JRA M.デムーロ「考えて考えて眠れなかった」悩みつめた低迷期を経て復活の兆し!? 朗報続々で「G1はデムーロを買っとけ」再流行の予感
昨年のホープフルS(G1)2着のジャスティンパレスが、M.デムーロ騎手とのコンビで皐月賞(G1)へ直行する事が決まった。同騎手は桜花賞(G1)には2歳女王サークルオブライフで参戦する事が決まっている。2015年の二冠馬ドゥラメンテ、2016年の桜花賞馬ジュエラー以来となるクラシック1冠目制覇が期待できるラインナップが揃った。かつてG1で大活躍した陽気なイタリアンが復活の兆しを見せている。
2015年にJRAの通年免許を取得後は、C.ルメール騎手とともに中央競馬を席巻。一時代を築いた。
しかし、2019年を境に成績は下降し、2020年からは2年連続でリーディングトップ10入りも逃していた。重賞が行われていても騎乗馬がなく、ローカルで騎乗する機会も増えていた。
また、以前は有力馬が本番になってM.デムーロ騎手に乗り替わりと言う場面が何度も見られてきた。だが、最近は同騎手から日本人騎手などに乗り替わりとなるパターンも発生するなど、絶頂期では考えられない苦境に立たされていた。
その時の心境について、「『僕、失敗したのかな』って考えて考えて眠れなかった」と『netkeiba.com』で連載中の『Road to No.1 M.デムーロ世界一になる』内のインタビューで答えている。
詳細は本インタビューを読んでいただきたいが、多くのファンが想像する陽気な印象とは裏腹に、乗り替わられる事に対してはかなり落ち込んでいた事を吐露している。また、大活躍していた頃と比べて、周囲の同騎手に対する接し方も変わっていったと語っている。
そんな中、昨年はユーバーレーベンでオークス(G1)を制覇。12月には阪神JF(G1)を勝利すると、その翌週もターコイズS(G3)を勝ち、2週連続重賞制覇を達成。さらに年末にはオメガパフュームで東京大賞典(G1)4連覇を達成するなど久々に存在感を示した。
さらに、13日に行われた金鯱賞(G2)では負傷した松山弘平騎手の代役としてステラリアに騎乗。26日にアラブ首長国連邦ドバイ・メイダン競馬場で開催されるドバイ国際競走では、ステラヴェローチェ、ヴェローチェオロに騎乗予定だ。ヴェローチェオロは4戦ぶりの騎乗となるなど、主戦騎手不在時の代役としての需要も高まってきている。
2011年に共にドバイWC(G1)で騎乗したJRA元騎手の藤田伸二氏は以前、定期的に配信しているYouTubeライブにて、M.デムーロ騎手が低迷している話題が上がった際に、「ミルコは超絶上手いよ!」と同騎手の実力を高く評価。成績が下がっているのは、他の要因があるとの見解を示していた。
となれば、有力馬が集まりはじめ状況が好転しつつある今年、一昔前に「G1はデムーロを買っとけ」とファンの間で言われたように、M.デムーロ騎手の時代が再び訪れる予感がしてならない。
(文=椎名佳祐)
<著者プロフィール>
ディープインパクトの菊花賞を現地観戦し競馬にのめり込む。馬券はアドマイヤジャパン単勝勝負で直線は卒倒した。平日は地方、週末は中央競馬と競馬漬けの日々を送る。
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