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JRA日本ダービー(G1)武豊「批判覚悟」の布石でドウデュース逆襲必至!? ジオグリフ、イクイノックス、ダノンベルーガ皐月賞「5強」で唯一マイナス評価だったのは?

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ドウデュース 撮影:Ruriko.I

 11日、昨年の2歳王者ドウデュースが、今月末の日本ダービー(G1)へ向けた2週前追い切りを敢行。栗東のCウッドで行われた併せ馬で軽快な動きを見せると、見守った友道康夫調教師も「元気一杯でいい感じ」と手応えを口にしている。

 またこの日、皐月賞(G1)を制したジオグリフが、放牧先のノーザンファーム天栄から帰厩。同2着のイクイノックスも近日中の帰厩が予定されているなど、いよいよ頂上決戦に向けて各馬が本格的に動き出している。

 3歳牡馬クラシック第2戦というだけでなく、ホースマンにとっての「夢」とさえ語られる日本ダービー。来たる競馬の祭典に向け今一度、3歳牡馬たちの勢力図を確認しておきたい。

 皐月賞後ここまで青葉賞(G2)、京都新聞杯(G2)、プリンシパルS(L)と3つの前哨戦が行われ、新たなダービー候補たちが名乗りを上げたものの、本番で人気を集めそうな馬はいない。今年も中心は、皐月賞組だ。

 また、今年の皐月賞は6番人気のアスクビクターモアまでが単勝オッズ10倍を切る、史上稀に見る上位拮抗だった。その結果、上位5着までを6番人気以内の馬が独占。「上位陣の壁は極めて高い」と言っても過言ではないだろう。

 今回は、皐月賞で掲示板を確保した「5強」にスポットを当てたい。

皐月賞で蒔いた「種」がダービーで花開く武豊のマジック

 

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ジオグリフ

・ジオグリフ(牡3歳、美浦・木村哲也厩舎)
 皐月賞を制し、世代の中心に躍り出たジオグリフにとって、最大のポイントは400mの距離延長にあると言われている。父のドレフォンがダートの短距離で活躍していたことが主な理由だが、その父Gio Ponti、母父Ghostzapperは中距離馬。母方に流れるノーザンテースト、サンデーサイレンス、キングカメハメハというラインは底力十分で、日本ダービーのような大舞台はむしろ歓迎。府中2400mはベストでなくとも、大きく割り引く必要もないはずだ。

 一方で、本馬が抱える最大の課題はノド鳴りだ。ここまでの実戦で目立った兆候は現れていないが、もし呼吸にトラブルが発生すれば2400mは致命的な距離になりかねない。ここ10年すべて良馬場で行われている日本ダービーだが、極端に空気が乾燥した状況は避けたいところだ。


・イクイノックス(牡3歳、美浦・木村哲也厩舎)
 ジオグリフにとって、最大のライバルは身内にいる。昨年11月以来の実戦となった皐月賞では、同厩のライバルに敗れたが、ジオグリフの鞍上・福永祐一騎手が完璧にマークした。東京スポーツ杯2歳S(G2)で見せたパフォーマンス、一度叩かれた上積みを考慮しても、日本ダービーの1番人気はこの馬になるだろう。

 中山から東京に替わる明確なアドバンテージはあるものの、問題は皐月賞からどこまで上積みがあるかだ。外厩が発達し、次々と最長間隔記録が塗り替えられている昨今。その中でも、本馬が調整しているノーザンファーム天栄は最高峰の実績を誇っている。逆に言えば、皐月賞も決して悪い仕上がりではなかった。状態面の上積みを過剰に期待するのは危険かもしれない。

 もう1つは、やはりC.ルメール騎手の復調が待たれる点だ。具体的に何が悪いという点はないものの、ここまでJRAの重賞を未勝利であることは本人も気にし始めている様子。本番までに連敗にピリオドを打っておきたいところだ。


・ドウデュース(牡3歳、栗東・友道康夫厩舎)
 皐月賞では、1番人気に支持されたものの3着。レース後には元JRA騎手の安藤勝己氏が「それにしても後ろからすぎた」(Twitter)と苦言を呈すなど、主戦の武豊騎手の判断が疑問視された。

