
JRA 「G1を勝てる」福永祐一、浜中俊も太鼓判!シルクロードS(G3)不振の三冠トレーナーが復活を託したのは菜七子世代の出世頭
30日、中京競馬場では今年最初のスプリント重賞・シルクロードS(G3)が行われる。春のスプリント王決定戦である高松宮記念(G1)を視野に入れる23頭がエントリーした。
ハンデ戦ということもあり、頭数の多さに比例して斤量も様々。最軽量の51キロに始まりトップハンデは57.5キロと、6.5キロもの差がついた。重賞ながらこれほどの差があるため、難解な一戦といえる。
そんなハンデ重賞で実績上位の存在として注目されている1頭が、かつてクラシック候補の1頭とも呼ばれた古豪ジャンダルム(牡7歳、栗東・池江泰寿厩舎)だ。
2歳時は重賞1勝、G1で2着の活躍を見せたが、その後低迷。しかし、近年は短距離中心に使われたことで、デビュー当初の輝きを取り戻しつつある。年齢を重ねたことで、名スプリンターだった母ビリーヴの血が強く出て来たのかもしれない。
そして、今年明け7歳となる始動戦の鞍上に抜擢されたのが、デビュー7年目の荻野極騎手だ。
本馬と同騎手がコンビを組むのは、実は4走ぶりで通算5回目である。初コンビとなった20年信越S(L)でいきなり勝ち星を得ると、その後も3戦連続で1勝3着1回と結果を出し、相性の良さをアピール。誰もが主戦の座を掴んだと思ったはずだろう。
ところが、陣営は3走前の北九州記念(G3)で荻野極騎手から福永祐一騎手へのスイッチを決断。また、2走前は福永騎手が別の馬に乗るため鞍上が空いたにもかかわらず、当時はテン乗りだった浜中俊騎手が乗ることとなった。結果を出していた荻野極騎手だったが、乗り替わりの憂き目に遭ってしまったのだ。
だが、実績十分な福永騎手や浜中騎手でも結果が出なかった影響か。巡り巡って再び荻野極騎手に騎乗が舞い込んだ。
「うーん……陣営からすれば昔から懇意にしている騎手に頼んで、スプリンターズS(G1)や重賞を勝利する確率を高めたかったと思います。ただ、乗り替わりが逆に仇となってしまいました。
福永騎手が乗った3走前と浜中騎手が初めて乗った2走前は、いずれも騎手が認めているように出遅れが敗因。そして、前走のスプリンターズSはゲートこそは出たものの、使い詰めのローテーションや厳しいゲート練習のツケが回って、見せ場なく敗れています。
一方、荻野極騎手が騎乗した際は、これといった出遅れが無いんですよね。それほど手が合っていたといえます。
ですから、荻野極騎手にチャンスが再び回ってくるのは当然な気がします。是非とも頑張ってほしいです」(競馬記者)
荻野極騎手としても、戻ってきた愛馬で自身の悲願を達成したいはずだろう。同騎手は、藤田菜七子騎手や坂井瑠星騎手らと同期。2年目には、優秀な成績を残した若手騎手へ贈られる「中央競馬騎手年間ホープ賞」を受賞した有望株だ。一時は同期の中で1番の出世頭とも見られていた。
しかし、翌3年目から成績は伸び悩み、昨年はルーキーイヤーを下回る16勝と苦境に立たされている。それ以外にも、坂井騎手など同期が重賞を勝利する一方、荻野極騎手は未だに重賞を勝てていない。
「ジャンダルムは福永騎手や浜中騎手が『ゲートさえ出れば、G1を勝てる能力がある』と、口を揃えるほどの優秀な馬です。最近は不調な荻野極騎手ですが、ジャンダルムはまさしく救世主となり得る存在だと思います。
まずはシルクロードSで重賞初勝利を飾ってほしいですね。それが叶えば同期で1番早くJRAのG1を勝つようなこともあるかもしれません」(同)
ジャンダルムを管理する池江厩舎も、昨年重賞未勝利に終わるなど厳しい状況が続いている。ジャンダルムが騎手、厩舎を救う自身2度目の重賞制覇を果たすことに期待したい。
(文=坂井豊吉)
<著者プロフィール>
全ての公営ギャンブルを嗜むも競馬が1番好きな編集部所属ライター。競馬好きが転じて学生時代は郊外の乗馬クラブでアルバイト経験も。しかし、乗馬技術は一向に上がらず、お客さんの方が乗れてることもしばしば……
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