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JRA年間ホープ賞騎手が「65戦1勝」の体たらく……重賞初勝利を挙げたばかりの若手ジョッキーに致命的弱点

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撮影:Ruriko.I

 今月5日に行われたオーシャンS(G3)で、デビュー7年目にして重賞初勝利と会心の勝利を挙げた荻野極騎手。

 同騎手は2016年にデビューすると翌年には、期待の若手騎手に贈られる中央競馬騎手年間ホープ賞を受賞するなど将来を嘱望されていた。しかし、その後は横山武史騎手や岩田望来騎手など若手の台頭もあり、年々勝ち鞍を減らしていき、結局デビュー2年目の47勝が最高成績となってしまっている。

 しかし、今年は重賞初勝利に加えて、3月上旬の時点ですでに7勝を挙げ、早くも昨年の16勝の半分に迫る勢いで勝ち星を積み重ねている。このままのペースで行くとキャリアハイとなった47勝超えも期待され、にわかに再ブレイクの予感が漂っている。

 ただ、同騎手の勝ち鞍に関して、一つ気になるデータがある。

 昨年1月から今年3月6日までの全23勝の内、牡馬での勝利が18勝と大半を占めている。さらに斤量55.5kg以上では(勝率12.5%、連対率16.9%、複勝率26.4%)となっている。これに対して55kg以下では(勝率3.4%、連対率8%、複勝率10.9%)と両条件間には激しい落差がある。

 さらに、この傾向は芝・ダートの比較でより顕著に表れる。斤量55.5kg以上での勝率は(芝11.1%/63回、ダート13.7%/73回)とほぼ同水準ながらも、これが斤量55kg以下になると(芝4.6%/109回、ダート1.5%/65回)と、ダートは65回の騎乗機会で僅か1勝と壊滅的な数字となっているのだ。

 つまり荻野極騎手は軽斤量での騎乗時に、明らかにパフォーマンスが低下している傾向にある。先述した牡馬で勝率が高い点に関しても、牡馬>牝馬という斤量の違いが関係している可能性が高い。

 高身長の騎手や、体重が落ちにくい騎手の場合は、軽斤量で騎乗する際には、減量によるコンディションの低下を招く場合がある。荻野極騎手はJRA公式では身長161cm、体重50kgと騎手の中では標準的ではあるものの、体質などにより減量に苦労している一面があるのかもしれない。今後さらに勝ち星を伸ばしていくためには、より幅広い条件で活躍していく事が求められるだろう。

 一方で、馬券を買うファンとしては、馬券を検討する上でこれだけはっきりとしたデータがある事は、ある意味狙いやすい。荻野極騎手の今後の活躍を願いながらも、これらの傾向を加味して、しっかりと当たり馬券をゲットしていきたいものだ。

(文=椎名佳祐)

<著者プロフィール>
 ディープインパクトの菊花賞を現地観戦し競馬にのめり込む。馬券はアドマイヤジャパン単勝勝負で直線は卒倒した。平日は地方、週末は中央競馬と競馬漬けの日々を送る。

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