 確かに武豊騎手は以前から、皐月賞で後方からレースして届かずという競馬を繰り返している印象だが、その一方でスペシャルウィークやアドマイヤベガなどは、日本ダービーできっちり巻き返している。皐月賞で蒔いた種がダービーで花開くのは、ダービー史上最多の5勝を誇る武豊騎手の1つのパターンといえるだろう。上がり3ハロン最速だった末脚が府中で輝くか。

 ただ、皐月賞のような競馬を繰り返すと、いくら直線の長い東京でも届かない可能性が高まってくる。武豊騎手が前回日本ダービーを勝ったのは2013年のキズナだが、後方14番手から差し切るという豪快なレースだった。当時はエピファネイアを半馬身捉えて「神騎乗」と絶賛されたが、今年のドウデュースが届くとは限らない。毎年、絶好の馬場コンディションで行われている日本ダービーだが、基本的には先行有利だ。

・ダノンベルーガ(牡3歳、美浦・堀宣行厩舎)
 皐月賞では4着に敗れたダノンベルーガだが、右回りにやや難があり、当初は皐月賞参戦が見送られる可能性もあった。それだけに左回りに替わる今回の上積みは小さくない。ジオグリフらを破った2月の共同通信杯(G3)は、まさに圧巻の競馬。あの走りを再現できれば、自ずと戴冠も見えてくる。

 また、皐月賞では3着ドウデュースとはクビ差だったものの、ジオグリフ、イクイノックスに1+1馬身1/4差と大きな差をつけられたが、1枠1番だったこともあって最後は馬場の悪いインを通らざるを得なかった。理想は共同通信杯で見せたような大外一気の競馬。川田将雅騎手の手綱さばきにも注目だ。

 最大の死角は体質の弱さだろう。ここまでキャリア3戦なのは、陣営が細心の注意払って大事に使ってきた証拠だ。皐月賞→日本ダービーは、これまでよりも間隔が詰まる上、悪い馬場を走ったダメージもやや心配……。ダービーは打ってつけの舞台だが、体調面には注意しておきたい。

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アスクビクターモア

・アスクビクターモア(牡3歳、美浦・田村康仁厩舎)
 皐月賞の上位5頭が日本ダービーに挑む上で、割り引かなければならないのはこの馬か。ハナを切った皐月賞では粘り強い走りを見せたが、弥生賞ディープインパクト記念(G2)を快勝しているように、中山コースにかなり高い適性を示している。

 その一方で、東京コースはデビュー戦でジオグリフに、アイビーS(L)でドウデュースにそれぞれ完敗。舞台変更は決して歓迎ではないだろう。

 また、皐月賞では本来ならハナ争いのライバルとなったはずのデシエルトが、スタート直後に躓く“幸運”もあった。特別ハナに拘る馬ではないが、それでも強力な逃げ馬に本来の走りをされることはプラスにはならない。今後に向けた真価が問われる一戦になるだろう。

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キラーアビリティ

 以上が、皐月賞で掲示板を確保した5強の評価だが、逆転の可能性がある馬としてキラーアビリティ(牡3歳、栗東・斉藤崇史厩舎)を挙げておきたい。

 皐月賞では13着と大敗したが、スタートでやや出負けした上に、最後はダノンベルーガのように馬場の悪いインを通らされた。今年の皐月賞の惨敗組で、最も情状酌量の余地があるのはこの馬だろう。

 元々、ホープフルS(G1)の勝ち馬で、皐月賞でも4番人気に推されていた存在。過去の歴史を振り返ると、皐月賞惨敗からの巻き返しは稀だが、2018年のワグネリアンや2009年のロジユニヴァースなどは皐月賞で上位人気に推された素質馬だった。2週前の追い切りを見ても状態面の上積みは大きく、見限るのはまだ早計だ。

(文=大村克之)

<著者プロフィール>
 稀代の逃亡者サイレンススズカに感銘を受け、競馬の世界にのめり込む。武豊騎手の逃げ馬がいれば、人気度外視で馬券購入。好きな馬は当然キタサンブラック、エイシンヒカリ、渋いところでトウケイヘイロー。週末36レース参加の皆勤賞を続けてきたが、最近は「ウマ娘」に入れ込んで失速気味の編集部所属ライター。

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