JRA川田将雅「落馬」のち制御不能の暴走……。トホホなGW、NHKマイルC(G1)はダノンスコーピオンが重賞「40連敗中」の絶望枠に
最大で10連休となる今年のゴールデンウィーク(GW)。競馬界では先週末の青葉賞(G2)と天皇賞・春(G1)に始まり、週半ばには3日連続で交流重賞が行われるなど、まさに盛りだくさんの黄金週間となっている。
そんな2022年のGWも8日(日)が最終日。フィナーレを飾る大一番は3歳マイル王を決めるNHKマイルC(G1)だ。
本記事でも紹介したように、今年最も多忙なGWを過ごしているのは武豊騎手だろう。ただし、最も波に乗っているのは池添謙一騎手で間違いない。
池添騎手は、先週末の青葉賞をプラダリアで優勝。4日には園田の兵庫チャンピオンシップ(G2)でブリッツファングに騎乗し、8馬身差の圧勝を飾った。今週末は土曜の京都新聞杯(G2)でショウナンアデイブに、日曜のNHKマイルCはステルナティーアに騎乗し、一発を狙う。
一方、池添騎手とは対照的なGWを送っているのが川田将雅騎手かもしれない。
青葉賞こそ、2番人気のロードレゼルを2着に導き、日本ダービー(G1)の権利を手繰り寄せた川田騎手。だが、シルヴァーソニックに騎乗した翌日の天皇賞・春は、スタート直後にまさかの落馬。一完歩目で躓くという不運に見舞われ、一瞬で同馬絡みの馬券は紙くずとなった。
さらに、3日には名古屋で行われたかきつばた記念(G3)でピンシャンに騎乗。5番人気と評価は高くなかったが、スタート後のホームストレッチで制御が利かず。暴走気味に逃げ馬に絡んでいく展開に。3角手前で手応えが怪しくなると、JRA勢では最低着順となる7着に惨敗した。
踏んだり蹴ったりのGWを過ごしている川田騎手だが、巻き返すチャンスはまだ残っている。京都新聞杯では良血馬リアドに、NHKマイルCではダノンスコーピオンに騎乗を予定。上位人気が濃厚な2頭で悪い流れを断ち切りたいところだったのだが……。
6日に確定したNHKマイルCの枠順で、川田騎手騎乗のダノンスコーピオンは、なんと8枠18番の大外枠に収まったのだ。
NHKマイルCの過去10年の8枠成績は「2-3-2-23」と決して悪くない。大外18番枠も、16年にレインボーラインが3着、19年にケイデンスコールが2着と、2頭が馬券圏内に好走している。
「東京の芝1600mはスタート後、3コーナーまでが542m。十分な距離があるため、内外の有利不利はあまりないと言われています。差し脚質のダノンスコーピオンにとっては、内を見ながら競馬ができるため、むしろプラスに出る可能性もあると思います」(競馬記者)
そんな記者の言葉とは裏腹に、見逃せないのが川田騎手の重賞レースにおける枠順データだ。川田騎手は外目の15番から18番枠で重賞を通算5勝している。しかし、最後の勝利は15年6月……それ以降は、なんと40連敗中である。
【川田将雅騎手、15~18番枠時の成績、重賞レースのみ】
~15年6月 「5-4-4-32」
15年7月~ 「0-0-2-38」
川田騎手は15年6月の宝塚記念(G1)を16番枠ラブリーデイで制したが、その後は外枠(15~18番)で40戦して3着が2回あるだけ。同期間中に挙げた重賞71勝は全て1~14番枠でのものだった。
G1の大舞台でも、19年桜花賞のダノンファンタジー、同年阪神JFのリアアメリア、20年チャンピオンズCのクリソベリルと、3頭の1番人気馬が着外に沈んでいる。
GW期間中の嫌な流れを引きずって連敗は伸びるのか。それともリーディングジョッキーの意地を見せられるのか。その手綱さばきに注目したい。
(文=中川大河)
<著者プロフィール>
競馬ブーム真っただ中の1990年代前半に競馬に出会う。ダビスタの影響で血統好きだが、最近は追い切りとパドックを重視。
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