
JRA NHKマイルC(G1)安藤勝己氏「ある程度成長してれば勝てる」セリフォスに太鼓判! 異例の長期休養明けは中内田マジックで問題なし?

GW最終日になる8日、東京競馬場で春の3歳短距離王決定戦であるNHKマイルC(G1)が開催される。
『netkeiba.com』による1番人気は、今年すでにG1を2勝と好調な福永祐一騎手のセリフォス(牡3歳、栗東・中内田充正厩舎)になると予想されている。同馬は2枠4番に収まり、枠順の不利も特になさそうな最有力の一頭であることは間違いないだろう。
安藤勝己元騎手も『東京スポーツ』の予想で本命にセリフォスを推し、『YouTube』でG1週にアップしている『乗りたい馬ベスト3』でも「完成度が高い」「乗りやすそう」「競馬はうまい」とベタ褒め。「ある程度成長してれば勝てる」「マイルなら今の3歳の中じゃやっぱり一番安定感ある」「前なら崩れることはない」とかなりの高評価だ。
しかしながら、セリフォスには見逃せない大きな不安がある。昨年12月の朝日杯フューチュリティS(G1)以来、4か月以上空けてぶっつけ本番でNHKマイルCに臨むことだ。
中内田厩舎が過去に勝ったG1は、すべてマイル戦
安藤氏は「ちょっと間あけた方がいい方に出るような気がする」と語ってはいるがNHKマイルCの歴史の中で、2歳戦から直行して勝った例は無い。2014年に3月のアーリントンC(G3)から、およそ2か月後に勝ったミッキーアイルが最長間隔だ。
そこで取捨の判断になるのが、管理している中内田調教師だ。中内田厩舎は間隔を空けての鉄砲使いを非常に得意としていて、今年に限っても中11週以上(約3か月休養明け)間隔を空けると、22戦6勝で勝率27%の好結果を残している。逆に中3週以内だと19戦2勝で勝率10%と、使い込むと良い成績が出ない傾向だ。
代表例が、去年まで中内田厩舎に在籍していたダノンファンタジーだ。
3歳になってから勝った重賞4勝は、すべて2か月以上の休み明けでのもの。桜花賞(G1)や秋華賞(G1)の前に休み明けでそれぞれトライアルを勝ち、いざ勇躍本番へ向かうと、馬券圏内にも入れない大敗……。良くも悪くも中内田厩舎らしい馬だった。
セリフォス自身も重賞勝利2勝は、どちらも2か月半空けている。逆に中1か月と間隔を詰めて挑戦した朝日杯FSは敗れた。中内田師は大きなレースも休み明けで狙った方が勝率は高いと判断したのかもしれない。
セリフォスはデビューから、ずっと芝のマイルレースだけを使ってきた。初めから朝日杯FSやNHKマイルCを意識したローテーションで、中内田師が過去に勝ったG1はすべてマイル戦だ。
セリフォスに関しても「距離に関しては得意なところかな」と共同会見で語っている。「体良く見せていますし、2歳から3歳になった体かな」と、馬体の成長に関しても自信のある様子だ。
今回、異例の長期休養明けの出走となるセリフォス。だが、これまで休み明け、そしてマイル戦で数々の実績を残してきた中内田厩舎だけに、今回も大きく割り引く必要はなさそうだ。
(文=パッパラー山中)
<著者プロフィール>
皇帝シンボリルドルフの代表産駒トウカイテイオーの舞うようなフットワークに魅せられて競馬を始める。人生で1番泣いたのは前年の大敗から1年ぶりの復活勝利を決めた1993年の有馬記念(G1)。感動のあまり競馬場で泣いて電車で泣いて家で泣いた。馬券はパドック派。今までで1番「こりゃすんげえ馬体」と思ったのはサクラケイザンオー。
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