
JRA福永祐一が粉砕した「2回に1回」の儚い夢……、怒涛の三日間開催は稀に見るガチガチ決着続き! それでも「3年2か月ぶり」大失態の仲間外れは誰?
先週末の中央競馬は21日が春分の日ということもあり、土日月と怒涛の三日間開催となった。
期間中には若葉S(L)、スプリングS(G2)、阪神大賞典(G2)、フラワーC(G3)など、春の大舞台に向けて重要なステップレースも含まれており、競馬ファンも大いに盛り上がったに違いない。
そして、もう一つの注目はJRAが指定する5つのレースそれぞれで1着になる馬を選び、5レース全ての勝ち馬を当てるWIN5が日曜と月曜の2日連続で行われたことだ。
JRAが発売している券種の中で最も高い控除率30%ではあるが、的中すれば最高6億円の払戻も夢ではないのもWIN5の魅力。一攫千金を夢見る猛者たちも2回のチャンスに胸を躍らせていただろう。
そんなWIN5だが、対象レースの5つすべてを的中させるのはやはり至難の業。通常の馬券なら、5レース中のどこかでプラスを出せば、トータル回収率で黒字になることも十分あるが、WIN5の場合は1つでもハズレた時点でゲームオーバーとなる。
1レース目でハズレようが、リーチの5レース目でハズレようが同じ。そういう意味では最も“メンタルを削られる”券種ともいえよう。
何といっても人気馬があっさり敗れることも珍しくないのが難易度を大きく引き上げている。これは勿論、他のレースでも同様とはいえ、5レースすべてとなると話は変わってくる。
例えば48.6%という数字があるが、これはWIN5対象レースにおける単勝1倍台の支持を集めた1番人気馬の勝率だ。即ちファンの大多数が確勝級と見ている断然人気馬でも、確率的には2回に1回しか信頼に応えられていないことを意味する。
その一方で、負けたら高額の払戻に期待できるが的中が難しく、勝ったら勝ったで払戻は激減するものの、的中しやすくなるジレンマもある。
そんな諸刃の剣的な単勝1倍台の馬が多数出走していたのが、今回の2連続開催だった。
初日の20日は、2レース目の鳴門S(3勝クラス)に1.5倍のケイアイドリー、4レース目の阪神大賞典に1.2倍のディープボンドが出走していずれも勝利。5レース目のスプリングSを5番人気の伏兵ビーアストニッシドが勝利したとはいえ、払戻は6万3940円と平穏な結果となった。ちなみに10万円を切るWIN5の払戻は、2020年11月の3万830円以来のこと。
二日目の21日は、初日を上回る4頭もの単勝1倍台の馬が出走。あまりに堅過ぎた前日に拍子抜けしてしまった感もあったが、確率的に2回に1回負けるなら4頭中2頭は人気を裏切ってもおかしくない。
高配当を狙う穴党の“期待”を背負った4頭が出走したこの日の対象レースには、1レース目の隅田川特別(2勝クラス)に1.3倍のレッドロワ、2レース目の熱田特別(2勝クラス)に1.6倍のタイニーロマンス、3レース目の韓国馬事会杯(3勝クラス)に1.8倍のウィリアムバローズ、4レース目の名古屋城S(OP)に1.9倍のグロリアムンディがスタンバイしていた。
はたして、気になる結果はどうだったのか。

結論から述べると、穴党の“期待”に応えて飛んだのはC.ルメール騎手騎乗のレッドロワただ1頭のみ。日月合わせた対象10レースのうち6レースに存在した断然人気馬だが、6戦5勝という圧倒的な好結果を残していた。中でも月曜の中京で騎乗した両レースをどちらも快勝した福永祐一騎手には、穴党もお手上げだったのではないだろうか。
また、対象5レース中4レースに1倍台の馬が出走していたケースもかなり珍しい。確認したところ、直近だと2019年1月20日にも4頭が出走して3勝していたが、このとき最後のアメリカJCC(G2)を1.7倍のフィエールマンで2着に敗れていたのは、ルメール騎手だった。
約3年2か月ぶりにまたしても仲間外れの大失態となってしまったが、辛うじて前日の6万円台を超える7万円台の払戻の立役者となったことには、穴党ファンから少しばかり助かったという声も出ていたとか……。
(文=黒井零)
<著者プロフィール>
1993年有馬記念トウカイテイオー奇跡の復活に感動し、競馬にハマってはや30年近く。主な活動はSNSでのデータ分析と競馬に関する情報の発信。専門はWIN5で2011年の初回から皆勤で攻略に挑んでいる。得意としているのは独自の予想理論で穴馬を狙い撃つスタイル。危険な人気馬探しに余念がない著者が目指すのはWIN5長者。
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