【ドバイターフ(G1)展望】シュネルマイスターが昨年覇者と真っ向勝負!「大逃げ」パンサラッサ「昨年2着」ヴァンドギャルドにもチャンスあり!?
現地時間26日、UAEのメイダン競馬場では『ドバイワールドカップデー』が開催される。その第7Rに組まれているドバイターフ(G1、芝1800m)を展望していこう。
ここ数年、芝1800mが舞台のこのレースは日本馬の活躍が際立っている。2014年のジャスタウェイを皮切りに、16年リアルスティール、17年ヴィブロス、19年アーモンドアイの4頭が勝ち名乗りを上げている。今年はドイツ生まれの日本調教馬が勝利に最も近い存在だ。
20日現在、有力ブックメーカーの一つ、『bet365』で、単勝オッズ3.0倍の1番人気に支持されているのがシュネルマイスター(牡4歳、美浦・手塚貴久厩舎)である。
父キングマンは現役時代に通算8戦7勝、2着1回の成績を残し、欧州のマイルG1を4連勝し、欧州年度代表馬にも輝いた名マイラーだった。
種牡馬としても数年前に欧州で一気にブレイク。日本でもエリザベスタワーがチューリップ賞(G2)を制覇するなど、その産駒は続々と輸入されている。
シュネルマイスターも2歳時から父譲りの類まれなるスピードを見せ、昨春のNHKマイルC(G1)を優勝。古馬に挑んだ安田記念(G1)でも大健闘の3着に入った。秋には毎日王冠(G2)でダノンキングリーを下し、マイルCS(G1)ではグランアレグリアと接戦を演じた。
その前走は直線でやや窮屈になる場面がなければ、さらに際どい勝負になっていただろう。今回は1ハロン延びて1800mの一戦となるが、毎日王冠を制しているだけでなく、弥生賞(G2)でもタイトルホルダーの2着に入るなど、一定のスタミナも兼ね備えている。
脚質にも幅があり、先行して良し、控えて良し。展開に左右されないのも大きな強みだ。休み明けで海外初遠征と未知数な部分もあるが、今年のメンバーなら最右翼と考えていいだろう。
シュネルマイスターに次ぐ、単勝オッズ7.0倍の2番人気に推されているのは外国馬の2頭だ。1頭目は昨年の覇者でもあるロードノース(セ6歳、英・J&T.ゴスデン厩舎)である。
父は欧州各地で毎年のようにG1馬を輩出しているドバウィ。これまでフランスとイタリアで種牡馬リーディングにも輝いたこともある。
父のスピードと勝負根性を受け継いだロードノースは、昨年このレースに出走。2着に3馬身差をつけ人気に応えた。前走ウィンターダービー(G3、AW2000m)は11か月ぶりの実戦で、2着に敗れたが、叩かれた効果も見込める。レース史上初の連覇を達成できるか。
ロードノースと横並びの2番人気に推されているのは、フランケル産駒のモハーフェス(牡4歳、英・W.ハガス厩舎)だ。
重賞勝ちは、3走前のハンプトンコートS(G3、芝1990m)のみと実績はやや見劣るものの、血統表には祖父ガリレオ、母の父シーザスターズなど欧州の名馬がずらり。名牝アーバンシーの「3×3」というクロスはいかにも大舞台向きといえるだろう。近走は2000mを中心に使われていたが、1800mへの距離短縮もプラスに働きそうだ。
ロードノースとモハーフェスの良血馬2頭がシュネルマイスターの前に大きく立ちはだかることになりそうだ。
展開のカギを握るのは、“世界の矢作厩舎”が送り込むパンサラッサ(牡5歳、栗東・矢作芳人厩舎)だ。
前走の中山記念(G2)では、1000m通過57秒6というハイラップを刻み、圧巻の逃げ切り勝ちを収めた。スタートがまともなら競りかけてくる馬はほぼいないだろう。
鞍上はその前走を含めコンビ2戦2勝の吉田豊騎手が務める。04年のドバイワールドC(G1)以来、18年ぶりという海外遠征で、大金星をつかめるか。単勝オッズは8.0倍の5番人気と、現地評価も決して悪くない。
昨年の当レースで2着に好走したヴァンドギャルド(牡6歳、栗東・藤原英昭厩舎)にもチャンスはある。
この1年は日本、アメリカ、香港と世界を転戦しているが、8、12、6着と結果は出ていない。1年ぶりのコンビとなるM.バルザローナ騎手が、7番人気(単勝オッズ15.0倍)の低評価を覆せるか。
この他には、芝1800mで3戦3勝のカーネルリアム(牡5歳、米・T.プレッチャー厩舎)、紅一点のサフロンビーチ(牝4歳、英・J.チャプルハイアム厩舎)なども上位をうかがう。
シュネルマイスターがアーモンドアイ以来となる日本馬勝利を挙げるのか、それともロードノースが連覇を果たすのか。パンサラッサの逃げ脚にも注目が集まる。
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