JRA桜花賞(G1)世界の「豊×矢作」タッグが堂々の逃げ宣言!? 相性抜群「唯一のディープ産駒」が波乱を巻き起こす!
4月10日(日)、阪神競馬場では牝馬3冠の第1戦・桜花賞(G1)が行われる。
今年の牝馬クラシック路線は、群を抜いて強い馬はおらず混戦模様。ナミュール、サークルオブライフの有力馬2頭が揃って8枠に入り、もう1頭の有力馬・ウォーターナビレラは前走のチューリップ賞(G2)で惨敗している点が気がかり。これまでの春G1は波乱の結果が続いており、桜花賞も「荒れ模様」の雰囲気を感じさせる。
こうした状況の中では、思わぬ伏兵が台頭する可能性も十分にあり得る。中でも注目したいのがパーソナルハイ(牝3歳、栗東・矢作芳人厩舎)である。
パーソナルハイは収得賞金400万円組による6分の2の抽選を突破しての出走。今回は3走前の赤松賞(1勝クラス)以来となる、吉田豊騎手とのコンビで大舞台へ挑戦する。
その赤松賞では、抜群のスタートで単騎の逃げに持ち込むと、最後はナミュールにこそ差し切られたが2着に粘りこんだ。この時の3着馬は後にフェアリーS(G3)、クイーンC(G3)で2着に好走するスターズオンアース。この馬を物差しにすれば、0.2秒先着したパーソナルハイにも重賞級の力はあるといえる。
その後は阪神JF(G1)、フラワーC(G3)に挑むも、2走とも惨敗。藤岡康太騎手が騎乗したこの2走は、いずれもスタートが決まらず控える競馬となってしまい、力を出し切ることはできなかった。
今回は「逃げの名手」吉田豊騎手に手が戻る。枠も2枠4番と絶好枠を引き当てた。陣営も『サンスポ』の取材に「枠も最高です。ここならいくしかないんじゃないですかね」といった「逃げ宣言」も飛び出している。
今回のメンバーを見ると、人気馬の多くは中団~後方でレースを進めるタイプ。明確に逃げを狙いそうな馬は、パーソナルハイの他にはカフジテトラゴンくらいである。有力馬が後方でお互いを牽制し合い、パーソナルハイがノーマークで逃げを打つ展開になれば、一発のチャンスもありそうだ。
血統面でみても、ディープインパクト産駒は過去10年の桜花賞で4勝、2着5回。他の種牡馬とは一線を画した実績を残している。先週、阪神で行われた大阪杯(G1)でもディープインパクト産駒が1、2着。パーソナルハイは今回のメンバーでは唯一のディープインパクト産駒であり、侮れない存在だ。
もちろん賞金や実績の面からみれば「格下」の存在であり、下馬評では好走は厳しいとみられている。
しかし、それを承知の上で、矢作師が抽選覚悟で出走を決めてきたことに勝負気配を感じる。今年に入り、サウジアラビアやドバイで、当初は厳しいとみられていた馬たちの激走を幾度となく演出してきた矢作師、今度は国内で「矢作マジック」が炸裂するかもしれない。
ドバイターフ(G1)をパンサラッサで制した「豊×矢作」の世界的コンビで挑む桜花賞。春の仁川に嵐を呼び込む、パーソナルハイの逃走劇に期待したい。
(文=エビせんべい佐藤)
<著者プロフィール>
98年生まれの現役大学院生。競馬好きの父の影響を受け、幼いころから某有名血統予想家の本を読んで育った。幸か不幸か、進学先の近くに競馬場があり、勉強そっちのけで競馬に没頭。当然のごとく留年した。現在は心を入れ替え、勉強も競馬も全力投球。いつの日か馬を買うのが夢。
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