
JRA結果を出したのにまさかの「強奪」、重賞初勝利目前の若手騎手が「無念」の乗り替わり!
22日、小倉競馬場では、サマースプリントシリーズ第4戦・北九州記念(G3)が行われる。秋のスプリンターズS(G1)の前哨戦となるスプリント重賞に、現在20頭が登録している。
その中で、有力馬として注目されている1頭が、ジャンダルム(牡6歳、栗東・池江泰寿厩舎)だ。
デビュー2戦目でデイリー杯2歳S(G2)を勝利し重賞ウィナーの仲間入りを果たすと、続く3戦目のホープフルS(G1)で2着に好走。クラシック候補の1頭として期待されたが、皐月賞(G1)を9着に敗れてから低迷。その後は、マイル中心に使われるも、これといった結果が出ず、G1レースから遠ざかっていた。
しかし、昨年1月に芝1400mの信越S(L)を勝利してからに徐々に成績が向上。重賞の阪急杯(G3)でも3着に入り、更に距離を縮めて1200m戦となった前走の春雷S(L)はトップハンデで快勝した。
そして、同時期にジャンダルムの主戦となったのが荻野極騎手だ。デビュー6年目の若手騎手だが、2年目には47勝を上げ「中央競馬年間ホープ賞」を受賞するなど「関西期待の若手有望株」と評価されていた。
しかし、3年目以降は徐々に勝ち星を減らし、今年はここまでわずか7勝と伸び悩んでいる現状。今年はコロナ禍という状況の中、騎手仲間や一般女性との“合コン”に参加する「素行不良」であることも発覚してしまった。
そういった経緯もあり、荻野極騎手としてもジャンダルムで北九州記念を制し、名誉挽回といきたいところだっただろう。
だが、残念ながら陣営はジャンダルムと福永祐一騎手の新コンビを発表。荻野極騎手は「非情通告」ともいえる乗り替わりとなった。
ジャンダルムは三冠馬コントレイルで知られるノースヒルズ代表・前田幸治氏の所有馬。福永騎手はコントレイル以外にもジャンダルムの母ビリーヴのデビュー戦にも騎乗して、勝利を挙げた縁もある。
また、管理する池江師は前走後に、「秋はスプリンターズS(G1)を目標に逆算して使っていきたい」と、早くから意気込んでいただけに、重賞未勝利の荻野極騎手より、経験豊富な福永騎手を起用した可能性が高い。
結果を出しているにもかかわらず、パートナーを奪われる格好となった荻野極騎手は無念に違いないが、北九州記念ではコンパウンダーに騎乗予定。ジャンダルムとのコンビ復活をアピールするためにも、存在感を見せたいところだ。
(文=寺沢アリマ)
<著者プロフィール>
大手スポーツ新聞社勤務を経て、編集部所属のライターへ。サラ系・ばん馬のどちらも嗜む二刀流で「競馬界の大谷翔平」を目指すも収支はマイナス。好きな競走馬はホクショウマサル。目指すは馬券的中31連勝だが、自己ベストは6連勝と道は険しい…。
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