を繰り出して勝利した。
逃げたヘクトパスカルが2着に残る展開で、1馬身3/4と明確な着差をつけたことは、成長の見える好内容といっていい。良馬場で2分0秒9の勝ち時計も、前半のスローを考えると悪くないだろう。前評判が高かった期待馬だけに、“元を取る”には、陣営としてもまだまだ活躍してもらわないと困る馬だ。
また、この未勝利戦には、窮地を脱した5億円馬以外にも、深刻な状況に置かれていた超良血馬も出走していた。
それは、勝ち馬から遅れること0秒5差の5着で入線したサンセットクラウド(牡3、栗東・矢作芳人厩舎)のことである。
同馬の血統は父ディープインパクト×ロードクロサイト。一昨年のクラシック三冠を無敗で制したコントレイルの全弟ということで、偉大な兄に続けと大きな注目を集めていたものの、無敗どころかまったくいいところなしの4連敗。コンスタントに掲示板までは載るが、内容的には完敗ばかりで惜敗だったとは言い難い。
上にダートで活躍している馬がいることもあり、陣営は前走でダートに転戦を試みたが、1番人気を裏切る完敗。芝へと出戻りしたとはいえ、またしても連敗が続いてしまった。父母が同じでも能力も同等というのは、レアケースなだけに今後も厳しい戦いを強いられそうだ。
未勝利戦というあまりにも淋しい舞台で実現したセリ史上最高額の5億円馬VS無敗三冠の全弟という超豪華な対決で分かれた明暗。このままサンセットクラウドの連敗が続くようなら、最後の未勝利戦に出てくる未来もあるかもしれない。
(文=黒井零)
<著者プロフィール>
1993年有馬記念トウカイテイオー奇跡の復活に感動し、競馬にハマってはや30年近く。主な活動はSNSでのデータ分析と競馬に関する情報の発信。専門はWIN5で2011年の初回から皆勤で攻略に挑んでいる。得意としているのは独自の予想理論で穴馬を狙い撃つスタイル。危険な人気馬探しに余念がない著者が目指すのはWIN5長者。
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