JRA【フェブラリーS(G1)予想】白毛女王ソダシは今回も出番なし!? 「死角あり」レッドルゼルも消しで、人気薄の馬を狙い撃ち!
今回は、今年最初のG1であるダート王決定戦・フェブラリーS(G1)を予想していく。
まず、いつものように過去10年馬券に絡んだ30頭の前走データを見ていく。
根岸S 9頭
チャンピオンズC(ジャパンCダート含む) 7頭
東海S 5頭
東京大賞典 4頭
川崎記念 3頭
武蔵野S、フェアウェルS(OP) 各1頭
となっている。2020年から同時期にサウジC(G1)が創設されたことで、その影響が危惧されているが、前走重賞以外からの臨戦はわずか1頭。交流重賞も含めG1からの転戦馬が約半数と、G1の体裁は保てている印象だ。
続いて人気順の成績を見てみよう。
1番人気 4-2-2-2
2番人気 2-2-1-5
3番人気 1-0-2-7
4~6番人気 1-3-1-25
7~9番人気 1-2-4-23
10番人気以下 1-1-0-66
となっている。1番人気がそれなりに信頼できる成績を残していると言える。2番人気まではギリギリアテにできそうだが、それ以下は正直なところどんぐりの背比べ。近5年に絞っても1番人気はすべて馬券に絡んでいる上、3年連続で勝っており信用できそうだ。
あと、これはおまけのデータだが、過去10年でC.ルメール騎手、M.デムーロ騎手、武豊騎手が2勝ずつ挙げていることにも注目したい。ルメール騎手は加えて2着2回もあり、ここ3年連続で連対していることも頭に置いておきたい。
これを踏まえて「◎」は6番カフェファラオとする。
前走はチャンピオンズC(G1)。後方から徐々に中団へ進出する競馬をしたものの、直線であえなく失速して見せ場なしの11着に敗れた。
中心視されているのだが、近3走の走りがあまりに不甲斐ない上に2走前は芝の函館記念(G3)に出走して9着と大敗している。この馬は右回りでも左回りでも負けるときは大敗しているので、コースの得手不得手がわかりにくい。ひとつ言えるのは東京のマイル戦だけは3戦3勝と得意にしていることだ。
負け続きで買いにくいところはあるが、陣営も好勝負期待と鼻息の荒いコメントを出しており、負けナシの東京マイルであれば連覇もあり得るということで本命とした。
続く「○」は人気の盲点になっていそうな10番スワーヴアラミスを推す。
前走は東海S(G2)。先行勢が軒並み後退していくなか、粘るオーヴェルニュをゴール前捉えて半馬身差を付けて勝利した。
この東海Sもそうだが、成績の割にあまり人気にならない馬である。2走前のチャンピオンズCと3走前のみやこS(G3)では大敗しているが、その前の白山大賞典(G3)で3着、エルムS(G3)では勝利しているなど、実力は確かなはずだ。
キャリアで最短1700m戦までしか経験したことがなく、マイルは初めてとなるが100mの距離短縮であれば問題はなかろう。また、前日の夜から当日朝にかけて降雨が予想されるだけに馬場状態も良でない可能性もあるが、馬場状態を問わないのも魅力。
陣営はこの距離短縮と馬場状態を不安視しているようだが、ここまでの戦績を見る限りでは問題とは思えない。ただ、後述するが「勝ち」はないとして対抗扱いとした。
「▲」は15番テイエムサウスダンを挙げる。
前走は根岸S(G3)。直線前で粘る馬を捉え、好位からの差しが届いて勝利している。
昨年は7走して4勝2着1回と好成績を残した。交流重賞ばかりではあるがG3を3勝するなど好調ぶりを披露している。
本馬の場合は1400mが適距離と見られ、マイル戦は2戦しているがいずれも敗れている。特に3走前の武蔵野S(G3)は直線で持たず9着に大敗しているなど距離に限界がありそうな気配はある。ただ、陣営は「今の勢いなら距離克服も」と前向きなコメントを出しており、重賞3連勝の可能性は十分あると見た。
