JRA大物バーデンヴァイラーの「不安要素」はまさかの福永祐一!? サウジC(G1)健闘マルシュロレーヌ弟、3連勝を狙う新怪物候補が「過信禁物」の理由
現地時間2月26日、サウジアラビアで行われたサウジC(G1)は、地元のエンブレムロードが優勝。1着賞金約11億円を懸けて14頭によって争われた一戦は、今年も大変な盛り上がりを見せた。
昨年のブリーダーズCディスタフ(米G1)の勝ち馬で、日本から挑戦したマルシュロレーヌは健闘を見せるも6着。同馬はこれがラストランとなり、今後は繁殖牝馬となる予定だ。母が果たせなかった夢を、ぜひ生まれてくる産駒たちに期待したい。
そんなマルシュロレーヌの2歳下の弟であるバーデンヴァイラー(牡4歳、栗東・斉藤崇史厩舎)が、今週6日に中山競馬場で開催される総武S(OP)に出走を予定している。
「遅れてきた大物」が9馬身圧勝! 福永祐一「かなりの将来性」
姉はキャリア13戦目にして初ダートを使われたが、本馬は2戦目で早くも砂に主戦場を移すと、1800mの未勝利戦を6馬身差の大楽勝。その後、故障が判明して休養を余儀なくされたものの、8ヶ月半ぶりの実戦となった昨年7月の1勝クラスでは、久々をものともせずに9馬身差の圧勝劇を演じた。
その後の2戦は惜しくも敗れたが、C.デムーロ騎手との新コンビで臨んだ2勝クラスと摩耶S(3勝クラス)で連勝を飾り、見事にオープン入りを決めた。なお、同騎手はバーデンヴァイラーについて「重賞でもやれるだけの力がある」と語り、その能力の高さを絶賛している。
今回はオープン初戦になるが、ここまで7戦4勝と底を見せていないこともあってか、当日も断トツの1番人気になることが予想されている。3連勝で新たなダートの大物誕生となるかどうか、注目が集まりそうだ。
だが一方で、今回4走ぶりにコンビを組む予定の福永祐一騎手が、バーデンヴァイラーにとって思わぬ不安要素となるかもしれない。
■1番人気の勝率激減…福永騎手の完調はまだ?
昨年12月の香港スプリント(G1)で落馬に巻き込まれ、左鎖骨を骨折した同騎手。先月5日の中京開催でカムバックすると、その日のメインレースだったアルデバランS(OP)で復帰後初勝利。翌週土曜には1日5勝の固め打ちで、その健在ぶりをアピールした。
しかし、固め打ちした翌日の日曜は7鞍に騎乗するも、全て馬券圏外に敗戦。その翌週はカフェファラオと共にフェブラリーS(G1)を制覇したが、勝ち鞍はその1つのみだった。土日合わせて16鞍に騎乗した先週の阪神開催も、ポッドボレットで挙げたすみれS(L)のわずか1勝のみに終わっている。
「『復帰初日にメインレースを勝利』『今年初のG1レースを優勝』と聞くと、いかもに好調のようにも思えますが、実際には本調子に一歩手前という感じではないでしょうか。
実際に、今年はここまで1番人気に10回騎乗してわずか2勝、勝率20%に留まっています。昨年が33.8%、一昨年は41.8%だったことを考えると、今年はまだサンプル数が少ないとはいえ、かなり低い数字です。1番人気が濃厚のバーデンヴァイラーも、過信は禁物かもしれませんね」(競馬誌ライター)
今年の福永騎手は単勝1倍台の馬にも5回騎乗しているが、わずか1勝のみ。先週の松籟S(3勝クラス)では1.7倍のディヴァインラヴでまさかの5着同着に沈み、競馬ファンの頭を抱えさせたことは記憶に新しい。同じく単勝1倍台が予想されるバーデンヴァイラーにとっては、何とも嫌なデータだ。
当日のメインレース・弥生賞ディープインパクト記念(G2)には騎乗馬がいないため、半ばバーデンヴァイラーのための中山参戦と思われる福永騎手。果たして結果を出して、完全復調をアピールすることはできるだろうか。
(文=冨樫某)
<著者プロフィール>
キョウエイマーチが勝った桜花賞から競馬を見始める。まわりが学生生活をエンジョイする中、中央競馬ワイド中継と共に青春を過ごす。尊敬する競馬評論家はもちろん柏木集保氏。以前はネット中毒だったが、一回りして今はガラケーを愛用中。馬券は中穴の単勝がメイン、たまにWIN5にも手を出す。
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