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JRAフェブラリーS(G1)野望打ち砕かれた武豊とも浅からぬ仲、かつての天敵「空気の読めないイタリア人」と急転和解で挑む今度こその大一番

JRAフェブラリーS(G1)野望打ち砕かれた武豊とも浅からぬ仲、かつての天敵「空気の読めないイタリア人」と急転和解で挑む今度こその大一番の画像1
武豊騎手 撮影:Ruriko.I

 昨年の朝日杯FS(G1)をドウデュースで制した武豊騎手だが、同レースはこれまでなかなか勝つことが出来ず、JRA・G1完全制覇の大きな障害として立ちはだかってきた。中でも最も痛恨だったのが、エアスピネルとのコンビで敗れた2015年だろう。

「空気の読めないイタリア人がいたもんで…」

 同年末、ボートレース住之江のトークライブに出演した武豊騎手が、2日前に行われた朝日杯FSで不覚を取った相手のM.デムーロ騎手をイジった一幕で、場内を笑いに誘った話はあまりにも有名だ。

 当時、武騎手が騎乗したエアスピネル(牡9、栗東・笹田和秀厩舎)は、新馬戦、デイリー杯2歳S(G2)と連勝。いずれも圧勝といえる内容が高く評価され、当日は圧倒的1番人気に支持されていた。

 最後の直線半ばで完全に抜け出していたエアスピネルが、勝利を決定づけたかに思われたその時、最後方から大外一気の末脚で追い込んできたデムーロ騎手のリオンディーズに交わされ、あと一歩のところで人馬とも初制覇を逃した。

 それから2年、エアスピネルに再びG1初制覇のチャンスが訪れたのは、17年のマイルCS(G1)だった。過去最高のデキで臨んだ一戦で、朝日杯FSと同じ11番枠からのスタート後、中団で脚を溜め最後の直線を迎えると、鞍上のR.ムーア騎手のGOサインに応え、鋭い伸び脚を発揮した。

 残り200m付近で完全に抜け出し、今度こそ待望のG1初勝利かと思いきや、またしても悲劇は起きる。馬群を縫うように伸びてきたデムーロ騎手のペルシアンナイトにゴール直前でわずかに差され、その差「20センチ」という痛恨のハナ差負けを喫した。

「馬はとてもいい状態で、いいレースをしてくれました。ただ反応が良すぎて、早めに前に出てしまう形になりました。とても能力が高く、G1を勝てる力のある馬です」

 騎乗していたムーア騎手も前向きなコメントを残していたが、陣営としては余りにも痛すぎる敗戦だったに違いない。ましてや勝ったのは以前にもG1勝利を阻んだデムーロ騎手で、エアスピネル陣営にとってはまさに「天敵」と呼べる存在となった。

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M.デムーロ騎手

 あれからさらに4年の月日が流れ、今年9歳を迎えたエアスピネルが、今週末の20日に行われるフェブラリーS(G1)に出走を予定している。しかも鞍上は、かつて「天敵」だったデムーロ騎手だというのだから驚きだ。

「デムーロ騎手は、本来であれば前走の東海S(G2)で3着したブルベアイリーデで臨むはずでしたが、同馬が除外対象となっていることもあり、確実に出走できるエアスピネルを優先的に選んできました。

過去2度に渡り、G1制覇を阻止した張本人であるデムーロ騎手が、そのエアスピネルとのコンビでG1を勝ったらと考えるとドラマの最終回みたいですよね。不思議な運命というか何というか……」(競馬誌ライター)

 意外な「相棒」を迎えた9歳馬だが、調整に余念はない。

 直前の追い切りでは、栗東坂路で4ハロン53秒8-12秒4をマークし、併せたメイショウアサヒ(2勝クラス)にクビ差先着。管理する笹田調教師も『日刊スポーツ』の取材に「昨年(2着)くらい走れる態勢は整っている」と回答したほど、仕上がりに自信を覗かせる。

 昨年2着に入ったフェブラリーSだが、同条件の東京ダート1600mは「0-2-1-0」で、複勝率は100%と安定感があるだけに、高齢でも決して侮れない。

 かつてはエアスピネルの「天敵」だったデムーロ騎手だが、裏を返せば手の内をよく把握している存在ともいえる。今回「相棒」となったからには、この馬の能力をフルに引き出してくれるはずだ。今度こそ悲願のG1制覇を成し遂げる姿に期待したい。

(文=ハイキック熊田)

<著者プロフィール>
ウオッカ全盛期に競馬と出会い、そこからドハマり。10年かけて休日を利用して中央競馬の全ての競馬場を旅打ち達成。馬券は穴馬からの単勝・馬連で勝負。日々データ分析や情報収集を行う「馬券研究」三昧。女性扱いはからっきし下手だが、牝馬限定戦は得意?

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