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JRA「凄い伸びでした」鞍上も驚愕のノーステッキ圧勝劇! 近親に3戦無敗で種牡馬入りした「未完の大器」、“砂のエース”に代わる大活躍なるか

JRA「凄い伸びでした」鞍上も驚愕のノーステッキ圧勝劇! 近親に3戦無敗で種牡馬入りした「未完の大器」、砂のエースに代わる大活躍なるかの画像1

 23日、東京競馬場で行われた6Rの3歳1勝クラスは、1番人気のヴァルツァーシャル(牡3歳、美浦・高木登厩舎)が直線一気の豪脚で優勝。3ヶ月ぶりの実戦を制して待望の2勝目を挙げた。

 16頭立てダート1600mのレース。大外16番枠から好スタートを決めたヴァルツァーシャルと大野拓弥騎手は、手綱を徐々に抑えて後方4番手まで下げる。ハナを奪ったエルパソが飛ばしたことで、1000m通過は58秒9の速いペースに。

 やや追っ付け気味の追走になったヴァルツァーシャルだが、ロスを最小限に抑えながら4コーナーを回ると、直線入り口でスムーズに外へ。残り400mを過ぎて追われると矢のように伸び、ノーステッキで後続に2馬身差をつけてゴールを突き抜けた。

 鞍上の大野騎手はレース後、「道中は砂を強めに被ったが、直線で外に出すと凄い伸びでした」とコメント。その力強い末脚に驚愕したようだった。

「非常に強い競馬でしたね。稍重の勝ち時計1分35秒7も優秀で、当日メインに同じ稍重で行われたオアシスS(L)の勝ちタイムと比べても、僅か0秒3しか差がありません。オープンに入っても十分にやれる器だと思います」(競馬誌ライター)

 豪快な勝ちっぷりには、レース後のSNSやネット掲示板にも「1頭だけエンジンが違う」「馬も強いが騎手も完璧」といった称賛のコメントも見られた。また中には「オーヴァルエースの分も頑張ってほしい」という声もあった。

 

近親に3戦無敗で種牡馬入りした「未完の大器」

 

 オーヴァルエースはヴァルツァーシャルの近親にあたるヘニーヒューズ産駒だ。2018年11月の東京ダート1600mでデビューすると、中団追走から直線だけで2着に9馬身をつける圧巻の競馬でファンの度肝を抜いた。

 続く寒椿賞(当時500万下)とヒヤシンスS(L)も制して無傷の3連勝を達成。将来を嘱望されていたものの、その後に故障を発生。そのまま復帰することなく一昨年の10月に中央登録を抹消されている。

 ヴァルツァーシャルは、そのオーヴァルエースと同じ梅田牧場の出身で高木厩舎所属、西森功オーナーの所有馬でもある。そのため、道半ばで競馬場を後にした未完の大器の分まで活躍を望んでいるファンもいるようだ。

「ちなみにオーヴァルエースが勝った寒椿賞の2着馬は現オープンのケイアイターコイズ、3着は今年の高松宮記念(G1)を制覇したナランフレグです。

ヒヤシンスSでも重賞勝ち馬のデルマルーヴルや、米国三冠レースに出走するマスターフェンサーなどを下していただけに、無事であれば相当の出世が期待できたのではないでしょうか」(同)

 そんなオーヴァルエースは現在、北海道浦河町のイーストスタッドで種牡馬生活を送っている。昨年は35頭の繁殖牝馬に種付けするなど、ヘニーヒューズの後継種牡馬として第二の人生に奮闘している。

 なおヴァルツァーシャルの方は、高木師によると次は来月15日に東京で開催される青竜S(OP)あたりを視野に入れて調整していくとのこと。

 実はこのレース、オーヴァルエースがヒヤシンスSの次に目標にしていたレースでもある。不世出の大物が踏むことのできなかった舞台で、輝きを放つことができるだろうか。

(文=冨樫某)

<著者プロフィール>
 キョウエイマーチが勝った桜花賞から競馬を見始める。まわりが学生生活をエンジョイする中、中央競馬ワイド中継と共に青春を過ごす。尊敬する競馬評論家はもちろん柏木集保氏。以前はネット中毒だったが、一回りして今はガラケーを愛用中。馬券は中穴の単勝がメイン、たまにWIN5にも手を出す。

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