「△」だが3番インティ、12番ミューチャリー、13番ソリストサンダーの3頭を挙げる。
インティは3年前のこのレースの覇者。それ以降、今ひとつパッとした成績が残っていないのだが、とは言えチャンピオンズCを2年連続で3着、昨年は4着しているほか、交流重賞も含めてG1で2着、3着があるなどそれなりに堅実な走りは見せている。
近2走もG1で4着が2回と人気にならない割に成績は悪くない。この馬も勝ち負けはないだろうが、3着まではあると見て押さえておきたい。
ミューチャリーはメンバー中唯一の地方馬。前走は東京大賞典(G1)で直線よく粘ったが力尽き4着となっている。
一昨年は1勝を挙げたのみでスランプそのものという成績だったが、昨年はJBCクラシック(G1)を勝って念願のG1タイトルも手にしている。
フェブラリーSは今回で3年連続の出走となり、11着、7着と過去は散々であったが、好調な今ならあるいは99年のメイセイオペラ以来23年ぶりの地方馬制覇もあり得る。
ソリストサンダーは前走・根岸Sで9着と大敗。だが、2走前の武蔵野Sを勝ち、3走前の南部杯(G1)や5走前のかしわ記念(G1)で馬券内に好走するなど、マイル戦では確かな強さを発揮している。
前走や4走前のエルムSは距離が合っていなかったと見るべきだろう。マイル戦だけなら6走して1勝2着3回3着1回とほぼパーフェクトな成績。唯一馬券圏内に来なかったのが昨年のこのレースなのは引っかかるが、東京ダートは連続3走目ということで改めて押さえておきたい。
人気どころだと5番レッドルゼルと11番ソダシは切り。
レッドルゼルは前走ローテーションに好走歴がない。加えてマイル戦は昨年のこのレースが初めてで、基本的には1200~1400mで良さが活きる馬。例年に比べてメンバーが手薄な感はあるが、距離延長は決して歓迎する内容ではなかろう。
ソダシはローテーション的に問題はないが、牝馬であることがネックとなる。
先述してきた馬齢のことも含めて、詳しくは本サイトのこの記事を参照していただきたいが、牝馬の制覇は最後のG2戦となった96年にホクトベガが勝って以来一度もない。
ホクトベガもエリザベス女王杯(G1)を勝つなど、元々は芝で実力を発揮していた馬だった。だが、芝で伸び悩みダートに転向したところ96年の川崎記念以降、ドバイで予後不良になるまでダートは負けなしの9勝を飾るなど「砂の女王」と異名を取った無双ぶりだった。
ソダシの場合ダート転向はいいとしても、ホクトベガと違って大敗でスタートを切っている。チャンピオンズCの時も触れたが、彼女は白毛一族の中で突然変異的に生まれた芝馬と見ている。陣営は前走だけでダート適性を見限れないとここに出走をしてきたようだが、おそらく不発に終わるだろう。
また、上で紹介した記事でも触れられているが、7歳以上の高齢馬も2着まではあるが、勝ち星となると88年のローマンプリンス以来一度もない。押さえならアリだが勝ち負けはないだろうというのがデータからの見解だ。
ということで、今回は3番、6番、10番、12番、13番、15番の6頭で3連複BOX20点勝負とする。
高齢を嫌われているインティや距離不安のあるスワーヴアラミス、地方馬ということで人気のないミューチャリーあたりが激走すると高配当を期待できそうだ。
(文=トーラス神田)
<著者プロフィール>
オグリ引退の有馬記念をリアルタイムで見ている30年来の競馬好き。ウマ娘キャラがドンピシャの世代。競馬にロマンを求め、良血馬にとことん目がない。おかげで過去散々な目に遭っている。そのくせ馬券は完全データ派。座右の銘は「トリガミでも勝ちは勝ち」。
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